謎生物を拾ったんだが   作:異形に性癖を破壊されし男

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あっ、言い忘れてた。5話目だよ。


どんどん近くなる

 

あの日からまた数週間、というか1ヶ月以上経った。学校は終業式を迎え、夏休みにはいっている。とは言えどもうその夏休みも半分を切っているのだが。課題はもう終わらせたから良いとはいえ、この期間なにもしていないので少し自分の中でもったいないという感情がちょこっとある。

 

アゲハもどんどんと大きくなっている。腰の足の先は指のような関節が増えていて、下半身の軟体動物のような部分は今や人間の足のようになっており、足先が不安定な形で無ければ人と同じ歩行が出来そうな関節も出来ていた。それと顔つきもなんだか柔らかくなったというか、人間らしくなったという感じがする。無表情ではあるが。しかし右目の瞳孔はさらに増えて眼孔が裂けるように広がり始めているし、右腕の触手も本数が増えてきたので人間に近づいているとは言い難いが、身体的に出来ることも増えているため、人間に近い動きも幅広く出来るようになっている筈だ。

 

そうこうしているうちに食事が出来たのでアゲハを椅子に座らせる。最近はゴーヤチャンプルーとか麻婆豆腐のような苦いもの、辛いものを食べさせてみているがアゲハは特に何のリアクションも無く食事を行う。しいて言えば、初めて出したメニューは私が口をつけないとアゲハも食べようとしないことだ。食器の扱い方が分からないのかとも思ったが、今のアゲハは特に危なげもなく食器を使えるようになっている。単に目の前の物を食べ物と認識できていないのか、それとも私が食べるのを見て毒性の有無を確認しているのかもしれない。

 

食事が終わった後はアゲハとソファーに座り、テレビを見る。配信で映画やアニメを見たり、ニュース番組やお笑いなども見ている。テレビから流れる音声でもしかしたら言葉を学べるかもしれないという魂胆ではあるが、私自身が暇だからという理由もある。実は私は、このキヴォトスには暴力が全面的な映画は少ない印象を覚えている。恐らくここでは暴力的なことが日常茶飯事なことや、学園都市というだけあって未成年の子達が多いからなどがあるかもしれない。今回見ているのは、年頃の女子生徒が好きそうな甘々の青春ラブコメ映画だ。キラキラすぎる青春を見るとこんな青春を送りたいなぁ、と思ってしまう。今のシーンは主人公とヒロインがベンチに二人で座っているが距離感が上手く行かないという感じのシーンだ。これがまだ私が若ければドキドキするのだろうが、生憎私は前世も含めれば40後半ののおっさんである。いくら体が若かろうと、精神年齢は変えられない。おっと、ヒロインがベンチの上の主人公の手に触れたぞ。ここから物語がラブラブに始まっていくのだろう。そんなことを思っていると、ソファーに置いていた手になにかが触れた。見るとそこには映画のように私の手に触れるアゲハの左手があった。

 

「ッ!?」

 

私はアゲハにもそういう感情が芽生えたのかと思ったが、アゲハはテレビの画面を見続けており単純に手を動かしただけかもしれない。ふぅ、危うく勘違いをするところだった。……待て、私は何故勘違いするところだったんだ。私はアゲハを人間としてを越して、異性として見ているのか?

 

………やめよう。アゲハも映画に集中しているようだし、こんな考えはさっさと忘れるべきだ。映画を見終わって外をみればもう夕方だった。そろそろ食事の準備を始めるとしよう。

 

夕飯を食べ終わってから、アゲハの頭を撫でる。最初の頃に比べれば、警戒心はかなり薄くなったと思う。こちらに向ける視線も、ぼんやりとした意思の無いものに感じた。とは言え、無表情なのは相変わらずであり、表情で察しているというよりは私自身の勝手な妄想でしかないが。

 

アゲハとコミュニケーションを取るのは難しい。この夏休み期間のほとんど毎日色々な映画を見せたり、アゲハに向かってコミュニケーションを取っているが、アゲハは稀に『キィキィ』と鳴くくらいでほとんど声を発さない。アゲハとのコミュニケーションが難しい理由の一つである。後は表情や仕草から喜怒哀楽が分からないのも理由の一つだろう。アゲハに発声を促してみるが、それでも出てくるのは鳴き声のみだ。発声器官の関係で話せない可能性も出てきた。しかし、こちらの言葉を理解している可能性がある以上諦めずに他の方法を試してみるのも良いだろう。

 

寝る時間となったのでアゲハと共にベッドに入る。アゲハの成長速度は他の生物と比べても破格のものだ。道具を扱う能力なども人間に近いものとなっている。正直アゲハの成長の先は全く予想できないものであり、アゲハが蝶となるか毒蛾となるかは分からない。しかし、こうして一緒に過ごす時間が増えるほど、アゲハへの愛着も大きくなっている自覚もある。

 

私に出来ることはアゲハの成長を見守ることだけだ。そう思い、私も眠りについた。

 




オリ主の性自認は男です。他の生徒に関してなにも思っていないのは未成年に興味がないから。

因みに学校生活の事とか書いていないのはオリ主の使用武器が決まっていないからです。
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