どけ!!俺は出久のお兄ちゃんだぞ!! 作:俺もお兄ちゃんだぞ!!
最初に動いたのはスターアンドストライプ――スターだった。
「大地は私の半径20m以内に位置する地に足をついた生物を固定する!」
急に地面に手を突いたかと思えば、何かを告げた。
その瞬間、俺の足が金縛りにあったかのように動かなくなる。足を動かそうと力を入れるが、まるで接着剤によって固定されたかのようだった。
よく分からないが、言葉から察するに恐らく地面。このまま地面ごと引っこ抜いて動いてもいいが、動きづらいだろう。
つまり。
「こうすればいいっ!!」
引き寄せる力。
空間を削る力を発動させ、足元の地面を消し飛ばす。
ただし大きい反応は作れない。言葉にするのは難しいが、簡単に言えば俺の防御と空間を削る能力に矛盾が発生するからだ。
だが、大きめに削ることは出来る。
体の自由が戻る。
この個性、話した瞬間になった。つまり言霊か?
地に。つまり地面。
浮いた地面は果たして地面と呼べるのか。
浮いてる判定。
だから動けたってわけか。どうやら全能な力ってわけではなく、穴はあるらしいな。もし違ってたなら今ので動けなかっただろう。
だとしたってあまりに強力すぎる。
「対処が早いな! 風! 私の正面100m以内にいる生物に集まり、強風が吹き荒れる!」
「!?」
スターに接近しようとしたが、今度は強烈な風が吹く。
俺の体が一気に吹き飛んだ。
何が来ると思って起動したというのにオート発動しない。風、害になるものに入れていない。建物にぶつかる。風による押し出しで建物が貫通する。それどころか勢いが消えない。近づいてきているのか!
瞬時に収束の力を横に発生。瞬間移動によって回避すると加速する。
「近接戦闘! 望むところだ!」
反応して拳を振り抜いてくるスターだが、俺の方が速い。
反応を作ることによって拳に纏わせながら引き寄せと加速。
頬を打つ一撃が殴り飛ばしていた。
――流石アメリカNo.1。
原理は分からないが、硬い何かを殴ったような感触が返ってきた。
流石に生身の肉体とは思いたくない。オールマイトを殴ったらこんな感じか?
「マジか……! これでも限界まで強化してるんだがな」
「強いな。これ、頑張って身につけた自信のある一撃だったんだが」
「それは悪いね。言っただろう? 私はアメリカを背負ってるってね!」
人が死にかけてハイになってからようやく身につけた攻撃を大したダメージもなく済まされるのは流石にちょっとへこむ。
「さぁ、まだまだやろうか!」
今度はスターが加速した。
オールマイトより遅い。だが速い。
しかし。
「これはっ!?」
「
俺に拳が触れる直前、拳が止まる。さっきの意趣返しにそう呟いた。
押し出そうとしているらしいが、距離は変わらない。そういう個性に仕立てあげた。
反撃をしようと動こうとした途端、瞬時に後ろに跳んでいた。
下手に追わずに止まる。
相手の個性が言霊というのは間違いない。口から発した能力を発動させている。
しかし増強型に近い速度。
つまり
「触れられない……ね。だが
何かをする前に攻撃する。
駆け出した俺に対してスターは拳を構えてるだけ。
そして一定の距離へと入り。
「私の半径50mに存在するバリアは消滅する!」
カウンターとして拳を振るってきた。
しかし停止する。
驚愕したように驚くスターを無視して懐へ入り込むと。
「バリアじゃないのか!? 私の体は衝撃を通さない!」
放った拳がスターをくの字に曲げて吹き飛ばすが、彼女はすぐに回転して地面に手を着く。
どうやら俺の発しているものをバリアと勘違いしたらしい。
まぁ確かにバリアにしか見えないからな。
正確にはバリアではなく距離。それを俺は
俺の個性は誰にでも分かるように言うと距離だ。物体の操作、人の操作、空間の操作、それらは距離がなければ無し得るものではない。
母の個性はちょっとした物を引きつける個性。鍛えれば“ちょっと”ではなく、
なら子供である俺に個性が宿り、世代ごとに強くなる個性の性質によって強化されているものを受け継いだならば?
なおかつ他の人と違った
それによって俺は今発動している個性まで到達している。
もっと簡単に言えば
だから“収束”。
いや、脳を治したりとかは明らかに個性の範疇を超えてるから俺もよくわかってないのだが。
ただ個性は身体能力の一部なのに、これしか出来ない! と思ってる人の方が多いんだよな。
結局個性名ってその人や名付けた人がそうだと思ったものにしてるから、先入観の方が勝ってしまう。
そうなれば当然、個性もそうなのだとなってしまうんだ。だから永遠に進化出来ない。いや深化……の方が正しいかもな。
無論、だからといって俺が火を吹ける……とどれだけ思っても吹けないため、あくまで自身の個性が拡張出来るものだけだ。それも相応の器、鍛えられていなければ不可能。
増強型で言うならば超パワーは脚や腕といった部分しか出来ないと思ったら全身で出来たっていう感じ。
フルカウルと似たようなものだ。流石出久!!
「許容範囲を超える一撃か……なるほど、どうやら
「まさかもう終わりとは言わないよな、
「
ゆっくりと立ち上がったスターがファイティングポーズを取って何かをしようとしていた。
警戒は怠らない。言霊だと考えるならば制限なしとは思えないが、俺の個性に気づいた瞬間突破されてしまう可能性がある。
「まずはそれを見極める!! 地面は操れる!」
「うおっ!?」
スターか地面に触れた途端、俺に向かって地面が捲れる。
さらに周囲の地面が俺へと倒れてくる。
オートを起動させて防御。
当然地面は俺を潰すことなく静止する。
目の前の空間を収束させて地面の壁を破壊すると既に目の前にはスターが居た。
拳を引き絞った体勢。
「壁は存在出来ない!」
「ハズレ」
停止する拳を見て舌打ちが聞こえたが、俺の拳が捉える。
振り抜いた腕とは違い、無事な手でガードされたが追撃に飛び蹴りを放つ。
背を曲げて回避されたが、引き寄せながら回し蹴り。
距離が離れる。
「く……っ! こういうのはどうだ!? 『重力』は私の周囲100mでは100倍になる!」
攻撃性がある、という時点で対象になるため、影響を受けない。
地面が沈んでも俺の周囲だけ正常な状態、とでも言うべきだろうか。なぜならまず強化された重力の圧が届いてない。
ただし、ずっとこうされていると俺の脳がひたすらダメージを受け続けるだけのため、俺は距離を離して範囲から逃れる。
そもそもこっちは引力操作を得意としている。重力に関しては効くわけがない。
直接受けたら話は変わってくるが。
「やはり何らかのタネがあるね。教えてくれるかい?」
「そう言われて教えるやつは居ないだろ?」
「それはそうだな!」
元に戻ったのか近づかれても特に影響は受けないようだ。
ひたすら続けたところで鬼ごっこになるだけと判断したのだろう。
実際正しい。
「大気――私の前方50mの大気は発火する!」」
突如として爆ぜた。
途方もない爆発というわけではないが、あくまで届かないのは俺の周囲だけだ。
「煙たいな!!」
当然近くにある煙は残るわけで、影響はないが見えづらい。
手で煙を払うように動かしてると、背後から気配がした。
「悪いな、不意打ちはもう効かないんだ」
「マジかぁ……」
「それはそうと殺す気満々すぎないですかね」
「いやあ、死なないでしょ君」
目を向けると、ぶっちゃけ存在を忘れていたホークスが剛翼を俺に水平に振るっていた。
ちょっと焼けてる。そのまま焼き鳥になれよ。
攻撃は止まってこそいるが、明らかに俺の腹を切断する気満々。しかも聴こえる音からして音波振動付き。
これが学生にやることか? 信じられないだろ、この人本気で殺りに来てるぞ。
職場体験の前の俺ならまず間違いなくこれでやられていた。何とか反応してても個性の発動は間に合わなかっただろう。掠っていたと思う。
そこから音波振動は痛い。
俺が1度ギャングオルカの音波を不意打ちで受けたことをしっかりと覚えてやがる。
「というかショック。俺、本気で動いたのになあ」
「そのまま羽ごとリタイアしてくれ」
「そりゃ勘弁願いたいね! スターさん!!」
攻撃動作に入った途端、ホークスが上空へ逃げていた。
追おうとしたものの、ホークスの羽が少ないことに気づく。
なにか企んでるな。
「私は“加速”する!」
「――はや」
全盛期のオールマイト並の速度が出てるんじゃないか、と錯覚するほどの速度で俺にぶつかってきた。
スターの背中には羽がめちゃくちゃついており、ホークスの個性+限界値まで加速したのだろうな。
お陰で俺の背後は衝撃波で建物がぶっ壊れている。かなり先まで。
ソニックブームが出てるってわけか。加速って中にホークスの羽も対象となってる可能性もある。
職場体験前ならこれで普通に負けてた。どれだけ速くしようとも減速するから届かないんだけど。
「これでもダメ、ね」
やっぱりホークスの羽は厄介だ。全部毟りたい。
攻撃する前にスターに逃げられたし。
しかし残念ながらこれは速度でどうにかなるものではない。当たり前だろう、全盛期のオールマイト対策の防御技がどうして速度で負けると思うのか。
速度でどうにか出来てしまうのであるならば俺が開発した意味が無い。
――まあ、あと3秒ほど遅かったら俺が吹き飛んでたわけだが。予想以上より速かったのはむしろ助かった。
オート発動の制限時間。
脳を回復させ、リセットする。
同時に1度解除。
攻撃もないのに発動してても無駄に脳の負荷が掛かるだけだ。
さて……ホークスが攻撃に参加する以上はそっちに意識を向ける必要も出てきた。
忙しくなってきたが――これを乗り越えてこそ
長年鍛えてきたお兄ちゃんを無礼るなよ。
――アメリカはヴィランの発生率が高い。
そのため戦闘経験なんてアメリカに居れば自然と積むことが出来る。
最初に見た時から、テンマミドリヤからは他と違う、
まず間違いなくこの攻防から分かる実力から、アメリカでもやっていけるだろう。
「
「ええ、残念ながら」
ホークスからあらかた話は聞いてある。
テンマミドリヤの個性が“収束”であること。
パワーもスピードも
私の個性は“新秩序”。
対象に触れてから名を呼ぶことで、対象に新たにルールを設定することができる。一度に2つまでルールを設定可能。
その効果は生物をはじめとする実体のある物に限らず実体を持たない事象や概念にも影響を及ぼせる。
簡単に言えばルールを後付けする個性。
と言ってもオールマイト並みの身体能力……といった強化は出来ず、上限こそあるが下限はほぼない。
自分で言うのもなんだが、対処不可能な個性だ。
だがテンマミドリヤは私が課したルールを即座に理解して対処していた。
あのバリアのような“ナニカ”があるとはいえ、あれが無くても対処されただろう。なければ無いなりに別の手段でやっていると思う。
だからこそ疑問に感じる。
「――
実力は申し分ない。判断能力も私から見たって学生の域を超えている。まるで常に最悪を想定して動いてるのような動き方。焦りひとつない。
まず間違いなくトップヒーローとしてやっていける。
だがそれは、彼の意志がそうであるならば、だ。
何やら、公安の方できな臭い動きがあるらしいじゃないか。
はっきり言わせてもらおう。
私もそうだが、彼もまた“本気”を出していない。
何はともあれ、私が勝つにはアレを突破するしかない。
壁ではなく、バリアでもない。かと言ってパワーや速度でゴリ押し出来るようなものでもない。
「勝てます? 俺は正直無理な気がしてきましたよ」
「No.3が情けないこと言ってるんじゃないよ。勝つ負けるの話じゃない」
「――勝つさ」
ハッタリではない。勝つ気ではいる。
だがホークスに無理と言わせるほどの実力者が世界にどれだけ居るのか。彼はオールマイトを除いて最速の名を持つほどだ。
そんな彼にここまで言わせ、私を相手に取れる学生。
「
「それ、歳取ってる奴が言う言葉ですよ」
――いくら私でもイラッと来る言葉はある。
今年で41歳。未だ独身。
その辺りの話題は割り切ってはいるが、面と向かって歳なのだからと言われたらそれなりに腹が立つ。
私だって人間だ。
いいだろう、必ず破ってやろう。こっちはNo.1ヒーローという肩書きを背負ってきてる。一介の学生に一度もダメージすら与えられないなど名が廃るってもんだ。
生意気なクソガキには1度拳骨を与えてやらなくちゃあな……! 私の予想が正しければ――あのバリアのようなものは破れる。しかしそれを悟られてはならない。虚を突いた一撃を確実に顔面に当てる。
無論、その程度で勝てるなんて思っちゃいないさ! 勝てはしなくても“ルール”を付与して無効化することは出来る!
あの防御に頼ってるならば貫通した一瞬は混乱して動きが止まるはずだ。ならば避けることは出来ないだろう!?
確かにとんでもないことをしてるみたいだが――決して
――どうやら地雷を踏んだらしい。
敢えて英語で返すべきだっただろうか。俺は経験者として伝えただけなのに。
スターのこめかみに青筋が浮かんでいる。
「――いい度胸だ。絶対殴り飛ばしてやる! ホークス!」
「はいはいっと!」
ホークスが剛翼を飛ばしてきた。
視界を覆い隠すほどに大量の羽。
再び発動させた俺は見ずとも全て静止させることが出来る。
制限時間があることがバレた? いや、そうとは思えない。物量なら押し通せると思った?
どちらにせよ狙うのは反撃。
恐らく空気を蹴ったのだろう。俺の後ろにスターが移動していて、拳を構えていた。
同じことを繰り返すだけか。
――違うな。相手はアメリカNo.1。その辺のヒーローとは格が違う。オートに任せるな。やるのは迎撃だ!
「――土埃! 舞い上がった土埃は私の正面5mにいる生物を覆う!」
「ごめんね、緑谷くん!」
「!?」
スターが地面を殴ったことで発生させた土埃が竜巻のように囲み、俺の視界を完全にシャットダウンさせる。
さらにホークスが音で轟音を響かせた。キーンと耳鳴りが起きる。
――この程度の音は問題ない。聴覚や視覚を封じたとて……!!
「――――――!」
スターの声が聴こえない。何をした? 何を発動させた? いやオートである限り見えなかろうが分からなかろうが攻撃は防げる。もし無理でもマニュアルで防げばいいだけの話。
土埃が落ちていく。
スターの姿を捉えた俺はカウンターを狙い、個性を拳に乗せて――ダメだ!! ナニカやばい! 分からないけどヤバい!!
ゾクリ、と身の危険を知らせるような感覚に咄嗟に背を曲げた。
「――っそだろ!?」
「っ!? やはりな!
まさか破られるとは思わなかった俺は驚愕したが、スターも何故か驚愕したように目を見開いている。
だが動き出しが早い。
俺が体勢を戻す前に放たれた蹴りが腹部に深く刺さり、発生した痛みに一気に吹き飛ばされ、建物を何個か貫通すると地面に落ちた頃には勢いを殺せないまま建物の中へと後転するような感じで転がっていった。
「いっ……でぇ……」
たったの1発。それだけでこの威力。
オールマイトじゃないんだからこんな火力出すなよ。
――くそっ、音で妨害したのはこのためか。害になるレベルの音は自動で防げるが、日常生活に問題ない音は俺にも通る。当たり前だろう、音を全部遮断なんてすれば会話なんてまず出来ない。
スターの攻撃の瞬間、空間が歪むような感覚があった。
ただ空間を歪ませた程度じゃ俺の防御は破れない。無限の距離に対して歪ませたところで俺の防御が上回るだけ。それこそ相手が俺を超える力でない限り。
そしてオールマイト並のパワーを出せないことから強化自体には制限がある。スター自身が攻撃の距離が無限になる、みたいな強化はまず不可能。出来るならば全盛期オールマイト並みの身体能力で射程距離が無限になるとでもやれば究極のチートの完成だ。
――そういう事か。スターアンドストライプ。あまりにチートすぎるだろう。
あれは事象や概念を
……天敵かよ。いくら収束し続けたところで、結局俺のは“空間上の概念”という領域は出ない。
世界そのものが変わってしまえば、概念そのものを変えられてしまえば、上書きされ、中和されて無効化されるのは当然のこと。
ただ減速はしたことから完全無効化は不可能らしい。といっても1秒未満の時間だからあまり意味はないのと拳の瞬間だけ空間を歪めたってことか。でなきゃ自分も巻き込まれる。
まぁ流石に距離も制限があるだろうしな。
でなければ今頃世界が滅んでる。距離も度々言ってたし。
「その程度じゃあ、終わってないだろう?」
外で俺を待つ姿が見える。
もとより隠れるつもりもない俺は腹部を擦りながら建物から出て対峙する。
強化はされていたのだろう。正直めちゃくちゃ痛かった。
「正面から破られたのは初めてだ」
「殴り飛ばしてやるって言っただろ。まぁ避けられるとは思わず蹴りになってしまったが……それとも」
「矜恃が傷ついたかい?」
「いや……それでこそ最強の名を背負ってるだけある」
「――楽しくなってきた」
「ならば結構!」
口角が上がる感覚を感じると、スターもまた笑みを深くしていた。
こんな無法な個性だ。
スター自身も正面から戦える相手とは久しく会えてなかったんだろう。
流石にこんな短時間で破られるとは俺も思わなかったが……。No.1ヒーローとなれば不思議ではない。
正直無礼ていたのは本当のことだ。今の俺ならオールマイトとも戦えるとは本気で思っていた。
恐らくルールに課したのは空間の縮小か?
「ミドリヤテンマは“距離を伸ばす”ことが出来ない!」
――体感だが防御が消えたような感覚があった。
同時に脳からバチッ、とレトロテレビが消えた時のような音が響く。
あまりの痛みに顔を歪ませると、即座に治しながらお辞儀するように頭を下げる。
「避けた……! なるほどね! つまり今なら当てれるってことか!」
「
「……!」
蒼い光球を放出すると一度見た事あるからかホークスは離脱した。しかし瓦礫を巻き込むほどの引力。
巻き込まれはしたようでぐるぐると回って回転して弾かれていた。
こっちは問題ない。すぐには帰ってこない。
次は――!
「――大気は私の1000倍の大きさで固まる!!」
何かをした。
分からない。見えないが、何か
何かがやばそうだ。
彼女の個性はなんだ、力はなんだ? なぜ俺の力が消された?
脳をフル回転させろ!!
――何故彼女は俺の力を封じることが出来た? 出来たならば最初からそうしていたはずだ。それをしてなかったということは出来ない。だが今は出来る。その条件はなんだ? スターは今までどう個性を使ってきた?
“身体能力の強化”。まずこれは俺と同じくニュートラルに使っている力。これがあればどんな相手にも対応出来る。最も考え得る限り最適な力で強化しやすい。じゃあ無敵にでもすればいいのでは、となるがそれはまた違う。
最初は“大地”に手を接触していた。何もせず発動出来るならわざわざしゃがんで地面に触れるという段階をカットするべきだ。その方が合理的。
次は“風”。地面ではなく手を開いて風を巻き起こした。その次は“パワー”。これはさっき言ったニュートラルな力。
次は“バリア”の消滅。これは俺の個性がバリアを使ってる訳では無いので無効化。その次は“衝撃”の無効化。全カットは出来なかったようだが、ダメージの軽減はあった。
今度は“地面を操る”という条件で手を接触させて自在に操作。“壁の無効化”はバリア同様違うので無効化。“重力”も俺には効かないので無効化。次は“大気の発火”。これも風と同じく。
“加速”。これは身体能力の強化と同じく自分の肉体だから。
それから“土埃”。地面を殴った際に引き起こしたものを操った。最後の“空間縮小”。
本当に万能な力であるならば全てを発動させたらいいだけの話。しかしどれもこれも同時発動されたことはない。1つのルールが存在しては1つのルールが消えている。
なぜだ? 簡単な話だ。スターアンドストライプの個性、
さらにルールならなんでも出来るのか? という疑問に関しては不可。
操作しているのは触れられるもの。それが“対象”となるのだろう。
触れたあとは自由が一気に広がる。物体から存在する概念までに影響を及ぼせる力へ。
だが発動には地球上にいる限り必ず
だから地面に触れたり風に触れたりする必要がある。重力はまず生きてる上で常に掛かってるので解釈的にもセーフなのだろう。
次。なら問答無用で全て強化することも出来るのでは、ということに関しては先挙げたように不可。強化上限がないなら全盛期オールマイト並みのパワーで発動させたらいいし俺の防御ももっと早くに突破出来た。なんなら個性の上限を増やせばいい。出来ないということは強化上限は一定の分あり。無敵になるとか出来ないのも同じだし俺の攻撃の衝撃を完全に殺し切れなかったことからも明白。
で、最初の話に戻る訳だが俺の力を封じることが出来た理由は自ずと分かる。彼女は俺に触れることに成功している。つまり触れた俺もまた対象の存在となり、その場合であるなら相手の弱体化も可能。
それによって俺の個性を封じることが出来た。だが彼女が封じたのはあくまで俺の防御。
であらば
何より
俺の個性そのものは封じられたわけではないならいくらでも対策は可能!
つまり俺の脳内CPUが弾き出した結論は
俺の防御を突破したとして、勝ったと思ったなら認識が甘いぞ! アメリカッ!!
お前が対峙してるのはいずれ最強のお兄ちゃんになる存在!
何をするつもりかは分からないが、大気であるならば俺の力なら確実に消し飛ばせる!!
自分の判断ミスを呪うんだな! 俺の勝ちだ!
何故なら俺の(心の)中には常に
吸い込む力!
空間そのものを削る、“蒼”出力最大――*2
「甘いな!! 切り札ってのは常に最後に取っておくもんだぜ、ボウヤ!!」
「テンマミドリヤは3分間の間、
「ゑ?」
「ちょっ、スターさん!? そりゃ流石にまずいですって! いくら緑谷くんでも
「フィスト・バンプ・トゥ・ジ・アース!!」
原作
-
入る
-
もっとお兄ちゃん読みたい
-
作者の好きなようにやって欲しい