どけ!!俺は出久のお兄ちゃんだぞ!!   作:俺もお兄ちゃんだぞ!!

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仕事が忙しかったでござる。いつも休みの日と休憩時間に書き上げてるけど、まさか休みをほぼ1日中寝るとは。
睡眠時間短いのが続くと反動デカイね。基本何話か貯めてるけど編集する時間が取れねーや。
あ、ヒロアカAll's Justice発売おめでとうございます。格闘ゲーム嫌いだけど今回はなんかアドベンチャー要素やチームアップミッションがあるので1番高いやつ買いました。オンラインはハメられて負ける未来しかないので死んでも潜らないです。URも苦手なバトルロワイヤルでやってないし。
正直、ヒロアカのゲームはスパイダーマンみたいなオープンワールドで出して欲しい。
個性とかいうゲーム向きな設定だし自在に扱えるような自由なゲームの方が楽しいと思うし売れると思うんですけど。

それはそうといつの間にか今回で24万字。
小説換算すると既に2巻分ですね、3巻分くらいになったら原作行きたいところです。
ただ原作入ると最終決戦にならずRTAになる未来しか見えない。頑張れAFO!
妖怪弟大好きお兄ちゃんはこの小説のラスボスだぞ!!





期末試験後の帰り道

 

リカバリーガールの治癒によって俺が動けるようになったのは放課後だった。

クラスは解散していて、皆の結果がどうなったのかは分からない。

特に俺と同じ条件の環とねじれは勝ったのだろうか。

少なくとも今日1日はもう戦えない。これ以上は俺の脳が真面目に破裂する。

でもまあ、スターのサインが貰えたんだ。出久に良いお土産が出来たと俺は渡すのが楽しみだった。そう考えたら全部がどうでもよくなった。

自分の体の怪我すら忘れてしまう。あー早く渡したいな。楽しみだ、出久は喜んでくれるかな。

 

校門前に人影がある。

まだ残ってる生徒が居たらしい。時間的にはもう下校時刻は過ぎてるのだが。

4人。

あれは……。

 

「なんだ、まだ居たのかお前ら」

「! 転間……!」

「転間くん……って、大丈夫!?」

「緑谷……嘘でしょ? あんたがそんな怪我負うって……何事!?」

「転間ボロボロだね! 同じだ!!」

 

いつものメンバーだ。

どいつもこいつも包帯で巻かれている。あと同じじゃない。

重傷具合は俺>越えられない壁>環=ミリオ>越えられない壁>ねじれ>甲矢。

環とミリオは頭に包帯があったり顔に湿布とか貼られてる腕も多分似たもんだろう。俺は首から上以外包帯。首も覆われてるけど。

……いや待て、サラッと流したがミリオにここまでダメージ与えたの誰だよ。こいつ個性だけならほぼ無敵だぞ。カウンターには弱いから俺は真正面からぶん殴れるけど。

しかし相手は誰だ?

イレ先? イレ先なのか!? それともマイク先生か!? いや両方の線もあるか……!

 

「まあ俺のことはいいんだ。それよりなんでいるんだよ」

「転間くんを待ってたの。みんなで、ね!」

「そういうこと! どうせならみんなで帰った方が楽しいじゃん!」

「私はねじれがいるからね」

「俺は転間と帰りたくて……」

「た、環……!」

 

素直な環はやはり親友。

ねじれとミリオはまあ、こいつらならそうかと納得出来る。甲矢は安定してんな、こいつ。ブレなくて凄い。*1

 

「けど意外だな。転間なら簡単に突破すると思ってたよ、俺」

「俺も……本当にホークスが相手だったのか?」

「あー……いや……」

「歯切れが悪いわね、何かあったの?」

「口止めされてる。ホークス相手じゃないのだけは言えるが……すまん、これ以上は話せない」

「じゃあ仕方ないか! でもさ、転間がそうなるくらいって……相手はそれくらいやばいってことだよね。やっぱり強かった?」

 

いくら友人でも、こいつらなら言いふらさないと分かっていても言えないものは言えない。

ただ真剣な顔で聞いてきたミリオに俺は自身の右手のひらを見た。

こっちも包帯だ。白しかない。血が滲んでる程度だ。

――負けた。完封されたわけではないが、勝てなかったという事実に変わりはない。

だけど俺は。

 

「ああ、強かった。この世界で――間違いなく最強のひとりだった」

 

右手を握りしめて顔を上げて、空を見た。茜色に染まる空。

沈んでいく太陽とは真逆で俺の心は満たされているかのように明るかった。それはきっと、顔も。もしかしたら今は、子供のように目を輝かせてるかもしれない。

壁も増えたんだ。憎きオールマイトだけが目標だった。いつか超えて、オールマイトより最強で最高のヒーローなんだと。弟が、出久が誇れるようなヒーローになるのが目標だった。その後は弟を見守ることに徹する――そのために目指した最強。

今は(全盛期)オールマイトとスターと、バカ目隠し。

――俺はまだまだ強くなれる。自分が弱いからこそ、まだまだ上を目指せるんだ。

 

特に呪力? とやらを調べたら成長出来るだろう。

でも呪力ってやつは名前から察するに呪いの力。つまり負の感情ってことだろうか。つまり社畜の闇で、負のエネルギーとして扱える。でも俺はこれを自覚する前から脳を治すことはやってたわけで、負の力で治せるか? いや自傷することはあっても治すのは無理なはず……。

脳を治したのは遊園地だ。そして俺の個性が変質したのは間違いなくそこ。

肉体の傷を治せるようになったのは黒い稲妻を決めてから。

そう考えると治癒する力は負とは真逆の正のエネルギー……? マイナスとマイナスを掛けたらプラスになるように、負×負は正みたいな感じだろうか。じゃあなんで俺はこの力に気づいてなかった? 正のエネルギーだけ形成でもしてたのだろうか。

ダメだ、専門知識もないしわからん。面倒だしやっぱりお兄ちゃんパワーで統一しとこ。弟のために頑張る、それがお兄ちゃんなのだ。つまり俺がお兄ちゃんだから使える、それでいい。*2

あのバカ目隠しにはまた会うことがあるだろう、多分。

“今は”って言ってたし、もう会えないならそんなこと言う必要ないだろうしな。

 

「――すごいな、転間にそこまで言わせるなんて。俺も……俺達も負けてられないよね、環」

「うん……ミリオの言う通りだ。頑張ろう」

「あれ、なんだか天喰明るくない?」

「そ、そうか……?」

「ね、そう思うでしょ通形」

「わかる! ちょっと自信ついてきた!?」

「ど、どうだろう。自分じゃ分からないな……」

 

確かに環は試験前より自信があるように見える。

殻を破ったのだろうか。まぁこいつはいずれ俺に並び立てる才能がある。ねじれもミリオも同じだ、この1年でこんなレベルアップするとか才能の塊だよこいつら。

天才どもめ。

 

先に行く3人に追いつこうとして、その前に振り向く。会話に参加してなかったねじれが俺を何故かずっと見つめていた。

視線が交差すると目を泳がせていた。

頬が赤いのは太陽が原因だろうか。

 

「何してんだよ、ねじれ。早く来い。もう夜も近いんだ、女の子1人だと危ないぞ」

「――うんっ! 早く早く!」

「いや、お前なあ……」

 

手を差し伸べてこっちだと手を振るうと、俺の手――ではなく腕を掴んだかと思えば抱くようにして引っ張ってくる。

傷が治ってないのでちょっと痛い。何気に大ダメージかもしれない。

 

「ね、転間くん。私、こうして傍に居てもいいよね」

「それは好きにしたらいいことだろ? 俺を嫌いにならない限りな」

「えへへ、じゃあそうしようかな〜。それに転間くんのこと嫌いになったりしないよ。絶対。100%。だって私、転間くんが――転間くんと一緒に居るのが好きだもん」

 

振り向かず言葉だけ告げてきたため、先を歩くねじれの表情は見えない。

ただよく恥ずかしげもなくそんなことが言えるな、とは思った。

ぶっちゃけ聞いてるこっちが恥ずかしくなりそうだ。

まぁ確かに騒がしいがこいつらと居るのは退屈はしない。

 

「だから絶対、独りになんてさせないからね、転間くん。私がそうさせないから、覚悟しててっ!」

 

そう言ってねじれが俺の前に躍り出て微笑んでくる。

何の覚悟? とは思ったが……独り、か。

あの人も“最強でも孤高は侘しい”とか言ってたっけ。その気持ちは、分かるかもしれない。前世の俺は強いわけではなかったが、独りだった。独りで全部を抱えすぎた。誰かに分かってもらおうと思わなかったのが原因かもしれない。同じ立場ではなく、あくまで下でしかなくて。でも大切な部下という思いはあった……そう、まるで花だ。

……あの人は俺の前世の記憶も知って、この世界での俺のことを知ってたから心配してくれたのだろうな。

だけど大丈夫だと思う。安心して欲しい。

俺は独りになることはなさそうだ。

こいつらはきっと、俺を独りになんてさせてくれない。

どいつもこいつも人の世界へと土足で踏み込んでくるやつらだからな。

だからきっと、その心配は杞憂で終わると思う。

――心配してくれてありがとう。その気持ちだけは伝わってくれたらいいな、と思った。

 

 

 

 

――結局この後は、5人で試験のことを話すことになって喫茶店で甘いものを食べた。糖分美味い。

ちなみに全員試験を突破したらしい。ミリオは個性の制御がより出来るようになったとか。

敷地内に出る前に見たけど、なんというか残像出してた、気持ち悪い。正確には沈んで透過解除の弾かれる力の応用を使っての高速移動なんだろうけど。ただ予測能力がまだまだなってないので、落下後すぐに解除であくまで撹乱する程度らしい。慣れたら多重残像拳みたいになりそう。

どうせ近々あるし、インターンで頑張ってくれ。プロヒーローから教われば化けるだろ。

環はなんか今までのやつを制限なく再現出来たのと空気の砲撃を身につけたとか。

ねじれは波動を全身に纏わせたり、拡散だったり両手と脚から最大火力を放ってドリルのように回転させたほぼ全部の技を融合させたみたいな技を身につけたとか。

……いや怖いなこいつら。オールマイト級どころかオールマイト以上がだんだんと増えそうで未来のヒーロー業界は安泰なのでは? ヴィランは泣いてもいい。

この3人が突出してるだけで甲矢や他のクラスメイトも話を聞く限りは成長はしてるんだけどな。

ただ前世の記憶がある俺が居なかったとしても、強くなってたんじゃないだろうか。*3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま」

「転間兄ちゃん! おかえ――ぇえええええええっ!? す、すすすす凄い怪我! お、お母さん!!」

「どうしたの、いず……て、てててててて転間ぁああああああ!?」

 

糖分を摂って脳が回復した俺は家に帰ると出久が出迎えてくれた。

癒される!!

でも、なんかすごいパニックが起きた。

出久も母さんも大慌てて俺に触れようとして触れないようにしている。

個性は使ってないのだが……あ、怪我してたっけ。

出久のことばかりで忘れていた。怪我の痛みすら忘れさせてくれるとは、やはりお兄ちゃんは出久さえいれば頑張れそうだ。

 

「わ、わわわ私救急箱取ってくるから! 出久は転間の様子見てて!」

「う、うん! 転間兄ちゃん早くこっち! そんな怪我するなんてどうしたの!? ヴィランに襲われた!?」

「いや、そうじゃ……うん? いや、ある意味ヴィランかもしれない……人を弟呼ばわりしてきたし」

「弟!? えっ、どういうこと!? 本当に何があったの!? な、なにか後遺症とかないよね……大丈夫だよね……?」

「大丈夫だぞ出久!! ほら、こんな元気がある! 出久も簡単に抱えられるぞ!」

 

不安そうに見つめてくる出久に対して俺の脳内は普段の数倍以上早く動いた。

出久の両脇を持ち上げるようにぐるぐると軽く回ってそっと降ろした。

割れ物を置くように。

宝石を置くように。

めちゃくちゃ丁寧にゆっくり。

 

「よかったぁ……転間兄ちゃんに何かあったらどうしようかと……」

「ごめんな、心配させて」

「ううん。心配になることはあるよ。でもね、僕転間兄ちゃんなら絶対に無事に帰ってきてくれるって信じてるから! 大丈夫!」

 

笑顔でそう告げてくれる。

健気に兄の帰りを信じてくれる弟!!

なんていい子なんだ、出久!

M・A・B(マイエンジェルブラザー)!!

 

「出久……っ!! そうだ、出久にお土産があるんだ!」

「お土産? どこかに行ってたの?」

「いや、そうじゃなくて今日あるヒーローに会ってさ。出久が喜ぶかなってサインをもらったんだ。出久の誕生日が7月15日だからちょっと早いけど出久にとっての最高のプレゼントにもなるかなって。これなんだけど……」

 

急いでカバンから色紙を取り出すと裏返して差し出した。

不思議そうに受け取った出久が俺を見てきたが、俺は表を返すように告げると、出久はゆっくりと表に返す。

そして。

 

「す、すすすすす――スターアンドストライプぅうううう!? サイン!? 本物!? スターアンドストライプといえばアメリカにおけるNo.1ヒーロー! 個性は新秩序(ニューオーダー)で概念系の個性だと噂されてこそいるものの、国によって伏せられていて仔細には不明! ただその強さは最強のヒーローは誰かという議論に決まってオールマイトと共に並んで必ず出されるほどのヒーロー! オールマイトが触覚2本に対して8本あるスターアンドストライプはコスチュームがオールマイトと類似してるのもあり、オールマイトの弟子なんじゃないかという話も度々挙がるほどでオールマイト同様謎に包まれている存在。ただ彼女については日本のヒーローじゃないから日本の情報は全くなくってアメリカのニュースで見ないと分からない。ただ分かるのは現代最強のヒーローの1人ということで見た目からやはりオールマイトと同じ増強型なんじゃないかという話も度々――」

 

息を切らせずに次々と言葉を述べていく出久がこれはまた愛おしく思える。

話を聞きながら頭をそっと撫でると、出久は目を輝かせて前のめりになってきた。

 

「――そんな人のサインってことは転間兄ちゃんはスターアンドストライプと会ったってことだよねッ!? あのアメリカのヒーロー! トップヒーローに!! 凄い! 凄いなぁ! 本当にこれ、僕が貰っていいの!?」

「もちろん。出久の為に書いてもらったんだ。俺は別に必要ないしな」

「やった! ありがとう、転間兄ちゃん。大切にするね! やっぱり転間兄ちゃんは凄い……! 僕も頑張らなくちゃ!」

 

興奮しながらも物凄く喜んでいる。それも俺を見ながら目を輝かしている。

これこそお兄ちゃんにとって1番嬉しいことだ。頑張った甲斐もあるな。

弟がここまで喜んでいる、つまり俺の勝ちでは?*4

 

「ありがとう出久。ただ無理はしちゃダメだぞ。怪我をしたら元も子もないからな。ヒーローになるなら自分の身も大切にして、そのうえで人を守るんだ。自分が死んだら助かった人はこれからの人生で辛い思いをして生きなくちゃならないからな」

「うん! それは良くわかってる! 転間兄ちゃんが昔から言ってたもん。だから僕は誰にも心配をかけないで笑顔で人を救けられる、そんなヒーローになるって決めてるから!」

「分かってるならいいんだ。偉いぞ!」

「えへへ。あっ、でも結局転間兄ちゃんのその怪我って――」

「ああ、これはスターと戦って」

「へ?」

「結構惜しいところまでいったんだけどな。スターの個性がこれはまた反則で」

「ちょ、ちょちょちょちょっと待って! その怪我って……もしかして戦った!? アメリカのNo.1ヒーローと!?」

「そうなるな。正直今まで戦ってきた中で1番つよ――出久?」

「ぶ……無事で本当によかったぁあああー!」

 

突然抱きついてきた出久に驚きながら怪我をさせない為にしっかりと抱きしめる。

涙を流してるのを見て、思わず慌てるが慰めるように頭を撫でる。

どうやらこれはまた話が違ったらしい。

まぁ……俺も出久がオールマイトとガチで戦ったとなったら慌てるし心配になる。むしろオールマイトなら殺しに行く。

少々時間を要したものの、詳しい話は包帯を貼り直したあとにした。

自分が負けたことを改めて話すのは結構嫌なものだが、嘘は良くない。ちゃんと包み隠さずに話したら、負けた俺に対しても出久は情けない兄と思わずに、むしろ尊敬の眼差しを向けてくれた。

うちの弟が天使すぎる……。

 

ちなみに後日、なんかスターから大金が振り込まれてた。

正直後ろ盾になるとか言ってたからそれで十分なんだけど、これが言ってたお礼だろうか。

まぁ俺の金じゃないし寄付必要としてるところに全額出しておこう。

インターンで貰ったくらいの給料で学生は十分だ。必要あればバイトする。

 

 

*1
お前もな。

*2
思考停止ともいう。

*3
もっと自分の存在の大きさに気づいて、どうぞ。

*4
そうはならんやろ。

原作

  • 入る
  • もっとお兄ちゃん読みたい
  • 作者の好きなようにやって欲しい
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