どけ!!俺は出久のお兄ちゃんだぞ!!   作:俺もお兄ちゃんだぞ!!

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どけ!! お兄ちゃんの帰還だぞ!!

原作まで全然行かないなと思ったけど、よくよく考えたらこの小説別に原作を書くんじゃなくて緑谷転間の物語を書いてるわけで関係ないことに気づきました(今更)。なので話数は吹っ切れた。
出久たちの世代でない以上オリジナルで進めなくちゃ人間関係うっすうすになってしまうわけですが、道理でみんな出久たちの世代しか書かないわけだ。クソしんどいです。原作ってやっぱり偉大。

それはそうと、Ready perfectly。
原作まで一直線に駆け抜ける緑谷転間の物語をお読みください!!
見どころとしては転間くんの心情変化について是非注目してもらいたいですね。燃え尽き人間のプロローグからは考えられない、転間くんが出す“答え”を。
ということで本編どうぞ……の前にマジでがんばえーぷいきゅあー!の感想来るとは思ってなかったです。
最初に言っとくと、この作品にぷいきゅあは出ません!!
あと、何気にエクレール完全復活回に投稿になってますけど狙ってません。





第1部第三章 インターン編
いざ、サー・ナイトアイ事務所へ


 

 

月日は流れ、気が付けば寒くなってきた。

あと半年もすれば出久が入学してくると考えれば今日も今日とて俺は元気だ。

インターンは順調。

俺は暇だったので結局セルキー船長のところに行って久しぶりにシリウスさんや船員の方々と挨拶したりバカ騒ぎしてたりしていた。

お酒飲めたらよかったのになぁとは思ったが、手を出そうとしたら流石にシリウスさんに取られてしまった。

うーん過保護。*1

ただ船員の人たちとやった夜中のUNOはなかなかに盛り上がった。今度は桃鉄をやろうと思う。

もちろんちゃんとヒーロー活動もした……が、まあ1年目ならまだしも今更俺の実力で苦戦することはなく。

スターからも結構誘われてはいるのだが、やはりアメリカとなると足を運びづらい。

流石に断り続けるのは申し訳ないので、三学期にはアメリカに日帰りで行こうかなとは思っているのでその旨を伝えた。

 

学校に関しては授業は変わらずだが、B組との合同練習でインターンの影響かミリオの動きが無駄に洗練されていたので面倒臭いと思いつつぶっ飛ばしたり、勝ったけど総力戦させられたり、文化祭では去年の影響で連れ去られてコスプレさせられて誰得撮影会を受けさせられたり。

他には大人しくしておこうと思ってたらねじれと真綿と見て回ることになったり、いつメンで見て回ったり、ミスコンでは相変わらずインパクトを残した絢爛崎先輩が優勝して、ねじれはまたしても2位だった。

やっぱり土俵に立つにはコンセプト間違ってるって。ねじれの良さを出さなければあの人には勝てないだろう。派手さで挑んで勝てるような相手じゃない。

何も言わなかったが。*2

あの人はサポート科だから割と会うことはあるが、本人も中々印象深い人だ。

あとは野球だろうか。

めちゃくちゃ久しぶりにやった気がする。個性有りの授業だったので、それはもうカオスだった。

ホームラン打っても飛行能力持ちに止められるから止められない速度で打ったし。*3

 

1年の頃よりも2年は慣れてるのもあって他にも色んなことをしたが、印象深かったのはその辺だろうか。

ただ暫くは沖マリナーの定期メンテらしいので残念ながらインターン先はなくなってしまった。

事務作業とかはあるらしいのだが、俺がやってもすぐに終わるし彼らの仕事だからな……。

苦手な人はゆっくりでいいから覚えるように頑張って欲しい。それまでは引き受けたりとかしてくれるだろう、少なくとも俺はそうして育成してた。

まとめてやらせるよりは一つ一つ慣れてもらった方が本人もパンクせず済む。詰め込みは良くない。

と、もう関係ないはずなのに度々社会人の経験を思い出してしまうのは海での影響か大きくなって社会に出るまでの年が近いからか。

この世界に生まれ落ちて、もう17年か。

思えば長いものだな。

出久と出逢わなければ俺は別の意味で死んでいただろう。

再熱したのは初めて天使というものが居るなら俺の弟こそがそうなのだと思った時だ。

今も可愛い可愛い弟だが、幼い出久もまた天使のような可愛さを持っていた。俺の永久保存版である。

俺の他の記憶なんて捨てていいレベル。

まあ実際思い出らしい思い出なんて高校に上がるまでほぼないんだけど。

殆ど出久関連だし。

あとは勉強や鍛えたりサポートアイテム作ったりだしな。

 

「あ。転間くん!」

 

思い耽てる間に接近してくる気配。

声からして誰なのか既に分かってしまうのはまぁ、該当する人が少ないからだろう。

雄英内は知ってる人ばかりだが、特徴的な声というか、声のトーンも分かりやすいからな。

 

「朝から元気だな」

 

避けることは出来たが、怪我されても困るので大人しくしていたら背中に軽い衝撃が走った。

結構勢いがあったが、走ってきたのだろう。

ひょっこりとねじれが横から顔を出すようにして出てきた。

 

「起きた時は眠たかったんだけどねー」

「お前朝弱いもんな」

「起こしに来てくれてもいいんだよ? 転間くんなら全然いいし。あっ、泊まりに来てくれてもいいよ!」

「起こしに行くのは遠いから嫌だ。泊まりは気が向いたらな」

「それ来ないやつじゃん」

「どう考えたって2人っきりで泊まりはマズイだろ」

「私はいいよ? しようよー泊まり! 楽しいよー?」

「ええい、揺らすな。分かったからやめろ」

「やったー! でも全寮制なら一緒に過ごせてよかったのにねー」

「俺に死ねと?」

「そこまで?」

「出久に会えなくなるんだからそりゃ死ぬだろ」

「人は物理的ならまだしも、そんな会えなくなるくらいじゃ死なないと思うなぁ」

「じゃあお前今思い浮かべる大切な人が遠いところに行って離れることになったらって考えてみろよ」

「え? ならないよ? 私は離さないし追いかけるもん。絶対逃がさないよ?」

「……」

 

いや、ちょっと目がガチな感じがして怖い。こう、キマってると言えばいいか。

そもそも例え話なんだが。

その選択肢は卑怯では。

 

「それよりもう寒くなってきたねぇ」

「女子はスカートだから特にそうかもな」

「転間くんも私がスカートの方が嬉しい?」

「どんなお前でもお前だろ。どれでもいいよ。人間、自然体の方が魅力的だろうし。お前は特に容姿優れてるんだから」

「そ、そっか。えへへ、温めてー」

 

視線を彷徨わせたかと思えば手を握られる。

いや普通に冷たい。

こいつこの体温でその薄着は正気か? 風邪引くだろ馬鹿。

仕方ないのでマフラーを解いてねじれに巻いた。

これでヨシ。*4

 

「転間くんは大丈夫なの?」

「俺はいざとなったら個性使えばいいし」

「わー便利。お言葉に甘えるね」

「何時ぞやの上着はもういいが、それはちゃんと返せよ?」

「はーい。帰りに返すよ」

「帰りまで取るのか……いいけど」

「転間くんは温かくて落ち着くかも。それにいい匂い」

「普通だと思うんだけどな。あと嗅ぐな」

 

巻いたマフラーを少し上げたかと思えば鼻まで覆って、くんくん、と嗅いでいる。

人のマフラーを嗅ぐのはやめて欲しい。臭いと言われない分マシだが、絵面的に。

 

「こっちも入れて〜」

 

ついに手を握られたままポケットにまで突っ込まれたが、いいかと気にしないようにした。

今度から手袋持ってくるか……なんで俺がねじれのために持ってこないといけないんだよ。

いいけどさ。

風邪引いた方が大変だし、どうせまた俺が看病することになるし。もう2、3回はしたけど風邪引いた時のこいつってやけに甘えたがるからちょっとな……。

弱ってる相手に手を出すくらいなら舌を噛みちぎるけど。

あとあまり男性のポケットに突っ込むのも男性に甘えるのもやめた方がいいとは思う。

何処がとは言わないけど、奥深くまで突っ込むと当たるぞ。

 

「転間くんにしかしないからいいの」

「人の心を読むのって流行ってんの?」

「朝から仲良しさんだねー二人とも。や、転間」

「おはよう転間」

「おはよー二人とも。当たり前だよ、私と転間くんだからね」

「おはよう環。根拠の薄いそんな理由は置いておいて」

「置いておかないで〜!」

「置いておいて。仲良くなければ一緒に登校しないだろ」

「そりゃそうだ!」

 

何を当たり前のことを言っているのか。

幼・小・中とぼっちを貫いたうえ、無駄な時間と判断して切り捨てるレベルの俺だぞ。

本当に嫌なら切り捨てるに決まっているだろ。

そもそも誰が嫌な相手と登校したいというのか。

バカなのだろうか。

 

「バカだと思ってない?」

「人の心を読むのって流行ってんの?」

「いやーなんとなくそんな感じがして。やっぱ相棒だからこその以心伝心ってやつだよね」

「お前だんだんとランクアップしていくのなんなんだよ。ちょっと怖いぞ」

 

友達から親友、親友から相棒って。

というか俺のプライベート空間小さくなっていってないか。

今更か。

友達を持てばこうなる……うん、やはり出久のためだけに時間を注いだ昔の俺は正しかったらしい。

 

「転間くんの隣は通形でも譲れないなー」

「俺も負けるつもりはないよ……ミリオ」

「それは俺だって同じさ!」

「お前らは何の話をしてるんだよ。なんだ、これがモテ期ってやつか?」

「これ以上モテないでね」

「急に無茶ぶりしてくるんじゃねぇよ」

 

そもそもモテるモテないなんて俺が狙って出来ることではない。

まぁ出久にさえ嫌われなければいいし、俺がモテるはずないしな。*5

むしろこんな弟愛を叫ぶ人物を好きになるのはよっぽどの物好きだろう。俺から出久を取ったらただの凡夫だ。*6

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ねじれが離れないので普通にクラスに入ったら面倒なことになったのはさておき、それよりもインターンどうしようか。

別に絶対に行く必要はないのだが、経験というものは大事だ。

ありとあらゆるものを経験し、その経験を出久に伝えるのも俺の兄としての仕事だ。

そうすれば出久が迷子になることはない。

OFAを継いだ出久にはいずれ歴代の個性も発現し、俺という兄を超える最強で最高のヒーローになるはずだ。

その時のために俺は俺で準備をしなくちゃならない。

だがインターンに行くには知り合いのヒーローでなければ受け入れてくれるのは難しいだろう。

それに俺が何をしたいのかも大事だ。

――特にないな。もうだいたい出来るし。

NINJAのところには1年の頃にお世話になったし感謝してるし、人柄も好ましく思ってるので行きたいけど。

うーんこのまま授業を受けるか、インターンに行くべきか……。ここ最近ずっとこれに悩まされている。

実際暫く行ってないしな。

いっそねじれか環の様子でも見に行くか。ねじれはリューキュウ、環はファットガムだっけ。

 

「ん?」

 

と、昼休みにサポート科で作った魔改造ランニングマシンで走っているとスマホから通知が鳴った。

スマホの電源を点けたらミリオから来ていたようだ。

 

『放課後時間ある?』

『問題ないが』

『じゃあちょっと話したいことがあるから話せないかな? 転間1人の方がいいかも』

『分かった』

 

何やら話があるようだ。

どんな話か想像出来てないが、ふざけてる感じはしないため真面目な話なのだろう。

スマホを収納しようとしたらまた鳴って画面を開くと、大きくなる変顔のスタンプが来た。

――やっぱりどうでもいい話だったりしないよなこれ。その時は帰ろう、と心に決めて見なかったことにした。

 

 

授業は特に語ることもなく普通だったが、今回はミリオから何か話があるとの事で流石にねじれには帰ってもらった。

普段は一緒に帰っているが、真面目な話だと思ってくれたのだろう。

ねじれのそういう判断が出来るところは、はっきり言って好ましいと思う。いつもは何かと聞いてきたりするけど、ちゃんとするときはするし。

本人には言いたくないので言わないけど、絶対変な空気になるだろ。*7

 

呼び出された場所に辿り着くと、既にミリオは来ているようだった。

 

「あ、転間」

「待たせたな」

「全然大丈夫! というか呼び出したのって俺だしね」

「それで話ってなんだ?」

 

わざわざ呼んだことから早速本題に入ることにした。

雑談するためだけにわざわざ俺と2人っきりになるはずがない。

 

「うん、それなんだけどさ。転間って最近インターン行ってないよね?」

「ああ、世話になったところが今無理でな。まだ何処に行くかまだ検討中」

「だよね、前そう言ってたし」

「……それがなんだ?」

 

インターンに関連する話だと言うのは察することは出来たが、それ以上が読めない。

 

「そこで提案なんだけど、サー・ナイトアイ事務所はどうかな?」

「サー・ナイトアイ事務所?」

「そう! 俺が世話になってるとこ! サーにも言われてさ。どうかなって!」

 

名前は聞いた事――ある気がする。

そういえば出久がオールマイトのサイドキックをしていた人が居たとか言ってたっけ。そんな名前だったはずだ。

今ミリオが世話になってるということはミリオが面倒なことになった要因の人物でもある。こいつ、個性に合わせて予測が出来るようになってきてるし。俺からしたらまだまだ甘いが。

だが何故俺を?

確かに俺の名前は知っていてもおかしくはない。

体育祭もそうだが1年で仮免、2年で本免許。あまり知られてないがサポートアイテムを開発するために必要な免許もある。

しかしわざわざ俺を選ぶか?

それもオールマイトの元サイドキックが。

わざわざ俺を選んだと考えるなら、まさか……出久に気付いたのか……?

それは流石にマズイ。彼がOFAについて知っていたとしても、出久が継承したとはまだ知らないはずだ。

今頑張ってる出久を責めるような発言をされたら俺がブチギレる。

であるならば、確かめなければならない。

サー・ナイトアイ。

彼の目的が何たるかを。

 

「分かった。日時は?」

「サーはこっちが呼んでるから予定がある日でいいって言ってた。でもお互いに早い方がいいよね?」

「そうだな、明日にするか。インターンの申請は帰る前にセメ先に提出する。そっちの連絡は任せるぞ」

「おっけー! 転間と一緒にインターンって考えると楽しみだ!」

「いや楽しいものではないだろ」

「そう?」

「知らん相手だしそうだろ。それこそお世話になったことがあるなら全然違うけどさ」

 

それにサー・ナイトアイ――面倒だからサーはちょっと意味がややこしくなりそうだからナイトアイでいいや。

ナイトアイが出久の存在を知ったなら放っておけないし。

ミリオが知らないことから考えなくても分かるとはいえ、オールマイトの秘密でもある。

他に話すとは思えないが、お兄ちゃんとして出久を守らねば。

それにOFA関係者であるならば出久が雄英に入った際にOFAに気づいて接触するかもしれない。いや、十中八九するだろう。

ここで良い関係を作っておけば出久のためにもなるはずだ。コネって大事だからな、雄英に入って理解した。

よし、そう考えたらやる気が滅茶苦茶出てきたぞ。これがやる気から殺る気に変わらないことを願っておこう。

どんな相手か知らないが、出久の未来のためにお兄ちゃんは頑張るぞ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうせ一緒に行くからとミリオと二人で駅を乗り継いで辿り着いたのは1つの事務所だった。

なんというか、こう……私立探偵っぽい感じがするのは気のせいだろうか。

本当にヒーローか? 探偵だったりしない?

 

「それで転間。サーはさ、ユーモアを大切にするんだ」

「ユーモア? なるほど、お前向きだな」

「そうかな? それでサーに気に入って貰いたかったから一度でもサーを笑わせたらいいよ!」

「そうか、何もしないでおこう」

「なんで!?」

 

むしろお前は俺にユーモアを期待するというのか?

高校までぼっち貫いてた俺にそれを求めるのは違うだろ。なんなら酷レベル。

残念ながら(?)俺は親父ギャグすら言えないんだぞ。有名な布団が吹っ飛んだとかその辺だ。

 

「まぁ転間なら大丈夫さ! いつも面白いし!」

「バカにされてる?」

「いやいや本当にそう思ってるから!」

 

どうしよう、全く嬉しくない。

褒められてここまで心が動かないのは初めてかもしれない。

出久に褒められたら?

どんな些細なことでも有頂天になるに決まってるだろ。気分上々↑↑アゲアゲになるぞ。

 

そうこうしてるうちに事務所に入ったが、意外と広い。

そして目の前にいるゲンドウ(某有名な)ポーズをしているメガネのサラリーマン風の男性がサー・ナイトアイだろう。

流石にその隣に立っている秘書的な様子の青肌の女性とは思えない。

他にはこう言っちゃアレだが、ゴキブリみたいな異形型の人が居る。あれはどっちかと言うとムカデかな。

これが総出メンバーか。

これくらいならもしもの時制圧することは可能だな……しないけど。

ミリオも居るんだから悪い人ではないだろう。

そもそも事務所吹っ飛ぶ。

 

「ミリオ、案内ありがとう。そして君が緑谷転間――いや、ここではオリジンと呼ぶべきかな」

「それはどちらでもいいですよ。どちらも俺だ。だが貴方が話したいのオリジンではなく、()()()()()()()のはずだ」

「ほう……素晴らしい観察眼だ。私は大して感情を出してないはずなのだが……」

「隠すならもっと本気で隠していたでしょう。試さなくていいです」

 

そもそも営業職だったもので。

観察眼なけりゃ大して出世もしてないよ。部下を放って置きたくなくて意地でも断り続けてたけど。

説明面倒だし俺も俺で前の世界で死んだのかすら分かってないから言わないが。

99.9%の確率で死んだと思う。

 

「そうか。ならば本題に入るとしよう。ミリオ、センチピーダー、バブルガール。悪いが席を外して欲しい。彼と2人っきりでしか話せないことがある」

 

今の情報で女性の名前がバブルガール。男性……男性? がセンチピーダーというのが分かった。

女性は明るい性格っぽいが、それよりもセンチピーダーという人の声が高ピッチなことに驚いた俺はちょっと空気を読めてないのだろうか。

そして2人っきりでしか話せない……やはり、か。

この人は知っている。危険度でも上げておこう。

そんなことを内心で思いつつ、3人が退出すると無言の空間が生み出される。

初対面で怖面の男性と2人っきりにされる学生のことを考えて欲しいものだな……。何話せばいいんだよ。

俺は陰キャ寄りだっつってんだろ。*8

そもそも俺を呼んでおいて表情全然変えないの何なのこの人。愛想笑いも出来ないのか。

すまん、俺もしてない。

 

「さて……単刀直入に聞こうか。君は一体何者だ?」

「愚問だな、俺はお兄ちゃんだ」

「ふむ……予想の斜め上を行く回答だ。実にユーモラス。だが今聞きたいのはそうではない」

 

何者かって聞いたのはそっちだろうが。理不尽すぎる。

むしろ俺がお兄ちゃんでなければなんだよ。俺を形成するの要素の9割がそこだろ。

1割は元の人格。*9

 

「これを読むといい」

「あ?」

 

置かれた書類を手に取って目を通す。

文字がびっしり+写真付きだ。

自分の感情が冷めていく感覚というか、ぶっちゃけ――

 

 

 

 

 

 

 

キモイ。

いや、何この情報収集能力。

オタクかなんか?

なんで俺の中学時代から高校まで調べ尽くしてんのこの人。

小学生は流石になかったようだが、それは大した記録もないからだろう。

中学はちょうどアレ、鳴羽田市の時のことがある。

うわ、懐かしすぎる。オールマイトグッズを求めてスカイエッグに行こうとして迷子になった時のやつまであるんだけど。

なんか爆発するやつに襲われたから爆豪思い出して思わず迎撃したヤツ。

監視カメラからバレたか。いやいや自己防衛だしセーフだろ。

そもそもこれ知ってる人居ないのでは? 出久と母さんにしか言ってないんだけど。

なんか最終的にスカイエッグ崩壊したらしいので結局そのまま帰ったんだけど、それ以降は行ってない。*10

それで高校はまあ体育祭から職場体験、仮免や海の怪物事件とか名付けられてるやつとかつい最近の本免許まで。

海の怪物事件はあれか、ヒーローネットワーク? みたいなやつで知ったのだろう、多分。使ったことないからどこまで閲覧出来るのかすら分からん。学生の情報って出るのかな。違っても新聞とか知らん間に上がってそうではあるが。

 

「緑谷転間。君のことは調べさせてもらった」

「……よくそこまで調べたな。正直怖いんだが」

 

俺の本音。

多分殆どの情報調べ尽くされてるんじゃないか。幼少期除いて。

少なくとも高校は確認せずとも調べられたんだと分かる。

ふむ、この資料の分かりやすさ。

さては校長がグルだな?*11

 

「そのうえで答えてもらおうか。私がここに君を呼んだ理由でもある。心配せずとも私は“秘密”を知っている」

 

秘密。

俺の秘密。

ここまで情報収集しているなら知っていてもおかしくはない。

やはりこの人は、こいつは気づいているんだ。

――出久がOFA継承者だと。

 

「間違いない。緑谷転間。貴様は――」

 

出久に何かするつもりであるならば俺はそれをさせないために動かなければならない。

ヒーローの道を妨げるならばそれを阻止するまでだ。

例え実力行使が必要だったとしても。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「9代目OFA継承者だな?」

「はい?」

 

――はい?

 

 

 

*1
学生なので。

*2
言えよ。

*3
なお個性持ちに耐えれる耐久力の高いバットなのにも関わらず折れるバット。

*4
よくないが。

*5
は?

*6
※ただしハイスペな最強。

*7
喜ぶと思うんですけど。

*8
今は言ってねえだろ。

*9
既に10割では?

*10
なお行ってたら(相手が)ヤバかった。

*11
なんで分かるんだよ。

原作

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  • 作者の好きなようにやって欲しい
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