どけ!!俺は出久のお兄ちゃんだぞ!! 作:俺もお兄ちゃんだぞ!!
予想通り、ある作品の悪魔の妹です。
実はこの章では重要キャラだったりします。映画の主要キャラ的なやつ。
余談ですけど、最初は『キュッとしてドカーン』ってセリフでした。流石にやめました。
ちなみに彼女も彼女で容姿の方はホラゲーです。多分正体で分かるじゃないかな。
元ネタはエピローグの後書きで書く予定ですけどね。
12:37。
――ビルの中。
残ったプレゼント・マイクとリューキュウだが。
『YEAAHHHHHHHHHH!!』
音波攻撃はゾンビやゾンビ犬の聴覚には大した効力は見せないが、衝撃だけで十分だった。
吹き飛んだ後をドラゴンへと姿を変えたリューキュウが駆け抜け、爪で一気に斬り裂いていく。
オリジンの手によって感染というものがないと明らかになった以上、必要以上に警戒する必要がないのは大きいだろう。
「もういっちょ食らいなァ!!」
プレゼント・マイクの個性は他者を巻き込みやすい。
しかし空を飛べるリューキュウは上空に逃げられるため、別だった。
ローブを着た召喚士らしき存在が盾にゾンビを使っていたが意味をなさず、明らかに怯んだ隙をリューキュウは逃さなかった。
下降して掴み、そのまま地面へと叩きつける。
明らかに近接特化ではないローブを着た存在は動かなくなり、意識が消えたのだろう。
「やっと片付いたか。結構時間掛かっちまった」
「そうね。でもこれで……」
人型に戻ったリューキュウとプレゼント・マイクの視線がローブに向けられる。
気絶したローブは、まるで溶けるように体が薄くなり、霧のように霧散した。
あまりに異常な事態に二人は目を見開く。
「消滅した……?」
「……良いもんとは言えねぇな」
人間が死ぬ時は霧になったりしない。
気配が何一つ感じられず、残っていたはずのゾンビたちが消滅したことから消滅したのは間違いないだろう。
ろくでもない実験というのは間違ってないということだ。
「急ぎましょう。ねじれたちが心配ですから」
「俺が居ねぇとオリジンもイレイザーも何するか分かんねぇしな!」
「イレイザーはともかく緑谷くん――オリジンとは随分と仲が良いのですね」
「おうよ。なんつーかな、あんまり生徒と話してるって感じしねぇんだよなあいつ」
「確かに大人びてるかもしれませんね。私は関わったのは数回程度だけど、気持ちが良いくらい嘘を言わない子というのは知ってるわ」
「嘘ついたって後々が面倒になるだけだとよ。『社会に出たあとに隠し事をされたり虚偽報告なんてされたらどれだけ大変か……』なんて死んだ目で言ってた時はお前幾つだよ! って思ったね」
「ふふ、確かに。まだ子供なのに」
「ただよ……あいつも相澤と同じでさ、結構独りで抱えがちなんだ。アレでも生徒だしな、頼れるようにしておいてやらねぇと」
「そうですね。どれだけ大人びていてもまだ子供。大人である私たちが未来ある子供たちを正しく導いてあげないと」
「そういうこった! で、波動はどうなんだ? あいつら揃いも揃って問題児だったからな」
「ちゃんとしてますよ。むしろ気合いが入りすぎてるくらい。でもきっと――彼女は立派なヒーローになると私は確信してますから」
互いに大切に思う相手を思い浮かべながら二人は地下へと向かっていく。
緑谷転間という一人の人間を知る共通点。波動ねじれを導く立場である二人は意外と話しが合った。
まあ大半が問題児である転間のことになってしまうのは彼が話題に尽きないことばかりをしてるせいだろう。
「――あいつらなんで付き合わねぇんだろうな。俺はいつか刺されるんじゃないかって思ってるぜ」
「……う、うーん。確かに焦れったくは思うけれど」
「それが最近は後輩の一人もその気があるみてぇなんだよな……」
「まぁなんだかんだ緑谷くんって優しいものね。そういう子が出てきてもおかしくないか……ま、まぁ責任感はあるからちゃんと責任は取ると思うわ。当人たちが納得するなら別に一人じゃなくてもいいしね、うん……」
――ちょっと行く末の方が心配されていたが。
それはそうと同時刻地下2階。
同じく残ることにしたルミリオンことミリオとサーナイト・アイ事務所の面々。
「キャキャキャ! こっちだぜぇ!!」
「フゥー! このまま切り刻んであげるぅ!!」
それはもう無駄にテンションの高く会話の通じない変な二人組が暴れていた。
瞬間移動に念動力。
組み合わせとしては厄介と言う他なく、苦戦を強いられていた。
何より相手が異常に頑丈だ。
オリジンとルミリオンの連携、ねじれの波動に耐え切った耐久力はバカに出来なかった。
と言っても直撃は避けてたので、直撃してたなら話は違っていただろうが。
「やつらの動きはだいたい読めてきた。バブルは変わらず泡を展開しろ。センチピーダーはハサミの迎撃。ルミリオンは私と共に撃破に向けて動く」
「はい!」
「承知しました」
「先読み、ですよね。サー!」
「ああ、相手が瞬間移動するならその先を予測しろ」
瞬間移動。
その名の通り遠く離れた空間に瞬時に移動する個性だ。
女の方が持っている個性であり、オリジンが予想した通り目視した範囲のみ無条件で可能とする。
当然それは、予知の個性のために鍛えあげたナイトアイ本人も気づいていた。
だが、ここで原点と違うことが一つ。
原点においてナイトアイは未来は変えられないと思い込み、いつかの未来で出会う緑谷転間の弟である緑谷出久が未来を変えたことで変わる未来もあると、知ることが出来た。
しかし緑谷転間というイレギュラーが入り込んだことで、彼はその個性を『先に知ることで変えることが出来る未来』なのだと意識するようになったのだ。
未来の変化を見たことで、未来は変わるのだと思うことになった。
当然諦めては無いが、この世界に大きな影響を与える運命はもしかしたら変えられないかもしれない。
それでも未来は必ず変えられるのだと。
その結果。
「5秒後にバブルに向かってハサミが向かっていく。ハサミを動かしてるのは女の方だと思わせてるだけで男の方が持つ念動力だ。その隙を突いてくる!
瞬間移動を警戒するのは女の方でいい。ルミリオン、奴らが出現するポイントに合わせろ!」
その個性は、ただの
尚且つナイトアイは今日に至るまで個性を使い続けていた。
原点において彼は必要なければ個性を使わなかったが、緑谷転間の曖昧な未来を視るべく使い続けた結果、その回数は1日に2回へと進化した。
個性とは使えば使うほど強くなる。
それは灰廻航一がトップヒーローレベルの力を得たように。
個性が芽生えて13年間。修行に人生を注いだ緑谷転間が若くしてオールマイトやスターアンドストライプと同等の力を得たように。
まぁ後者の転間に関しては例外中の例外で狂気的な鍛え方をしてただけで他と比べる参考にはならないが、ともかく個性は使わなければ強くなることはない。
それは人の筋力と同じ。
「ヒャヒャヒャ! 何をしても無駄さ!」
「ヒャーヒャヒャッ! 無駄さ!」
同じことを繰り返して告げる兄妹。
ナイトアイの予知通り、念動力で動く巨大なハサミが泡を一気に割っていく。
「そのまま死ね!」
「早く追わせてもらうよ!」
この場に居なくても狙いはオリジンらしい。
だがバブルガールに向かっていたハサミの動きが止まる。
「ひょ?」
確かに泡を砕くのはハサミなら容易だった。
ハサミが泡を割れるのは動いてるから。
つまり泡によって覆われ、動けなくなったハサミは動かない。
さらに。
地中から弾かれるように出てきたミリオが厄介な瞬間移動を使う妹に拳を振るう。
小刀を交差してガードしようとしていたがミリオの体はそのまますり抜け、そこをセンチピーダーがショルダータックル。
足が地面なら浮き、姿が消える。
「ハッ! 何をしても無駄――!?」
「POWERRRRRRRRRRR!!」
出現地点を予測したミリオが瞬間移動のように目の前に現れ、その顎を打つ。
武器が手から離れ、体が浮いた女にナイトアイが投げた4つの判子が完全にトドメを刺す。
そのまま背中から倒れて気絶したのかピクリとも動かなくなっていた。
なぜ男がオリジンの攻撃を受けたのか。簡単に言えば、妹の方は瞬間移動という強力すぎる個性を持つ反面、耐久力が低いからだ。
逆に兄は耐久力は高く機動力は圧倒的に低い。二人揃って完璧な存在で、単体ではさほどの脅威ではない。
簡単に言えば、ユニットを組まなければ強くないタイプということである。
ナイトアイとの交戦が一時止まっていた兄が妹の元に近づき、その身体を抱く。
「良くも……良くも妹を……! 許さん! 骨の髄まで斬り刻んで惨たらしい死を迎えさせてやる!」
先の調子から一転し、殺意に満ちた顔で肉薄する。
咄嗟にミリオは地中に逃げて避けるが、先よりも速い。
「一緒にこいつらを殺す!」
念動力によって浮いた2つの小刀。
両手に存在する2つの日本刀。
擬似的な四刀流になった男に隙はなく、ナイトアイが投げた判子もバブルガールの泡もセンチピーダーやミリオも上手く攻撃出来なかった。
ただでさえ日本刀という時点で当たれらば致命傷になりかねない。
尚且つ男の身体能力がさっきの倍高くなったのもあるだろう。
小刀とはいえ彼の周囲を守るように動くのだからこの場にイレイザーヘッド、もしくは転間が居れば話は違っただろう。
「サー! 俺が突破してみせる! もしもの時は援護お願いします!」
「危険だ!」
「大丈夫! こんなの転間に比べれば全然問題ない!」
念動力とはギミックさえ分かってしまえば簡単だが、簡単であるが故に厄介だった。
「俺の個性はありとあらゆるものを脳波によって操作することが出来る! 操作する質量が重くなるほど制限時間は短いが――こんなのだってなぁ!!」
「うわぁ!?」
――個性の開示。
敢えて弱点や能力を明かすことで能力の底上げをする。
それにより、斬り刻まれた瓦礫か石礫のように大量に向かっていく。
咄嗟にバブルを展開するバブルガールと異形型の自分より脆いナイトアイを庇うセンチピーダー。
瓦礫の嵐を個性を使わず駆け抜けるミリオ。
ミリオにとって瓦礫の嵐はあまりに遅すぎた。
何故なら転間の攻撃は理不尽の権化だからだ。
途方もない動体視力がなければ回避不可能な赫。回避したとて吹き飛ばされる理不尽さ。それどころか引き寄せる力によって巻き込まれかねない蒼の力。それはミリオの透過を持ってしても効果を受けてしまう。
かと言って近接に行けば目にも見えない速さで打ち込まれ、透過する前に直撃する。威力に関しても本気ならば一撃で血を吐いてダウンしかねない拳。
それを見てきた――やられてただけだが、地獄の特訓を乗り越えたミリオにとっては回避出来る範疇。
尚且つ、ナイトアイに師事して得た予測能力が、ミリオのイマイチだった個性のレベルを引き上げ、ミリオの実力はプロヒーローにすら匹敵するほどまでに大きく飛躍する――!
「妹の仇だ!
背後を取ったミリオに反応した音の日本刀が挟み込むようにして振られる。
透過する前にミリオは気づいていた。
念動力によって透過した直後を狙おうとしていることを。
それは経験による予測。
だからこそ。
「はっ……?」
ミリオの姿は消える。
そして現れる。消える。現れる。消える。現れる。消える。現れる。消える。現れる。消える。現れる。現れる。現れる。現れる――ぶっちゃけて言ってしまうと、多重残像拳と言えば分かりやすいだろう。
弱点と言えば呼吸が苦しくなること、広範囲攻撃や関係のない特殊能力、地面を削られる能力には滅法弱いこと。
しかしそのデメリットを背負ったとて他の者からすれは厄介な能力でしかなく、この技を防ぐのに最も簡単な方法は広範囲攻撃だ。
それは男にはなく、完全に翻弄されて攻撃が一切当たらない。
オリジンやサンイーターに負けられないと編み出したミリオの技。
そう簡単に破れるものではない。
そして正面から現れたミリオが左手で拳を覆いながら脇を締めて引き絞っている。
残像か、本体か。
止まらない冷や汗を掻きながら男は二刀の刀を振るい、ミリオの体をすり抜けた。
刀が自身の体を通り過ぎた一瞬をすかさず実体化したミリオは懐へと潜り込んでおり、その拳を一気に振り上げる。
「ゴフッ!?」
鳩尾を正確に打ち抜き、口から大量の胃液を吐き出す男にもう片方の拳で頬を殴り飛ばし、地中に潜ると頭上に舞い上がったミリオはその拳を顔面に一気に叩きつける。
意識を奪うほどの強烈な一撃。
意識が薄れる中、男は妹に手を伸ばして、掴めるはずもなく意識を失った。
「――本当に強くなりましたね」
「……ああ。もうミリオもプロヒーローとしても通用するだろうな」
「緑谷くんたちの世代、ヤバくないですか……?」
「気にするな、ヤバいのは転間だけだ」
「それもそれで本人が聞けば怒ると思いますケド……」
オールマイトの元サイドキックのナイトアイですら公認されてるとは、まあ転間は知る由もなく。
拘束のためにナイトアイたちが近づくと、手を伸ばしてたことに気づいていたミリオが兄を運び、妹と兄の手を繋がせてたところだった。
「……転間みたいになれなかったのかな」
あれはアレで行き過ぎではあるが、妹を思う気持ちがあるならば何故こんなことをしていたのか。
明らかに狂人のソレであり、あの言動から数多くの人間を殺してきたのは想像が容易い。
だからこそ、近くで弟を想い続け、その愛を剥き出しにしまくってる親友をミリオは思い出さずには居られない。
彼のように生きられたならば、この兄妹も幸せに生きられたんじゃないかと。
「ミリオ、彼らを捕縛して私たちも先に――」
そして捕縛しようとしたその時、ガラスの破片が飛び散るかのように彼らの肉体が弾けて消滅する。
あまりに異質すぎる光景に目を剥く。
元々より普通ではない施設。
何らおかしいことはないが、それにしても消滅というのは妙な話だ。
「……先を急ごう。私たちに出来ることを成すんだ」
「……はい」
しかしそれでも立ち止まっていられない。
まだ仲間達が戦っているのだから。
去る直前にミリオは二人が居た場所を見たが、気を引き締めるように頬を叩いて気持ちを入れ替え、改めて駆け出した。
地下3階。
能面、青鬼、大百足、カカシ、タイヤの輪入道、大蜘蛛、絵画に両足が生えた生き物――と数多くの存在と対峙しているベストジーニスト、エッジショット、ファットガム、サンイーターこと環。
「このままだとキリない! お二人は先に行きぃ! ここは俺とサンイーターで十分や!」
流石に数の暴力かつ連携の取れた行動が厄介で中々反撃に移れず、軽い攻撃はあっさりと再生される。
このまま時間を潰されるのは得策ではないとファットガムは叫ぶ。
「いいのか、ファットガム」
「こんだけ今までと違う明らかに実力のある連中を集めるってことは本元が近いっちゅーことやろ!? 上に居た連中も必ず来てくれる! そんなら1番戦力が必要なのはこの下! イレイザーやネジレちゃんがオリジンと合流出来たとは限らん!」
「……分かった。ここは任せる!」
「頼んだぞ、二人とも!」
ベストジーニストとエッジショットが駆け出す。
そこを妨害するように絵画とカカシが道を妨げるが、エッジショットが音速を超える速度で変形して絵画を滅多刺しに貫き、ベストジーニストがカカシの全身を繊維で覆い尽くして粉砕。
あっさりと無効化する。
残る場合では出来ない消耗を考えない故の行動。
さりげなく二体撃破していくのは流石トップランカーのヒーローと呼ぶべき手腕であり、消滅するのにも目をくれずに姿が消えた。
「さてサンイーター! 大仕事やで!」
「二人でこの数を……いや、大丈夫だ……! この程度乗り越えないと俺は置いていかれてしまう……!」
いつものネガティブを発揮するかと思われたが、覚悟を決めたのを見てファットガムは笑みを濃くした。
相手は5体。
数的不利はこちらの方にある。
それでも。
「1度引き受けた以上やり遂げなければ男が廃る!」
逃げることなど決してしない。
1番速いタイヤの輸入道が駆ける。
炎を使うという性質上、直撃すれば熱にやられてしまう。
「アリゲーター+ビラルク+マツカサウオ+トカゲ+亀――!」
硬い鱗を持つ生物を再現した環がタイヤの輸入道を真正面から受け止めた。
硬い外装に纏われた環はそのままタイヤの輸入道を投げ飛ばす。
さらにオクトパスを使った触手で掴んで叩きつけ、大蜘蛛の糸に対して再現したタランチュラの足から糸を吐き出して対処する。
その一方で突進しか脳がない能面をファットガムは正面から殴り飛ばし、大百足の攻撃については吸収しきれないと避ける選択を取る。
そこへ金棒を壊されたが故に武器を失った鬼が自身の怪力を活かして振りかぶる。受け止めたファットガムが勢いのあまり吹き飛ぶものの、ダメージ自体はない。
相性は悪くない。あの超速急と言えるほどの速度があったはんぺんが撃破されてなければ話は違ったが、撃破されている。
ただファットガムについては最大火力は一撃で決めなければならず、環も最大火力を出すには時間を費やす。
――決め手がない!
仮にエッジショットたちが残ってたとて状況は変わらない。
あのメンバーで火力を出せるのは結局環である。
出来ることはひとつ。
「出来る限り減らすぞ! サンイーター!」
「はい……!」
大百足は体長を考えれば不可能。
なおかつ地中に潜られる。
はっきり言って問題なく倒せるのは火力の高い転間とねじれくらいだ。
その2人が居ない以上、脆い敵を倒すしかない。
消去法として狙うのは、まず一体。
「お前しかおらんちゅーねん!」
タイヤ輸入道に狙いを定め、ファットガムがしがみつく。
暴れ馬のように動き続けるタイヤ。
しかし吸着するファットガムは中々外れない。
ぐるぐると回転を始めたタイヤだが、突如“ぷしゅー”と空気が抜けたような音と共に回転が緩やかになり、萎んでいく。
タイヤである以上頑丈ではあるが空気が抜けてしまえばそれはもうタイヤとしての役目は果たせない。
自身の炎が移ったかのように燃え尽き、タイヤ輸入道は消滅した。
「まず一体……!」
「相変わらず不気味やな……けど、この調子で行くで!」
やったことは単純。
スコーピオンとスズメバチの針を再現して突き刺した。
原点通りであれば食べたものしか再現出来ない以上コスチュームに持ってきてある食用や今日食べたものしか再現出来ないが、転間という存在が個性の拡大解釈という可能性を魅せたことで彼の限界値がない個性は遥か強くなっているのだ。
肝心のメンタルも追いつくべき目標の親友が二人も居て、純粋な陽キャであるミリオとなんだかんだ陽キャムーブをする転間の存在がある程度マシにしている。
あの二人も頑張ってるのだから自分もここで負けられない、と。
「ぬぅん……!!」
次の目標を定める前に雑に振るわれた青鬼の拳がファットガムを打ち上げる。
追撃しようとする能面だが、環が割って入った。
盾のように形成されたアサリの貝殻と亀の甲羅を合わせたようなもので防ぎ、足は牛のように変化している。
「混成大夥―――キメラ・ケンタウロス!」
あっさりと受け止められた能面に手段はなく、環は足を馬に変えると足で蹴り上げる。
そこを打ち上げられていたファットガムが拳を叩きつけ、落ちてきたところを環が狙う。
「トドメだ!」
生物かどうかすら分からない敵を相手に毒を再現しても通じるか分からない以上、攻撃で倒すしかない。
片腕に再現したカニの巨大な爪で挟むことで抑え込み、もう片方の手はカジキに変化している。
「カジキレイピア……!」
さながらレイピアのように突き出されたカジキマグロの上顎。
カジキマグロの上顎は鋭い。
素早く射出された威力は凄まじく、何処ぞの野蛮人共のように上顎を掴んで殴るわけではない。その一撃は能面のこめかみを貫いた。
さらに両手をパインとココナッツを再現して叩きつけ、鳥の翼で加速しながら鳥の蹴爪で蹴り飛ばす。
そこまでしてようやく頑丈が取り柄だった能面が力尽きたようにダウンする。
残りは青鬼、大百足、大蜘蛛と厄介な敵のみ。
どれもこれも再生能力が高い。
「一体は確実に潰せる! けど……」
「俺がやる……! 最大火力でやれば倒せるはずだ!」
「よし分かった! お前に命託すで、サンイーター!」
返ってきた返事は即答だ。
サンイーターの実力を信頼してなければ託せないもの。
実際にファットガムはこの場に集まったヒーローの中で1番強いのは環だと思っている。
既に彼の才能は開花しているのだ。あとは経験さえ積めば自分どころかもっともっと上に行くのだろうと。
「正念場ってとこやな……!」
ファットガムは一人前に躍り出る。
勝つ必要はない。
あくまで時間稼ぎだ。
12:48。
――地下4階。
オリジンが警戒するほどの相手であったヴィオラ。そんな彼女と戦うべく残ったねじれだが――。
「アハハハッ! ねぇ、さっきまでの威勢は何処に行ったの!? その程度でまさか、お兄様の傍に居られるとでも!?」
「っ……!」
波動をオーラのように纏いながら足から放出し、空中を素早く駆け抜けるねじれに対して次々と爆発音が響く。
最初からねじれが飛ばさなければ危ういほどの力。
彼らが居る時は個性を使えてなかったが、イレイザーの抹消は1度捉えたら視線を外しても効果を発動するものの、目を閉じたらリセットされる。
人間である限り永遠と目を開けられないため、当然制限時間はあった。
普通であればその間に彼女を無効化させられただろうが、素の身体能力がバケモノじみている転間でさえ自身の身体能力を強化して対処するレベルの別の力を持っている。
そんな彼女を、お世辞にも近接に優れてるとは言えないねじれが倒すのは厳しかった。
「
親友の個性から発想を得た、回転エネルギーの籠った矢の波動が駆け抜ける。
しかし。
「えい」
形を持ったものではなくエネルギーであるにも関わらず、彼女が握るだけで消滅する。
それどころか周囲が爆発し、上昇することでねじれは避けていた。
既に部屋を出てだだっ広い4階で戦っているものの、壊れた痕跡がそこら中にあることから短時間の間に2人がどれだけぶつかり合ったのか。もはや数えることは出来ない。
当然それほどぶつかり合えば、思うことはひとつ。
――この子、とんでもなく強い……! 私の波動は無効化されるし身体能力が途方もなく高い。よかった、転間くんに近接対策教えてもらってて。
ねじれは遠距離においてはかなりの強さを誇る。火力だけならトップヒーローにも負けない。
原点と違い、明確に好意を持つ相手が出来た上本人の積極性もあって転間に追いつくために本人から手解きを受けている。
そのお陰で弱点のスピードやら近接やらは対策しているが、そんな彼女を持ってしても目の前の少女は異常だった。
もし手解きがなければ、この時点で負けていたと思うレベルに。
「貴女、一体何者? どうしてそっち側にいるの? こんなに強いのに」
少女の実力は一線を画している。
これほどの実力があればプロヒーローとしても十分通用するのだから、ねじれは不思議だった。
いや、ねじれの火力に渡り合うならトップヒーロークラスとも言える。
そんな彼女の疑問に戦いの手をやめたヴィオラは目を瞬きさせ、口を開く。
「あーネメシスだっけ? 私はここに囚われてるんじゃなくて自分から居るもの。究極の生物を作るには私の壊す力が欲しかったんだって。最強の生物を作りたいのに簡単に死んじゃ意味無いでしょ? 私自身家族に捨てられた身だし? 暇だったから高待遇で引き受けたってわけ。まぁそれがこんな結果なんだけど、実験体や私を狙うやつらを壊す仕事があるくらいで私の実力なら問題ないし、見返りとして食事はあるし融通は聞くしここを離れたって行先もないからね。むしろ面倒になりそう。今更どうしようもないなーと数十年」
「捨てられた……?」
あっさりと情報を吐くことからあくまで協力者という立場なのは嘘では無いのだろう。
普通なら悲しい過去なのだろうが、あっけらかんとしていることや家族に捨てられたという話にねじれは驚いていた。
少なくとも転間が聞いていたなら捨てたという家族に対してブチギレていたことは簡単に想像出来る。
「そ、私は“魔女”だもの。そんな人間誰だって恐れるでしょ。実の親でもね。私は突然変異らしいけど。でも昔は超常の存在は結構居たんだよ? ただ人間が個性を持って、そういった超常の存在は年々数を減らしていった。私はこの世界がこれほど個性が当たり前になる前から生きてたからね。だから私には個性と違う“魔力”がある」
「魔女……魔力……。聞いたことない。そんな存在が他にも居たなんて、想像もしてなかった。空想の存在だって思ってたから。それにあの部屋に閉じ込められてるんだって」
抹消によって個性を消されても問題なく戦えたのはその魔力というものなのだろう。
人は人にはない超常とも言うべき力を神の力だの妖怪だの計り知れないものだと判断する。しかし同じく超常の力が人間に宿れば、超常だった存在に向けられていた信仰心は消えていく。
「個性がある世界で今更すぎ。封印的な扱いされてたのは事実だけどね? ブラックボックス的な? ただあの部屋の内装は趣味♡ ま、好きなだけで使ったことないけどね。でもでも、お兄様には逆にされてみたいなー♡ うん、お兄様は絶対攻めだもん。襲うためならお兄様を拘束してもいいけど簡単に外されそうだし」
「……どうしてそこまで転間くんに執着するの?」
「好きに理由なんている?」
会ったばかりなのにここまで執着を見せるのは普通ではない。
しかし返ってきた言葉にねじれは否定することが出来なかった。
理由なんてなく、好きだから好き。
その気持ちは彼女自身も持っている。
「ま、今年で83年かな。それくらい生きてたら世界がつまんなくなるんだよね。私不老だし。だからお兄様を見た時は衝撃だったなー。初めてテレビで見たとき、退屈が裏返る予感がした。そしてそれは本当だった! 生まれて初めて誰かが欲しいって心から思った。あの人の全てが欲しい。体も心も愛も全部全部私のモノにしたい! 私と居ても決して壊れない素敵な人。あの人なら私の全部も受け止めてくれると思うの! だからあの人の傍に他の人間なんていらないよね? お兄様も役立たずを置いとくなんて疲れると思うんだ」
「……転間くんは素敵だと思うよ。普段からずっと家族のことばかり考えてるけど、他人に簡単に手を伸ばすしいつも優しいけど子供にはもっと優しいし努力を惜しまずに今も強くなろうとしてる。口では面倒だと言っても面倒見が良くて誰かが困ってたらどうしても手を伸ばしてしまうような、そんな強さと優しさと勇気を持った人」
「うんうん、流石お兄様♡」
「でも、貴女の言うそれは間違ってる! 転間くんの周りには自然と人が集まる。それは彼の飾らない態度と本心に触れたから! 誰にでも平等に接し、好かれようと媚びることもしようとしない。彼はどんな相手であろうとその人の本質を見ようとしてる。そして受け入れる器がある! だから惹き付けられてたくさんの人が集まるの! 転間くんは拒むならちゃんと拒む! そんな彼が私たちを拒んでないってことは転間くんはそうは思ってないってことでしょ!」
緑谷転間と言う人間は良くも悪くも平等に接する。
それは本人が弟のことが好きすぎるあまり他人に興味を持ってないというのもあるが、彼は言うことはちゃんと言う人間だ。
実際に何度もねじれは面倒臭そうにされることもあったし、他の人に対しても面倒そうな態度をしてたとこも幾度だって見てきた。
不遜な態度や傲慢な部分こそあれど、それは本人自身が力量を理解しているが故のモノ。
裏表がないその態度は自然と人を集わせる。
ヴィランにすら手を伸ばそうとするほどの優しさと勇気。それを成す強さを持つが故に、彼は人に希望という感情と安心感を与えるのだ。
転間が本気で周りなんていらないと思っていたなら関わってないのは事実だし人に手を伸ばそうとなんてしない。
なぜなら高校に入るまでは他人と関わらずに弟のためだけに人生を使っていた人間である。
それは今もではあるが。
「……分かった気でいられるのはイラつくな。どうせ貴女もいずれはお兄様を捨てる。いいや貴女達人間はお兄様を独りにする! いずれ誰もあの人を理解しようとしなくなるんだ! だから気持ちが解る私がお兄様と共に居るのっ!」
「私はしないよ。転間くんの傍にずっと居たいって心から思ってるから!」
「恋バナは無意味ね。口先だけならなんとでも言える……。あの人がいずれ辿り着く世界は、酷く侘びしくて孤独で、誰も心から理解出来ないよ。 ……。だって、そこに並び立つことは誰にも出来ないもの。あの人はまだそれを、その辛さを知らない。私はそれを
「そんなことさせない。改めて貴女だけには負けられないって思ったもん! 転間くんに任されたんだから、私は必ずここで貴女を食い止めるよ!」
「そういうのは私に傷をひとつでもつけてから言って欲しいな。私にやられてばかりだったくせに。ねえ、“おねえちゃん”?」
嘲笑するような笑みを浮かべながらあからさまな挑発をするヴィオラに対して、ねじれは戦意を高めるように波動が迸った。
ドレスに汚れ一つないヴィオラとコスチュームが煤で汚れて所々一部破けているねじれならどっちが優勢だったかなんて言わずとも分かる。
だからといってヒーローとして、何より女としてねじれは負けられなかった。
これは意地の勝負でもあるのだから。
「話はおしまい。世間では今日はクリスマスイヴなんだって? そんな素敵な日が最期でよかったね?」
「最期じゃないよ。だって私、明日は転間くんとクリスマス過ごすって決めてるからね」
「……そう。その予定は私が代わりに奪ってあげる!!」
「やっ!」
高速で飛んでくる石像がねじれの波動で壊され、煙の中をヴィオラが突っ込んできた。
咄嗟に波動を振るってバリアのように展開すると、ヴィオラの拳が弾かれる。
同時にねじれが後ろに跳ぶと、波動のバリアはあっさりと蹴りで壊されていた。
「逃がさない!」
「っあ……っ!?」
着地地点が突如崩れ、体勢を崩すねじれに向かって飛び膝蹴りが放たれる。
咄嗟に両手で防御するものの、ジンジンとした痛みが発せられていた。
だがヴィオラの方も膝蹴りをした部分のみ穴が空いている。
「ふぅん、防御膜としても果たすんだ。ただおねえちゃんの個性は自分のエネルギーを使ってるのかな。多分活力でしょ。どれだけ持つんだろうね?」
「……そういう貴女は何も無いものは壊せないんだよね?」
「さぁ? やらないだけじゃない? それに貴女を完全に壊したとしてそれを見たお兄様が傷つけば本末転倒だもの。私はあの人が欲しいけど、傷ついて欲しいわけじゃない。だから、とっとと倒れてくれるかなっ!」
「!」
駆け出すヴィオラに対して両手から放たれた波動が突き進み、当たる前に握りしめられることで相殺される。
そうなることは織り込み済み。
既に次弾を放っていた。
――
丸い球体をイメージされた波動。
長く転間と居たねじれにとって転間が使うものは最もイメージがしやすい。
好意を持つ相手ということもあるが、それを抜きにしても入試時の光景が目に焼き付いているのだ。
連射となると壊すのが間に合わないのか、それともこっちの方が手っ取り早いのかヴィオラは走り始めた。
素早い身のこなしで避けていく。
「強化にしか使ってこなかったけれど……これなら出来そうね。こんな感じかな」
そして彼女もまた球体のエネルギーを放つことで迎撃し始めると、弾幕が渦巻き状に高速で発射され、大量に発射された。切り目があるところを狙えば避けられるかもしれないが、波動を放出中にそれは不可。
ねじれは突き出した両手を薙ぐように波動を動かすことで薙ぎ払うが、消し切れなかった弾幕を幾つか受けて怯む。少なくとも防御膜を破るほどのパワーは秘められていた。
そのタイミングで接近したヴィオラは黒い杖とも剣とも言えるものを振るった。
明らかに顔を狙ったもの。
咄嗟にねじれは左腕で防御すると、斬り傷が生まれる。
反撃に右手で波動を撃つとアクロバティックな動きで避けられ、背中に痛みが走るのと同時にねじれの体は転がっていく。
すぐに起き上がりながら左腕を押さえると深く斬られた影響か血が流れていた。
痛みは感じるが動くことを確かめて、息を吐く。
「諦めたら? 分かったでしょ、おねえちゃんは私には勝てない。貴女の力は私には届かない」
「……そうかな、こんなの慣れっこだもん!」
ねじれた波動がヴィオラに放たれ、彼女は退屈そうな顔で握りしめた。
波動が消滅する。
――転間くんと違ってこの子は波動は消せても届かないわけじゃない。当たればダメージになる。それならやりようはある!
波動を再び全身に纏い、ねじれは加速する。
向かうのではなく、離れるように。
「そう言う割に逃げるんだ? いいよ、鬼ごっこしてあげる! 捕まったら最後――コンティニューはさせないけどね!」
そんなねじれをヴィオラは追いかける。
空中を移動するねじれに追いつくほどの身体能力。
ほぼ同時に互いに手を向け、そこから波動と虹色の弾が発射された。
爆風から抜け出すねじれに、ヴィオラもまた再び追うと次々から弾が発射されていく。
ねじれはそれらを避けていくが、顔からは余裕が一切ない。
「でもね、早くお兄様に追いつきたいんだ。あまり時間は掛けられないの、ごめんね? だ・か・ら――死ぬ気で避けないと死ぬよ?」
「ッ!?」
弾幕が拡散するように広がる。
無数の弾が雨のように振り注ぎ、回避に専念しなければならなくなる。
ヴィオラが使ってるのは今まで持ってなかったはずの攻撃手段。
波動という攻撃を見て新しく技を生み出すのは彼女の才能が飛び抜けてるのが分かる。何より彼女を強者でたらしめるのはその洞察力。
彼女自身が隠れた強者だったからこそ、彼女は底知れない強さを秘めた転間を前に自分では勝てないと理解した。無論、相性もある。
ただ1度挑んで、より確信したのだ。自分ではどう足掻いても勝てないのだと。見た目だけではそんな強そうには見えない転間の力量を完全に理解する実力があるということは、彼女はそれほど転間に近い実力を持つということ。
だから彼女は初対面であろうと執着するようになった。
なぜなら彼女にとって、退屈を消してくれる存在だから。自分より強い人だから。自分では今戦ってる状態よりさらに本気で、殺すつもりでやっても殺せないから。
単純明快。あまりにシンプルな理由。
だが考えてみても欲しい。
高い才能を持つ故に何十年も退屈な日々を過ごしてきた中で、突如として刺激をくれる人物が現れたなら執着してしまうだろう。
現代で言えば、クソゲーしか出会ったことがなかった人生で、ふと人生を注ぎたいと思うほどの神ゲーに出会ったといえば分かりやすいか。
だからこそ彼女は執着する。狂気なまでに。自分と相手以外を必要としないまでに。全てを独り占めするように。
それはまさしく、“狂愛の魔女”。
「
「!」
全てを呑み込むような大波が弾幕を一気に消し去る。
転間の防御技のようにねじれが編み出した全身に纏うという状態は彼女の引き出す波動のチャージ時間を大幅に短縮、防御膜としても発揮するという力を秘めている。
大技であろうと短時間で放出が可能。
デメリットとしては常に消費してしまうという欠点こそあるが、そこはかつて後輩の真綿にぶっ倒れるまで修行させたスパルタ転間の手によって許容量が増大させられてるお陰で彼女は少しの間なら維持を可能としている。
しかし、これでは互いに決着を付けるのは難しいだろう。
「ふーん、戦いながらも成長してるね。でも、もう限界なんじゃない?」
「そっちこそ消耗しすぎて疲れてるんじゃないの?」
「まさか。この程度全然。でもまあ早くお兄様の元に行きたいからね。無駄な消耗もしたくないしお兄様とイチャイチャする為にも体力を残しとかなきゃ、ね。そのためにも遊びはおしまい」
揺さぶるような発言に同じように言葉を返すねじれだが、ヴィオラの笑みは消え去り鋭い目つきへと変わっていた。
雰囲気が、空気が一気に重たくなる。
それは、今までとは比べ物にならないほどの殺意。
今までが遊びだったのだと理解させられるほどのもの。
ねじれは思わず息を呑み、空気に押し潰されるような感覚すら感じ取って冷や汗が流れる。
それでも。
「それは私も同じ気持ち。早く転間くんの元に行かないといけないもの! 彼に追いつくためにも私はここで負けてあげられない!!」
負けじと啖呵を切る。
自分で引き受けて託された。
信じでなければ出来ないことだ。
その期待に応えられなければねじれは二度と隣になんて立てない。
「だから――」
「ここからは――」
「
「
原作
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入る
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もっとお兄ちゃん読みたい
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作者の好きなようにやって欲しい