東家長男は全力でお兄ちゃんを遂行する   作:全力で遂行するタイプのお兄ちゃん

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あの…3話目投稿して一晩したら赤バーついてた上にお気に入り登録者がダブルスコアくらい増えてた話知ってますか…?

マジでありがとうございます、こんな小説ですが今後ともご贔屓にして欲しいです

今回は割と内容薄めかもしれません
東の晩餐の前段階みたいなものです


お兄ちゃんと成長の兆し

 

「それにしても、木乃(この)ちゃんが組長かぁ…兄弟子として鼻が高くてしゃーないわ」

 

「いえ、私なんてまだまだ…ですよっ!っと」

 

波乱の組長会議から暫く

八雷神という新たな脅威を前に魔防隊全体の底上げの為、合同訓練が行われようとする中、日々輝が来ていたのは魔都の北方面にある一番組の寮に来ていた。

 

「しかも高校生やろ?学校行きながら魔防隊で組長ってマジで才能マンやん。こうやって会う度に強なっとんの分かるで?」

 

「そこまで言うならっ…当たってくださいっ!」

 

「嫌や、俺やってまだカッコええ兄弟子ムーブしたいんや。ここで妹弟子に負けたくない。」

 

「何か変な負けず嫌いが出てませんか!?」

 

そんな日々輝と話しているのは先日一番組組長となった多々良木乃実。冥加りう秘蔵の弟子にして『数年経てば総組長になる逸材』と評される程の才能の持ち主である。

 

同じくして冥加りうの弟子として交流のある2人だが、そんな2人が今やっているのは能力ありの組手。

 

尤も、能力のない日々輝にとってはただの真剣勝負(日常)と何ら変わらない。

 

―――虎爪烈斬

 

「成程な、オーラを伸ばして斬撃状にして放出…そないな使い方もあるんやな」

 

「冷静に分析しながら避けないで下さいよ!?」

 

故に、如何なるルールにおいても通常戦闘時と殆ど揺るがぬパフォーマンスを発揮する事が出来る。

 

木乃実の能力、金色形意拳(ケモノノチカラ)は動物を模した形意拳をベースに独立した拳法を用いて戦う近接特化(インファイト)能力であり、変幻自在の戦法を取る。

 

「ほらほら、もう見切られたで?そしたら次はどないするんやったっけ?」

 

「『次の戦術に切り替える』っですね!」

 

金色形意拳(ケモノノチカラ) (サソリ)

 

「ええね、ちゃんと分かっとるやん。」

 

日々輝の言葉に戦術を手技から足技へと切り替える。鞭のように振るわれる足とオーラが日々輝に襲い掛かるがまるで分かっているかのように避けられる。

 

彼がやっている事は難しい話ではない

如何に動物の力を模して放てるとはいえ、形意拳は人間の身体で放たれる格闘技術。東家での英才教育においてもそういった武術については網羅していた。

 

(基本的にどんな武術も放つんは人の身体。関節の可動域の拡張やら脱力で範囲広げても限度はある、せやから図体デカい醜鬼とかよりは全然読めるわ)

 

「これならっ…!」

 

―――朱針腿(しゅしんたい)

 

(つーか、木乃ちゃん自体がスゲェ()()()()()んよな…)

 

それを差し引いても日々輝の回避能力は異常の一言だった。ミリ単位での動作により、紙一重で躱し続けるその様はまさに神業。

 

日々輝が見ているのは動作と気の起こりである。これはあらゆる武術に通ずる技能であり、相手の手を読む『先読み』の一種である。

 

相手の行動に対してカウンターを取る『後の先』

気の起こりから同時に動き、制する『対の先』

そして、気の起こりを読み相手の攻撃や動作が始まる前に動く『先の先』

 

今日々輝が用いてるのは『先の先』

経験値の少なさを生まれ持って得ている超感覚で補い、相手の気の起こりを読み、相手が動く前に回避する。

 

そして、先の先の本領は回避だけではない

あらゆる攻防に長ける点である。

 

「フッ!」

 

「がはっ…!」

 

攻撃の合間を縫い、胴体に一発

能力によって強化されたはずの肉体にも芯まで響く。そのダメージは連撃を止め、膝をつかせた

 

「はい、ここまでやな。やっぱもう少し戦法切り替えの見極めが早うなれば―――木乃ちゃん大丈夫?」

 

「だ、大丈夫です…少し吐きそうですけど…うっぷ…」

 

「ホンマごめん…ちょっと休もか…」

 

反省会をしようとする日々輝に対し、年相応の少女としてのプライドを守る為必死に耐える。それを見て流石にヤバいと理解し、東の技術(マッサージ)で気分を解しにかかる。

 

「少しは落ち着いたやろ?ホンマすまんかった…」

 

「いえ、組手を誘ったのは私からなので…」

 

「だとしてもや。あー…慣れへん事するんやなかった…」

 

「…そう言えば今日は竹刀使いませんでしたね。」

 

施術によって顔色が戻りつつある木乃実がペットボトル片手に日々輝に問いただす。

 

日々輝は基本的に剣技で戦う為、組手においてもこれまでは特注の竹刀或いは木刀を使っていた。しかし、今回に限って言えば、徒手のみでの組手と中々珍しかった。

 

「これ?お試しで使っとるんや。面を捉える打撃をより攻撃特化にしとるんや」

 

「面を捉える、それって確か空を跳ぶ為の奴じゃ…」

 

「アレは空気の面を捉えとるんや、コッチは相手の身体の面―――芯を捉えとるんや。せやから、相手の防御力とかガードとか無視して響くんや」

 

「道理であんな軽い手打ちで…え、強すぎませんか?それ…私、ちゃんと能力で身体強化してましたよ?」

 

「大丈夫や木乃ちゃんもその内出来るようなる。」

 

「いや無理ですよ?」

 

サラッと説明される曲芸に『そうはならんだろ』という言葉を飲み込み、どうにか話を続けようとするが『何れ出来る』発言に流石に限界を迎えた

 

「いやぁ、実は無理無理言うけどあながち的外れとも言えんのよねコレ」

 

「え?」

 

「前の組長会議ン時に優希クンから聞いたんよ。仇の一本角討つ時に出来たらしいんよ。空を跳ぶ技

 

「…遂に姉弟子まで人外の仲間入りに」

 

「可哀想やから辞めたげて。つーか京香ちゃんのゴリラっぷりは元からやろ」

 

「ひび(にい)の方が100倍ヒデェです」

 

どっちもどっちという言葉は置いといて、木乃実は内心かなり驚いていた。日々輝の技は彼の超感覚無くして成し得ないものだと考えていた。

 

例え、醜鬼を徒手で殴り殺すレベルの身体能力がある京香であっても例外ないと認識していた。だが、そうではなかった。

 

「元々俺のやっとる事て物理現象の超拡張版やからな。別に驚かへんし、理論上は誰でも出来るわ」

 

「いや、だとしても…」

 

「それに木乃ちゃんなら足りへんところは金色形意拳で補えるやろ?」

 

「いやいやいや!師匠ならともかく私は無理ですよ!?」

 

「要は能力の拡張や。形意拳で俺をコピーすればええねん」

 

形意拳による一個人の再現

木乃実の才能を鑑みれば出来ない話ではない。尤も時間はかかる上に、実戦投入可能なレベルに落とし込めるのかは本人の技量次第だが

 

(出来ない話でもない…のかな?確かにひび兄を形意拳で模倣すれば―――)

 

「アンタ態々ここまで(一番組)来てたのかい」

 

「待っとったでりう婆」  

 

「来るなら連絡の一つくらいよこしたらどうだい?」

 

そんな2人のもとに現れたのは一番組副組長冥加りう。世代交代として第一線は退いたが今でも尚、組織を支える参謀役を担っている。

 

「すまへんなぁ、オフレコで来てしもて。3つほど用件があるんやけど…あ、一つは木乃ちゃんの成長を見に来たやから後2つやね」

 

「全く、唐突に来て用件だけ突きつけて…で、何だい?」

 

「さっすがりう婆、ウチのクソロリババアの代わりにお祖母ちゃんしてほしいわ」

 

「仮にもアンタの祖母だよ?敬ってやんな」

 

「ハッ、誰があんな人の心ない奴敬うねん」

 

日々輝にとって祖母にあたる東海桐花は今の殺伐とした東家を作り出した張本人であり、忌むべき存在である。

 

日万凛が家を出るきっかけになったのも彼女の家の方針が大きい。日々輝によってある程度は緩和されているがそれでも影響は大きい

 

「ま、ええわ。あんなクソロリババアの事は置いといてや…用件1つ目は魔防隊としての案件や」

 

「何だい?」

 

「八雷神襲撃の一連の騒動について、ちょっと探ってほしい事があんねん」

 

八雷神襲撃

3・6・7番組を襲った記憶にも新しい一件であり、現在の魔防隊では持ちきりの話題でもある。

 

「俺ん時もそうやったけど、何か変やと思わへん?」

 

()()()()()()()()()()―――だろう?3番組を除き、6・7番組が交流戦で一堂に介したタイミングで襲撃。アンタに至っては孤立したタイミングで増援予防の為に結界まで使う徹底ぶり。」

 

「しかも出雲組長の報告曰く、襲撃の狙いは組長格の実力の推し測り…この襲撃自体は恐らく先発隊みたいなモンやろな」

 

「あの、じゃあ何で3番組は組長が居ないのに襲撃を実行したんですか?」

 

2人のやり取りを聞いていた木乃実が疑問を問う

仮に組長のみをターゲットとした場合、この一件だけはタイミングの悪さが垣間見える。

 

「ええ質問や木乃ちゃん、考えられるんは2つ。一つはただ単に1回目は運が無くてそれを経て様子見つつの方法に変えたか。そしてもう一つは―――」

 

誰かが情報を八雷神側に漏らしてる…あんまり考えたくは無いけどその線が濃いのかねぇ…?」

 

「それって…!」

 

「包み隠さず言えば、内通者やね。」

 

魔防隊の情報を漏らしている者の存在

それは木乃実を大いに驚かせた。醜鬼は人類全体での共通した敵だと認識していたが、それを覆す話でもあった。

 

「大方対価は…桃か醜鬼の労働力だろうね。桃なんて各国が喉から手が出る程欲しがってるからね。」

 

「しかも、前のテロリスト襲撃の時の特殊醜鬼。陰陽寮曰く、アレは人の手によるモンやないって。」

 

「じゃあもう繋がって…?!」

 

「うーん…何とも言えへん。実行犯への尋問はシロ、八雷神によるテロリスト襲撃への相乗り路線が濃厚やないかな?」

 

組長会議で日々輝が斬り飛ばした特殊醜鬼

彼らは各々が特殊な能力を有していた個体であり、野生での出現は先ずあり得ない。何かしら外部からの介入なしには起こり得ない事案だった。

 

「ただ、いずれにしろ此方の動きが漏れてる可能性は高いと。」

 

「そ、せやからりう婆にも疑いのある奴についてピックアップして欲しいねん。東家(こっち)の諜報組織とかも動いてもろてるで。」

 

「…因みにこの話を知ってるのは?」

 

「山城組長初めとした各組長と魔防隊・東家の諜報組織くらいやな。因みに炙り出し発案者は俺、言うても確証もないから何とも言えへんけど」

 

「それでも総組長がGOサインを出したということは」

 

「心当たりはある…ということですか?」

 

「せやろな。因みに山城組長は政府関係者の炙り出しするそうで」

 

魔防隊という組織は政府の下部組織に位置する為、外部から漏れるとしたら一番疑いがかけやすいポジションとなる。

 

「ま、木乃ちゃんも頭の中に入れといくれや。下手したら人間同士の戦いに発展するかもしれへんからな」

 

「…分かりました」

 

「さて、これが用件2つ目。3つ目は…俺のプライベートな事やけど―――りう婆行かんといて。今回は妹自慢とちゃうから」

 

「…珍しいね、アンタが妹以外の事で相談なんて。」

 

「まぁね、俺やて人並みに悩みとか相談とかするで?」

 

会う度に日万凛達の自慢話や可愛さを数時間単位で語られるりうにとって日々輝の個人的な相談事というのは中々新鮮な話だった。

 

専らその辺りの話は母である風舞希が請け負うことの方が多かったためである。

 

「んで相談何やけど…ちょっと協力して欲しいんよ」

 

「何にだい?」

 

「強くなんのに」

 

その言葉に2人は目を見開いた

確かに日々輝もかつては妹達を護らんと京香と同等かそれ以上に鍛錬を積んでいた。

 

ある程度の強さを得た今では『妹達との時間を大切にしたい』と強さへの執着が無くなったかのように感じられた。

 

「もっと言うとやな…欲しいんよ必殺技みたいなモン」

 

「飛ぶ斬撃じゃ役不足なのかい?」

 

「せやなかったらあの八雷神(ゴミども)に逃げられとらんわ。」

 

そんな日々輝を再び駆り立てたのは八雷神という新たな脅威から妹達を護るという使命。それが再び彼に強さへの執着を齎した。

 

(最近は中々弛んでるんじゃないかと思ってたけど…何だい、しっかりしてんじゃないか)

 

『数年経てば総組長になれる』と評した木乃実すら軽く凌駕する才能の原石。それが今、さらなる成長を遂げようと足掻いている。

 

(それでこそ教え甲斐って物があるもんだよ)

 

「何や?何ニヤついとるんや?」

 

「別に。それで特訓はいつからやるんだい?」

 

「今からでもやって欲しいくらいや。必殺技の慣らし運転にピッタリの場があんねんけど時間もそんなないねん。」

 

「時間?」

 

八雷神の襲撃は日々輝の与えた傷からかなり時間的余裕はあると考えられるが、日々輝のその目には焦燥が見られる。

 

「…今度、東の晩餐があるんや」

 

「成程ね…確かに必殺技のお披露目には持って来いの場ね」

 

「あの…晩餐って何ですか?」

 

「分かりやすく言うと当主を巡った蹴落とし合いやな、ホンマロクでもない事考えるわ、あのクソババア。」

 

東の晩餐

それは当主交代によって行われる言うならば跡目争いの儀式である。事実上の家族同士の戦いの場とあってはキレるのも仕方のない話だ。

 

しかし、今日々輝にとって重要なのはそこではない

それに相応しい相手がいるからだ

 

「風舞希と戦うとなると…どうなるだろうねぇ」

 

「ひび兄でも負けるんですか?!」

 

「俺の戦い方の問題や。手の内がバレとると途端に対応されやすくなるんや」

 

「それだけじゃない、技の性質も分析されてる上に弱点もバレてる」

 

「しかもおかんみたいな技巧+基礎の複合ゴリ押しタイプは一番相性悪いんよな…」

 

「…負けるんですか?」

 

「せやから強くなるんや、相手にとって不足もあらへん」

 

事実、両者の間に実力差はそこまでない

最期に勝敗を分けるのは相手への対策と成長、そして培ってきた経験のみである。

 

「りう婆、アンタの知恵を貸してくれ」

 

「フン、厳しめに行くよ」

 

「そうやないと困るわ」

 

冥加りうは歓喜していた

自身が最も期待していた弟子の奮起と再進撃に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうか!日万凛も晩餐に出るか!」

 

「はい、母様」

 

所変わって現世、多摩川クナドより徒歩0分の位置にある東家本邸にて、日々輝を除く9番組のメンバーが顔を連ねていた。

 

彼女達もまた当主の座を巡って戦う東家の人間であり、魔防隊の中でも上位の実力者であった。

 

「交流戦で八千穂に勝って気が大きくなってる様ですね」

 

「八千穂が日万凛に甘いから勝てたって分かってねーわ」

 

日万凛の参加に対し、麻衣亜や誉の意見は厳しいものだった。実際、日万凛の実力は東家でも下位に属する物と認識されている事も大きいだろう

 

「日万凛が成長を見せずに排除されるか…それとも一花咲かせるか…いずれにせよ、八雷神との戦や総組長選挙は万全で臨まねばならぬ。」

 

「…」

 

「これで弱き東はいなくなるのじゃ、祝着祝着♪」

 

東家の未来を慮る海桐花に対し、風舞希の内心はあまり穏やかではなかった。

 

日万凛に晩餐に出るよう促した際の発破

それが吉と出るか凶と出るか…彼女もまた母として、日万凛の身を案じていた。

 

「私が日万凛を締めるよ、昔みたく泣かすわ」

 

「誰がやるか…貴方に決定権はありませんわ誉」

 

誉の言葉に麻衣亜が挑発するが如く返し、その場に一触即発の雰囲気が流れる。

 

誉は能力を発動しようと、頭の中で動きを作る―――

対する麻衣亜も能力の発動に踏み切ろうとする―――

 

コラコラ、2人とも喧嘩はアカンで?

 

「っ兄貴!?」

 

「兄様!?」

 

しかし、それらが現実となることは無かった

思考が行動に移される前に日々輝が間に入り、止めに入る。

 

「ごめんな誉、別件で他所におった間元気にしとったか?」

 

「べ、別に。たかだか数時間程度の用事だろ?」

 

「そのたかだか数時間でテンションが下がりまくっていたのは何処の誰でしょうね」

 

「お、おい麻衣亜!」

 

「何や、お兄ちゃんおらんくて拗ねとったんか?」

 

「そんなんじゃねーよ!」

 

「別に恥ずかしがらんでええのに。ほらほら」

 

「やめろよクソ兄貴!恥ずいんだよ!」

 

悪態をつきながらも、撫でられる手を受け入れ、形だけの抵抗しかしてないあたり満更でもない事は見て取れる。これには麻衣亜も若干羨ましそうにしている。

 

そんな妹の態度を兄は見逃さない

 

「…兄様?」

 

「大丈夫やで、真衣亜がちゃんとお姉ちゃんしとんの分かっとるから。」

 

「…ずるい」

 

真衣亜の頭も同様に撫でる

誉の時とは違い、慰めるかのように優しく接する

 

そんな3人のやり取りに水を刺すかのごとく海桐花が話を切り込む。

 

「日々輝よ、よくぞ戻ったな」

 

「兄妹水入らずの場に水差してんじゃねぇぞババァ」

 

刹那、周囲の空気が先程とは比べ物にならないほどに殺気を帯び始める。日々輝のものか、海桐花のものか、或いはその両方か

 

…誰に向かって口を聞いておる、日々輝?

 

もしかして自分の名前も分からんくなってもうたんか?見かけは若くても認知症(ボケ)が進むんやなぁ

 

しかし、その圧に全く屈する事なく煽り散らす

周囲の花々が枯れ草へと変わり、建物の窓ガラスにヒビが入る中、2人の間に風舞希が割ってはいる

 

「母様、日々輝、お二人とも落ち着いてください

 

「チッ…命拾いしたのう、日々輝?」

 

「ババァこそな、当主交代後は隠居でもしたらどうや?」

 

「あ゛?」

 

「日々輝、辞めなさい」

 

風舞希の介入により、既の所で衝突は避けられたが煽り文句は止まらない。地雷原の上でタップダンスをするかの様な危険な行いに、妹2人もヒヤヒヤしていた

 

「あ、おかん、りう婆に例の件探ってもらうよう言うてきたわ」

 

「分かったわ。それと東の晩餐には―――「日万凛も参加する…やろ?」…分かっていたのね」

 

「当たり前やん、伊達にお兄ちゃんしとらんわ。…それに、前会った時には分かったわ。日万凛も強なっとる。」

 

「…そう」

 

そんな日々輝の言葉に風舞希も表情に出さずとも何処か安心した様な雰囲気を醸し出す。

 

「それとおかん、俺はアンタに勝ちに行くで」

 

「それは私への宣戦布告…として見ていいのかしら?」

 

「それ以外に何があるん?」

 

「そう…ならば貴方は私が仕留めるわ」

 

しかし、それも束の間

日々輝の宣戦布告により再び両者の間に火花が散る。

 

元より次期当主の最有力候補の2人、激突は必須ではあった。それでも、この宣言は大きな意味を持っていた

 

(手の内を晒された兄貴と今のアイツなら勝敗はやや兄貴が劣勢…)

 

(でも、今の兄様を見ていて分かる…)

 

―――今尚、強くなり続けている…!

 

(こうなってはこの勝敗、予測のつくものではないようじゃな)

 

東の中でも屈指の実力者

互いが成長を続ける中、最早その勝敗は誰の予測も及ぶものではない。

 

真の強者は勝敗が決した後に判る、両者は拮抗した薄氷の領域に立っていた。

 

「所でおかん、日万凛と話せたん?」

 

「…少しは」

 

「おかん、それ話せたとは言わんのやで」 

 

「お風呂に一緒に入ろうと誘ったのだけど…拒まれてしまったわ」

 

「まぁ日万凛も思春期入っとるからな。簡単には―――あーもう!そないない悲しそうな雰囲気出さんといてや!今日の夕飯うどんにしよ、な!?

 

(((普通は逆でしょ…)))

 

尚、この2人の親子関係がたまに逆転しそうになっているのは当事者以外の家族がよく知る話である。

 

 





東日々輝
前回あんなに暴れといて、もう成長フラグが立ってる人
元々マンガ脳かつアニメ鑑賞によるインスピレーションを大量に得ているため無能力者のクセして能力への造詣が深く、能力拡張のアドバイスなども出来る。本人は今まで強敵があらわれ無かったことなどもあり、向上心はそこまでだが、太極の存在を把握したことや八雷神の敗走を許したことなどが成長のきっかけとなった。

多々良木乃実
兄弟子やっぱやべぇ…と思っている人
この子もこの子で大概だけどそれ以上の規格外がいるせいで霞んでしまっている。姉弟子が兄弟子の人外領域に片足突っ込み始めたと聞き、気が遠くなった。尚、日々輝の帰宅後、アドバイス通りやってみたらそれっぽい事が出来てしまった。…え、マジで?

羽前京香
人外の領域に片足突っ込み始めた人
本人は自覚が薄いものの、この人も中々酷い
今の段階ではノッてる時しか出せないがその内平時でも出せるようになる

東風舞希
主人公の影響をそれなりに受けている人
主人公のシスコンぶりの為、本作では娘を思う気持ちがちょくちょく見られる人。ただそれはそれとして厳しくする事もある。日万凛とお話したいと思っていたが振られてしまい、ややテンション下がった。作者はまだ天井が見えていないこの人の強さなら盛ってもいいと考えてる。

東海桐花
主人公に明確に嫌われている人
東家の内情の約8割がこの人仕業のため主人公から殺意を向けられている。当の本人は強い孫に満足7割生意気過ぎて怒り3割くらいになってる。

東麻衣亜
お兄ちゃん大好きっ子その3
兄の事は一番よく理解していると思っているタイプの妹。八千穂好きにお兄ちゃん好き属性が追加されている。因みにVチューバー活動についてはお兄ちゃんはメンシプは勿論、赤スパを一配信につき必ず投げている。

東誉
お兄ちゃん大好きっ子その4
お兄ちゃんに対して典型的なツンデレっ子になる妹。実は原作より東家への恨みや執念はかなり減っているお兄ちゃんセラピーの受講者。ただし、日万凛に対しての感情は別ベクトルになってる。

神奉者
何か早い段階で内通者バレしそうな人達
原作だと総組長選挙後にようやく発覚する人とかいるはずなのにお兄ちゃんの察しの良さで想像以上の速さでバレそうになってる。何だアイツ、ふざけやがって、あのゴリラ(辞世の句)




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