プロローグ
人は人の世で生きている限り『世界の理』に縛られる。
手も触れずに物を動かす事も、道具も無しに火をおこしたりもできない。
有史以来、その叡知は数々の神秘を解き明かし、大量に存在していた『できないこと』の多くを克服していった。
ぞれでも人間が成し得ないことは多い。
『世界の理』に縛られている限り、人はその理の中でのみ存在を許されるのだ。
だが、一部の人間は――世界の理に反する者たちは『魔』を学んだ。
『魔』とは世界を構成する要素と真逆のもの。
通常生まれ得ない存在や現象を引き起こすためのもの。
俗に、鬼、妖、怪異などと呼ばれるものは全てこの『魔』による仕業だった。
彼らは手を触れずに物を動かす術を気の遠くなるほど長い期間学び続けた。
道具も無しに火をおこす方法を禁忌とされる手法から編み出した。
空を飛ぶために異次元の技術を取り入れることすら躊躇わなかった。
時間を超えるために人間よりも高次元の存在に交信することですら恐れなかった。
通常の人では実行出来ない、狂気とも呼べる実験や研究の結果。
近年ではついに、魔道と呼ばれる学問が成立するほどになっていた。
『世界の理』から最も離れた大いなる『七つの大罪』。
『
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人が生きる上で律するべきこれらの罪こそが『魔』に結び付くためのものであった。
それら七つの大罪を『
そんな魔道士たちの中で、更に魔道の究極に達した七人。
彼女らのことを『トリニティセブン』と呼んだ。
ならば、文字通り『異世界』を駆け回り、『
少女『寄車むげん』は『何』と呼ぶのか?
彼女は『転生者』にして『異邦人』。
『魔人』か?
それとも『魔神』か?
まあ、いずれにしろ…
その瞳には何が写るのか?
ともかく、物語の始まりだ。
きしし。
その通りだ。
さあ、物語を…
物語を始めましょう。
デタラメを入れて…
語りを遮りながら… ゆっくりと一つ一つ…
風変わりな出来事を打ち出して…
可笑しな物語を…
歪んだ国の物語を…
可笑しな物語を…
紡ぎましょう。
育みましょう。
きしし。
精一杯楽しむとしようかね。
きしし。
きししし。
きしししし。