「ガッ………ガ、ぎ、……ギ、きさ、」
余裕綽々で私の矢をキャッチしていたネプは爆炎に包まれて黒い煙の中からゴロゴロと転がりながら出て来ていた。
矢を持っていた腕は無くなっており体も煤が付いており、その姿は正に無様というしか無いだろう。
「き、サマ「ふん!」ッガ!?」
勿論そんな隙を見逃す訳もなく私は立ちあがろうとしたネプの顎をカチ上げる様にリカーブボウを振り上げる。
「リラ」
「OK」
短い掛け声、だけど私とカリンの仲ではそれだけで何がしたいのかはよく分かる。
また立ちあがろうとしたネプに肩車の様に乗り足で首を巻きつけ体を少し捻る
その時、サメ型のロボットが向かって来ていたが直ぐに矢を取り出し電撃矢で沈黙させる。
私の筋力と体重だけでは機械の体を壊す事は出来ないが、体制を崩す事は出来る……そしてそんな崩れた体制で
「次は外さない」
カリンの狙撃など避けれる訳も無い
右足を撃ち抜かれ殆どボロボロになってネプを地面に叩きつける様に蹴りを入れながら跳躍しカリンに向かって飛んできているロボットを空中で撃ち抜く
「ありがとう」
「そっちこそナイスショット」
カリンの隣に着地しお互いに軽くハイタッチをした。
最初ネプと戦った時より襲ってくるロボットの数が異様に少ない
やっぱりロボットの制作数に上限を決めてて正解だった……もし設定していなかったらと思うと…………ミレニアム内で処理出来ていただろうか?
「ギサマ、!何、をした!!」
爆炎で喋る為のスピーカーがやられたのか少しガビガビな声を響かせながらこちらを睨んでいる。
恐らく炸裂矢の事を言っているのだろう………ネル先輩からの通信も来ていないし此処は時間稼ぎに付き合うか
「貴方が食らった矢が本来の炸裂矢の威力だよ、破片でダメージを出す手榴弾とは違って爆発の威力でダメージを出す矢……鏃サイズなのにかなり強力だから此処ミレニアム内だと色々と危険だからいつもは威力の抑えた炸裂矢をセットしてるの」
ミレニアム内では精密機器がかなり多い、まぁ最先端技術が集まる学園なのもあるが……爆発事故も割と多い(その大半はエンジニア部)為、もし巻き込まれて背負っている矢筒の中にある炸裂矢に引火した場合……私程度では大怪我は免れないだろう。
その為威力を三分の一に抑えたのをセットしており、こんな風に予めに戦闘がある時には通常のに変えている。
今回は相手がAIという事とヴェリタスにより生徒の情報が最初に戦った私と保安部のメンバーしか無いという状況を読みあえて威力を抑えた矢も持って来たが、作戦は成功だった。
「そ、そういう事か…‥たが良いのか?時間が掛かればかかる程私は優位になって「いや、無理でしょ」なんだと?」
「あまり言いたく無いけど……貴方程のハッキング余裕で変える存在は此処ミレニアムに居るのよ」
『はい、それがこの超天才清楚系病弱美少女ハッカーこと明星ヒマリです』
通信から聞こえて来たのはミレニアムサイエンススクール史上3人しかいない学位である【全知】の称号を持ち…その技術は会長にも匹敵する存在。
そして私があまり好ましく思っていない先輩である明星ヒマリだった。
「…‥少し遅く無いですか、明星先輩?」
『何を言うのですか、こう言うのは出るタイミングが肝心なのですよ?それに…もう終わりですから』
その言葉通りに、此方に向かって来ていたロボットは動きを止め地面に打ち上げられた。
「お、押し負けてるだと!?…バカな!アレだけの数を一体どうやって!!」
『ふふ、Optimus Mirror System……通称【鏡】はどうですか?何せこの100年に一度の天才である私が作ったハッキングツールですからね』
「そんな凄いツールならネプもハッキングして下さいよ」
『……まだ試作段階レベルのを今のヴェリタスにも匹敵する相手に余裕で勝てるまでに作り上げたこの降り落ちる雪すらも触れることを躊躇うほどの美しさを持つ私を褒めるのが先でしょう、それにネプをハッキングしたいなら貴方の持つソレを当ててくれれば直ぐに出来るんですよ?』
「ハイハイ、ソーデスネー」
今の状況でハッキングで負けるとは思っていなかったネプに向かって秘密兵器であるとある鏃をセットし装甲が剥がれコードが剥き出しになっている箇所に放った。
パーツが破損していた事、そして認めたく無いが明星先輩のハッキングされない様に処理を割いていた為か避ける動作が遅れ、吸い込まれる様に当たった。
「ッ!こ、コ、ココレわ、!?」
「戦闘も含めてミレニアムの天才は4人いると思ってるの……この矢はその内の3人が関わっている秘密兵器」
ネプに打ち込んだコレはハッキング矢である
ヘリに乗る前にウタハ先輩から渡されていたのだ、コレの設計図とソフトウェアを作ったのはミレニアムサイエンススクールのトップであるリオ会長だった。
マイスターの名の中でも優秀と言われるウタハ
科学者、技術者としても優秀であり総合評価を見ればミレニアム内にてトップであるリオ
今代の全知を持つ、天才と言わざるおえないヒマリ
「まぁ、自信を持ってもいいんじゃない?……ウタハ先輩は兎も角、会長と明星先輩が手を組んで事にあたるほどの事件を貴方は起こしたのだから」
『聞こえるか!こっちは掃除管理だ!借りを返してやんな!』
悔しい事に、私じゃ出来ないことをこのネプはやってのけたのだから
少し離れた作製機を
倒れて痙攣する様に機械の体を震わせているネプに近づき矢筒から矢を取り出そうとする
ラスト一本、なんとかやりくりしていたが……どうにかして矢を多く持てる方法でも考えるか
「ギ、ギ…ま、る、ざ」
「許さないとか言ってるのかもしれないけど……それはこっちのセリフだよ」
ネプに向けて弓を向け付けてあるレザーサイトをその眉間に当てる。
まだ日は高い時間の中、ミレニアム内を割と騒がせた事件はその幕を下ろした。
「久しぶりのタッグだったけど、疲れた…それにお腹も空いてきた」
「それなら、いいお店知ってるよシャワルマ屋なんだけど」
「聞いた事ない……どんな食べ物なの?」
なんて他愛も無い話が続くが、花のJKの様に話が続いたのは此処まで……この後はC&C+私で無言でシャワルマを食べていた。
「そんな事があったんですね」
「うん、まぁ…かなり大きい事件だったから知らない人なんてあんまり居ないんだけど……」
「その時はリオ様からの物資調達をしていたかと……」
「あー、確かにある程度この場所も完成していたとはいえレアパーツ等は取り引きで調達してたんだっけ」
「しかし、コレが出来てからは多少楽になったとリオ様も言っていました」
過去話をしながらトキと一緒に無人の都市を歩いていた。
私とトキは表向きには交流が無い事になっている
まぁそもそもトキの存在自体知っている人はかなり限られているのだが、それでもバレる訳には行かない。
そして基本的にミレニアム内で監視の眼が無い場所なんて殆どない
それこそ立ち入り禁止である廃墟ぐらいだろうが、そこでも完全では無い。
となると、安心してトキと話せる場所は1つだけ……それが要塞都市 エリドゥだ。
そして今目の前に大きな稼働音を響かせ部品を量産しているコレは件の発端の一つである海洋生物模倣ロボット作製機…のパワーアップバージョンだ。
「海洋生物研究部とそのプレジェクトを話している内にこの機械はリオ会長の手助けになると思ってね、私なりにアップグレードした設計図を作ったんだ」
そのおかげなのかあまり分からないのだが、リオ会長曰く作業スピードが速くなったらしい。
元々ほぼ完成していた為私には分からなかったが力になれた事に嬉しさを感じていた。
はい、駄文になってしまいましたがオリジナルストーリー(?)完結です。
自分としましてはあんまり上手く出来なかったなと思いましたが…此処まで読んでくれてありがとうございます!!!
あ、勿論この後も続くのでお楽しみに〜