あの怪我から3日後、怪我も大分治り後は少し大袈裟に巻かれた腕の包帯を取るのみとなっていた
今日の夜軟膏を塗り一晩寝れば完全復帰となるだろう。
そして今私はミレニアム校内にある大きな教室を借りて会議に参加しており、そのメンバーには新素材開発部長、海洋生物研究部長、ヴェリタスから先輩にあたる部長代理の各務チヒロさんそして……
「うん?チッ、ビリじゃねぇかよ」
「それは部長が遅刻した際の補習のせいですよ」
「わーてるよ!悪かったから此処でバラすな!!」
C&Cから部長である【約束された勝利】こと美甘ネルと室笠アカネが会議のドアを開け入ってきた。
正直言ってここまで大きな事になるとは思わなかったし、本来なら保安部のメンバーも此処に来るはずだったのだが…………
「皆さんお集まりいただきありがとうございます、これより奪われた作製機と犯人である個体名ネプが引き起こした事件について話していきます」
部屋の中が暗くなりみんなの座る座席の中心に置かれた3D映像機の電源を入れ盗まれた作製機とネプの写真を映し出した。
「3日前水族館プロジェクトのメンバーで海洋生物模倣ロボット作製機にて第一号ロボットを作ろうとした際、データに無いロボットが作製され己の事をネプと名乗り作製機を奪っていきました」
海洋生物研究部長の顔が暗くなり俯いてしまう、つられてしまいそうたがしっかりと自分を律して3D映像機を操作する。
「ネプの目的は此処キヴォトスの破壊と言っており、セミナーはこの状況を重く見て保安部とヴェリタスにネプの行方を追わせいたのですが」
「此処からは私から話すわ」
声を上げたのはヴェリタスの部長代理の各務チヒロさんだった。
「ネプは廃棄工場に向かったのを確認したわ、どうやら廃棄された部品を使ってさらにロボットを作っているみたいでそれを止める為に私達でハッキングしたんだけど、ある程度したら完全にシャットダウンされてハッキング出来なくなってしまった……でも場所は割り出せたから保安部に伝えてたんだけど」
「そういやぁ保安部が誰もいねぇじゃねぇか………まさか」
「向かわせた保安部の皆んな負けて今は治療を受けているわ……しかも治療を受けているメンバーは保安部の精鋭だったから今はミレニアムの治安維持で精一杯でこの会議に来れなかった」
私もこの情報を聞いた時は激しく動揺してベッドから飛び出してしまうところだったのだが……ユウカとノアに止められてしまった
歯痒さが堪らなく私の心を蝕んでいく中、会議はどんどん進んでいく
「それでハッキングした時に分かったんだけど、どうやらネプはデータにあるロボットを作ることは出来ても新しく設計したロボットは作れないみたい……海洋生物模倣ロボット作製機って名前は割と言い得て妙ね」
「よ、よかった……リラにそのプログラミング頼んでて」
そう、実はあの機械に新しくロボットのデータを入れるには私と海洋生物研究部長の2人の承認が無ければ入れられない様に作っているのだ。
ちなみに2人のどちらかの指紋認証と網膜スキャンが必須である
そして一つの疑問が生まれる…何故ネプは自分しか人型のロボットを造らないのか?
私もまだプログラミングに詳しい訳では無いが、恐らく料理人ロボット枠として作られたのだろう。
「料理人ロボット枠ぅ?なんだそれ」
「あの作製機にはロボットを作る上限とその役割が決められてる……そうじゃないと何かあった時に素材があれば無限に作り続けてしまうから、そして人型の設計データにはまだ入れてなかったんだけど役割に料理人ロボットとして入れ込んでいたからネプは廃墟のロボットの様に人型なんだと思う」
「それじゃあの青いグレネードみたいな武器はなんなんだ?」
「あの時は分からなかったけどアレは警備ロボットの武器の一つね、新しく設計データは入れられないけど既存のデータにある警備ロボットを中途半端に製作して組み込んでいるんだと思う」
この抜け道のせいで本来なら警備ロボットの作製上限数を超えて生産できるだろう…何せ水族館の展示枠数も含めて武装したロボットが作れるのだから。
「保安部との戦闘の時はまだ既存の警備ロボットだけだったけど、時間が経っている今どうなっているか分からないわ」
「なら決まりだな」
その声と共に座っていた椅子を傾け足を組んで自信満々に口を開くのは
「今日中にそこん所行ってソッコーでシバく、それで解決だろ?」
「ま、まぁ……それが、1番ではあるけど」
「なぁに心配すんな、
「はい」
「お前、リベンジマッチしてぇんだろ?……一緒に来な」
「ッ……はい!」
「向こうが受信をシャットダウンしてるからハッキングは出来ないけど、私達ヴェリタスでオペレーターするよ」
全く、何かのリーダーってのは人を乗せるのが上手いという共通点でもあるのだろうか
此処に、ヴェリタスとC&Cそしてセミナーの3つの組織が手を組むミレニアムでのドリームチームが誕生した。