隠秘実存フルコース:二十二世紀オカルトパンク・アポカリプスの生存記録 作:sakigake2004
「さて、黄金の誘いをどうしたものかな。」
「どうするもこうするも、答えはノーだろ、俺達で月の石を競り落とせればそれで済む話だ。」
ライトが断言するけれど
「アイテールの刺客の話を忘れたのか?どう考えてもオークションがそれだけで終わるわけない、競り落とせてもマガツが奪いにくるのは明白だぞ。」
ツルギさんがそれを否定する
「アイテールと言えば、アルゴスがネフィリムを抱えてたけど議会と同盟を組んだのかな?日本が月の石を手に入れるのを防ぐのが目的らしいし。」
ルシールが言う事は理にかなっているけれど…
「じゃあなんでネフィリムが抱えられてたの?その理由がわかんないわよ。」
「裏切りとか?」
「…私の前で喋ったアルゴスと口調も威圧感もまるで違った、アレはたぶん別人に乗っ取られてる。」
「誰に?どうやって?」
「そこまではわからん。八咫鏡、異界駅に関するわけだし何か知らないか?」
「なんとなく似た気配なら覚えがあるが…」
「なんだ、言い淀むような内容が今更あるのか?」
「…ギリシャ支社の『タイフーン』に似ていた、気がする。」
「タイフーンって、アレクサンドリアで会ったていうあの?」
「そうだが。」
「…まさか、いや、流石にありえんだろ。」
「また知らない人の話が出てきたけど、どんな人?」
「オラインギリシャ支社営業一課自称最強。自称とは言ったが俺の知る限りでは最も強いオライン営業課。」
「へ〜」
「正直私自身信じがたいが、アルゴスの正体についてそれらしい仮説がある…ティフォンだ。」
「それってギリシャ神話に出てくるやつよね。」
「ギリシャでは神様がそのまんまいるって話か〜…あれ?神話だとティフォンってエトナ山の下で封印されてるんじゃなかった?」
「世間ではそうなってるが、オラインの知る範囲では違う。二年前にティフォンは軽蔑の手によって現代に召喚され、被害が拡大する前にギリシャ支社とイタリア支社を中心とした世界危機対処チームにより討たれている。」
「「…マジ???」」
「大マジだよ。それでその時のMVPがタイフーン、ティフォンから回収された能力をそのまま自分に移植出来るような傑物の中の傑物だ。」
「でもその話だとティフォンって倒されてるというか死んでるわよね、なんでアルゴスに取り憑いてるのよ。」
「ギリシャの神に真の意味の死は無い、現象の擬人化である神々に真の意味の死が訪れるならそれは地球の滅亡と同義だ、まあそれだからティフォンも出来る限りの手段で解体の後に封印されたはずだが…狐火には心当たりがあるらしい。」
「ちょうど
「思いっきり機密情報が漏洩してるが…まあ、それならありうるのか?」
「…ああ、もう!面倒くさい事が立て続けに起きすぎだ!」
「流石に同意だな、だが俺達の勝利条件だけははっきりしてる。」
「月の石一式を手に入れる!その為には…」
ツルギさんが結界を解除すると…
「あ、いたいた!すいませーん!お待たせしました!」
アワブンラク事務所の三人がそこにはいた。