隠秘実存フルコース:二十二世紀オカルトパンク・アポカリプスの生存記録   作:sakigake2004

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9皿目

「待て!その函置いてけ!」

「泥棒に品物渡す警備員がどこにいるってんですか!」

「正論っぽく言ってるけどその品物買うのは悪の組織とかグレーゾーンの奴らだろうが!泥棒とはドングリの背比べだよ!」

「泥棒相手に渡せる理由になってないですからね!」

売り言葉に買い言葉だが、俺がフルスピードで走ってもキルケーに追いつく事は出来ていない。ジェットパックは起動してない、というかこんな狭い通路で使えるわけもない、俺と同じかそれ以上のグレードの強化スーツを着込んでるのか、面倒だが━━━

『フォークロア観測函、起動』『キルケーの毒薬』

「『魔女狩り』っ!」

反射的に切ったがなんだ今の…ワインか?というか今のは誰の宣言だ?

『あーもう!キルケーの投げ方が下手だから当たらなかったじゃん!』

「責任転嫁しないでよ、宣言のタイミングで気づかれたのよ!」

『異界への通信にはタイムラグがあるんですーあたしはそこも計算して宣言しましたー根本的にはそっちのせいですー』

「不貞腐れないで真面目にしてよ!追いつかれたわよ!」

スーツの出力段階を上げてどさくさ紛れに追いついたが、攻撃するのは流石に無理か…そしてこの喧しい声は

「その声は『アテナ』か!無名(ウーティス)警備が持ってる出所不明の高スペックAI、俺達(オライン)と提携してるわけでもないくせに神託(オラクル)級の効果があるだのなんだの持て囃されてる!」

『アンタらみたいな鶏と卵を入れ替えて得意げになってる詐欺師よりはうちの方がよっぽど神だよ!』

「おっと、なかなか口が悪いな、神としての威厳は何処にあるんだ?」

『アンタらの言うような神は死んだよ!死体すら何処にもありゃしない!』

「必要以上に喧嘩売らないでアテナ、後が怖いから!」

今だ!

「せいっ!」

「ぐあっ」

不意打ちが完璧に決まったと思ったが、普通にガードされたな…そしてカウンターで右手の骨が逝ったぞ、俺じゃなかったら痛みで倒れてる!

「格闘戦も出来るタイプか、パンクラチオンか何かか?」

「泥棒に答える義理はありません!」

「正論だな!」

左手で杖を構える、宣言がアテナである以上魔女狩りでキルケーを狙うのは困難だが…俺の勝利条件はキルケーが抱えてるケースの回収、もっと言えばあの中の目録だけ拾えればそれでいい、短期的に無力化するだけなら手段はいくらでも

 

「ここまで来たら最終手段ですね…フォークロア観測函、起動」

キルケーが袖から取り出した小型タブレット端末型のフォークロア観測函を俺の方に投げつける、避け━━━

「『スフィンクス』観測開始!『キルケーの毒薬』観測終了!」

 

 

 

 

 

結論から言うと、俺は若干今回の奇襲対象をナメていた

だからまあ、反省点は大量にあるわけだが

 

これは反省点とか関係なく最悪だ

 

『『子豚』じゃなくて『ワイバーン』の群れをくらいな!』

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