隠秘実存フルコース:二十二世紀オカルトパンク・アポカリプスの生存記録   作:sakigake2004

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フォークロア観測函から解放されたワイバーンによる壁、その向こう側に佇むスフィンクス、そして出口らしきエリアへ進むキルケー、対処、結論━━━

「励起率99%『ドラゴンスレイヤー』!」

投影鏡が破損するギリギリの出力で消し飛ばす…!

ミソクラスト投影鏡はこの瞬間だけあらゆる竜と龍を征服する剣だ、ワイバーンなんてノーモーションで屠殺できる!

「消えたくなけりゃそこを退け!」

俺の体から溢れる光で怯んだワイバーンの壁へ、投影鏡を振り回しながら突き進み、薙ぎ倒す。

「さて…お前はどうしたもんかな…」

ワイバーンが死ぬか逃げるかして、残ったのはスフィンクス。スフィンクスと俺の戦術の相性は最低最悪、ライオン以上の身体能力と人間以上の知性、権威と神秘性による観測強度の高さ、俺だけじゃ倒せないし無視して通り過ぎるのも出来ない…ん、スフィンクス?

「オルフェ、繋がってるか?」

(あ!ライト、今どこにいるの!?道がぐちゃぐちゃになっててわからないんだけど)

「それはどうでもいい、カリオペーを起動してクイズとその答えを出せ、テキトーでいい、出来るだけ早く」

(は?クイズ?えーと…)

 

「スフィンクス!俺のクイズに答えろ!」

スフィンクスは俺の方を向いて黙っていた、ギザのピラミッドの近くにあるアレとデザインが同じだから通じるか怪しかったが、大丈夫らしい

「朝には四つ足、昼には二本足、夜には三つ足で歩くものは何か。その生き物は全ての生き物の中で最も姿を変える。」

『人間』

即答だったが、かかったな

「答えは『そういう実在隠秘存在(リアリティフォークロア)』だ!この答えはムーサのお墨付きだぞ!」

どうなる…

『…』

止まった!

「よし、クイズを仕掛ける側に回った上で無茶苦茶なアンサーを代入すれば機能停止に持ち込めるのが判明したな、開発課に改善案を出しておこう」

(そんなのあり?クイズってこういうのじゃないと思いながら考えたのに?)

「カリオペーの所有者という属性のおかげだろう、そのレベルの条件を満たすのは滅多に起きないから、こういう事もある」

スフィンクスに謎掛けを教えたのはムーサだという話もあるからな、まあこんな裏技が二度も三度も使えたらオラクル&インサニティは終わりだよ、終わり

 

「さて、もう逃げられないぞ、アイアイエーの女神」

出口の直前でようやく追いついた、ここから外に出る為には『異界駅』を起動して離脱を宣言しなくちゃならない、アテナによる代理宣言はこれには使えないのかはたまた使ってないのか…真偽はわからないが目録を回収するなら今が最後のチャンスだ

「残念ですけど、私は女神じゃなくて人間ですよ」

『神扱いするなら私の方にしな!』

五月蝿いAIを無視すると近接戦闘では互角、アイギスの防御力を加味するとこっちが不利、やるなら遠距離攻撃、しかしよりにもよって無視した五月蝿いAIの存在によって魔女狩りは対策される…

「『神明裁判/虚像』『最後の錬金術師』」

異界駅全体を閉鎖空間と見做し神明裁判を起動、すかさず最後の錬金術師により神明裁判で付与した『竜』のレッテル貼りを延長、神明裁判は範囲の広さでもう解けた、これで『ドラゴンスレイヤー』がどこまで効くかはわからないが、やるしかない

「アテナ!」

もう遅い!

「『神話破壊者(ミソクラスト)』強制照射!」『『異界駅』離脱!』

 

 

 

 

 

「うぐぐ、痛え、じゃない、アイツどうなった…」

異界駅とか魔女とか竜とか全て纏めて照らしまくったから、なんかしらのダメージは入ってる筈だが…クソ、右手が折れてるの、面倒だな…

「あ?どこだここ…街中?」

ここは…アレクサンドリアの再開発地区か、あのビルというか祭壇の建設エリアだな、異界駅のど真ん中をぶち抜いて現れるのがこことは、意外と街の定義と駅の構造がそのまま対応してるのか?

『キルケー起きな!八咫鏡が起きたよ!逃げないと!商品ぐらいは守り抜くんだよ!バカタレ!』

「はっ、馬鹿とはなんですか馬鹿とは!ってそうじゃない、逃げなきゃ」

「逃すか!」

クソ、歩けない、異界から移動した時に両足も折れたのか?最悪のタイミングだ!

 

「さよなら!また会う日は━━━あれれ?」

ジェットパックを起動して飛び立とうとしているが、キルケーは一歩も動いてはいなかった

「あれ?なんで?スイッチは、あれ?」

気づけばキルケーの体は空中に浮き出していたがジェットパックは一切反応していない、身振りの反動で浮かび上がるような…

「『極地環境、第五元素』観測終了」

「うわっ」

キルケーは空中から地上に派手に落下した、宇宙空間を再現するアプリでジェットパックが機能しなかったらしい、アイギスのおかげで怪我は無さそうだが。そもそも今のは…!

「ジェシカさん!どうしてここに?」

「実は貴方の背後まで来ていたんですよ、気づかぬままに異界から現実に戻って来ましたが」

目にも止まらぬ速さでキルケーを拘束しながら説明してくれた

「そうでしたか、気づいておらず失礼しました!」

「それよりも、この目録ですね」

「あ、ちょっと、足で触れないでくださいよ、うわ!」

ジェシカさんがキルケーが持っていたケースを蹴りでこじ開ける、解除コードを無視して力で開けるとは、なんのアプリなんだ。

「『アキレス唯一の弱点』と言えばわかりますか?単純な応用ですよ」

弱点を設定してその分他の部位が強くなるアプリ!何を弱点にしてるかはわからないがその分身体能力を上昇させたのか、シンプルながら応用の効く使い方だ。

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