隠秘実存フルコース:二十二世紀オカルトパンク・アポカリプスの生存記録   作:sakigake2004

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3皿目

「さて、私達が結界術の調整に時間を取られていたこの数日の間に、この街はずいぶん様変わり…していないではないか!どうなっているのだ!『外なる神の使者』!」

アレクサンドリアのとあるビル、その最上階のとあるオフィスで激昂しているのは本来は金髪だったのを無理やり黒く染めた髪と病的に黒い肌をした壮年の男性、アレクサンドリア市長、シリウス・ポール

「私に聞かれても困るよ、この計画は君のだし、私が出せる予言だの神託だの大した事ないのは知ってるだろ?」

対するは短く切りそろえた黒い髪、『日本人形』と言える様なそうでもないような、見る人によって印象が変わりそうで『美しい』という評価だけは一貫していそうな年若い女性、アレクサンドリア遺跡発掘に呼び出された考古学者、依神ニャルラ

「オラインの連中が君の計算より早くやってきたか、軍の買収が上手くいって無かったか、人が普通に移動してるから前者だね、まあ君が知らないだけで私は知ってたんだけど」

「計画の修正は不可能だ!もうすでに儀式は終端に来てしまっている、始まってもいないのに!」

「オラインのやつらが始まる前に目録を全部集めたんだよ、オラインが擁立した巻き込まれ一般人が自動的に勝者になって、儀式はもうムーサの降臨とそれによる目録の完成しか残って無いわけさ」

「死者も怪我人もまるで足りないではないか!これでは供物が足りぬ!『ムー大陸』復活の為の世界の歪みが!」

「…それ本気で言ってたの?てっきり日本の『シリウス教団』事件みたいに引っ掻き回すだけ引っ掻きまわしてまた逃げる気だと思ってたんだけど」

「この世界をひっくり返して真実の知識を得る、その悲願の為に金儲けや興味のない選挙活動までしてきた、今更逃げる気など無い!私も貴女の様に『外なる神の使者』になって知識を得たいのだよ、その為にわざわざ召集してここに来てもらったのだから」

「召集というか誘拐だし、そんなアホみたいな儀式で神が降臨するわけないのに…で、勝つ算段は?」

「逆に聞こう『外なる神の使者』よ!どうすればここから勝てる?」

「我らが神に祈りでもしたら?」

「祈って答えてくれる様な神であるはずが無かろう!」

「面倒だなこの人」

ニャルラは心底面倒くさそうにしながらポケットを漁った

「エジプトの支社長が出てこないだろう事を前提にするけど、このアプリさえあれば万にひとつぐらいは勝ちの目もあるかもね」

そう言って取り出したのは不気味な装飾の施されたフォークロア観測函と凧形二十四面体の黒い宝石だった

 

「『輝くトラペゾヘドロン』って言ったら、君でもわかるね?」

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