隠秘実存フルコース:二十二世紀オカルトパンク・アポカリプスの生存記録   作:sakigake2004

37 / 44
7皿目

「━━━━今度はこっちが手札を晒そうか『后羿、スサノオ』伝承並列接続(ロア・パラレルコネクト)

青年が手を振った瞬間、炎が掻き消え

「っ!『ンガイの森の焼失』夢想再演!」

少女の宣言によって再び立ち上る

(太陽に影響を及ぼす隠秘(オカルト)、それも極めて強力な神話の二種同時使用、これは炎の原典が恒星級邪神である事を完全に見切っての選出…想像以上の驚異!)

「━━━━そもそも精神攻撃とかは割と慣れてるんだが、これじゃあ千日手かな…よし!提案がある!」

「何?」

炎に包まれながら、青年はなんでもないような口ぶりで語る。

「━━━━このまま順番に手札を晒していっても別に構わないが、そっちも微妙にやる気が無いようだしここは一つ、お互い差し出せるものを差し出して手打ちという事にしないか?具体的には次の一撃で勝敗が決まればそのままお互いやりたいようにやる、引き分けならなにもせずにお互い帰るって事で。」

(時間は短く済む、リスクも釣り合ってる、だけど、信用ならない。)

少女はしばし思考し、そうしている間に不意打ちがなかったことである程度の信憑性を確認した。

「…対価次第。一応聞いてあげますが、何を差し出せます?」

「━━━━僕の必殺技の情報ってのはどうだろう」

「つまり、私も必殺技を出せと?」

「━━━━そうだね、もっとも君が『戦闘系隠秘使い(オカルティスト)が必殺技とかの区分けをするのは二流』という思想なら話は別だ。」

「ふむ…」

少女が思索に耽るふりをしても青年は動かなかった、そしてその間も青年は炎に包まれていた。

「いいでしょう、必殺技でも使用隠秘(オカルト)でも、問題ありません、そもそも貴方が負けるので。」

「━━━━随分な自信だ、後悔しないかい?」

「自信は存在の本質で、存在とは即ち後悔です、つまり、今更ですね。」

「━━━━なるほどね。」

 

 

 

「「フォークロア観測函、起動」」

二人が観測函に触れると同時に、青年を覆っていた炎が消える。

「王者、英雄、冒険、伝承原型解禁(ロアアーキタイプ・リミットブレイク)

青年の手から光が溢れ出し、PDWがあったはずのその手には現代的な弩が握られていた。

「霧、混沌、闇、夢界源流遡行(ドリームランド・オーバーライド)

少女の手に握られていた短刀は溶け落ち、物理法則を無視して白く輝く王笏へと変わる。

 

 

 

「『ギルガメシュ』!」

「『アザトース』!」

 

 

 

弩から放たれたのは創造者を傷つける唯一の叡智。

王笏から溢れたのは被造物を嘲る無限の白痴。

古代の神話隠秘と現代の神話隠秘のぶつかり合いは、すぐさま致命的な影響を及ぼした。

本来この地下に存在していたあらゆる隠秘(オカルト)実在(リアル)が弾き飛ばされ、上書きされていく。

そして最後に立っていたのは━━━━

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。