隠秘実存フルコース:二十二世紀オカルトパンク・アポカリプスの生存記録 作:sakigake2004
「世界を救うったってどうするんだよ、そもそも何で世界の危機なんだ。」
「『何故』なんてのは無粋な話だ、ギリシャ支社の災害予測システムは人間にわかるようにはできてないからな、理屈を考えるだけ無駄さ。」 ギリシャ支社の情報は俺との神話体系の違いもあっていまいちピンとこないんだよな、まあ『お天道様が見ている』のはわかるんだが。
「それで、オルフェ、ユリディス、どうしたい?」
「どうしたいって…」「何をですか?」
「お前たちに今の通話を聞かせた意味として、今回の世界の危機は99%目録に関する儀式が関係してる、センパイの送ってきたデータにもそう書いてあるからな。そこで、俺たちには選択肢がいくつかある。」
「その一、エジプト支社やチームの他メンバーが解決するのを待つ、あるいは手伝う。このパターンなら全てが穏便に解決し、俺もボーナスが貰えるだろう、ただしお前らへの報酬は保証できない、協力者への報酬はエジプト支社次第だ。」
「その二、他の奴らをだし抜き『俺だけ』で世界の危機を救う、リスクは高いがその分ボーナスはたっぷり出るだろう、ただしこれもお前らへの報酬は保証できない。今すぐその函を買い取ってくれと頼まれれば別だが。」 「じゃあ…」
「まあ待て、そしてその三、他の奴らをだし抜き『俺たち』で世界の危機を救う、『カリオペ』の制御権をまぐれでも持ってる『オルフェ』の参加は俺のリスクを大幅に下げるだろう、報酬交渉も俺が会社に取り合ってやる、ただしこの場合お前らのリスクは最低でも500%増しだ。」
「個人的には最後の選択肢はオススメしない、エジプト支社名義で断りを入れてきたって事はそれなりの事情があるってことだ、きっと一筋縄では行かない、どうする?」
悩んでる…いや、割と決断はできてそうだな?ただユリディスを気にしてるのか、というかこいつらどういう関係なんだ?友人?恋人?さっきは誤魔化されたしな、ちょっと気になってきたぞ。
「金は欲しいし、街がどうなろうと知ったこっちゃじゃないけど、世界が滅んだりするのは困る、でも…」
━━━ゴンゴンゴン!
あ?人が人生の決断をさせてるのに…タイミング悪いな、来客、いや違うなこれは ━━━ドン!
「見つけたぞクソガキども!」
「やばい!逃げるぞユリディス!」 「おい!」
あいつら函持って勝手に逃げやがった!商談の途中だろまだ!
「なんだてめえは、あのガキどもの保護者か?」
なんだこのいかついチンピラは、あいつらの知り合いか。
「そっちこそなんだ、こっちは商談の途中だってのに。」
「商談?まさかあの函をあいつらから買うってのか?ふざけやがって、あの函は元々うちのシマで見つかったもんだ!それをあのクソガキどもが盗んだんだ!」
なるほどな、盗品だとはわかってたが…タチの悪い奴らから盗んだのはまあわかってたがこれほどとは。
「なんだ、文句あるのか?これは俺たち『戦いの旗』の問題だ、部外者はお呼びじゃねえんだ帰ってろ!」 お、俺が誰なのかもわからずナイフをむけてきた、ふむ…
「まあ、そういう事なら話は早い。」
「あ?何言って ゴッッ 「うん?加減間違えたか?」
殴るなんて久しぶりで強くしすぎたかもしれん。 「痛ってえな、何しやがる!」 「何ってそっちが先に武器を向けたわけだし、何よりあれはこっちの獲物だ、下がれ三下。」
「てめえ…やっちまえお前ら!」
む、数の暴力とは、チンピラらしい行動だ。
『ミソクラスト投影鏡、自動起動』「『デウス・エクス・マキナ媒質』励起率60%『神明裁判』強制照射」
━━━あたり一面が炎に包まれる
「うあっ、炎があつ…くない!」
━━━それはチンピラも俺も傷つけたりはしないが
「いいいい痛い!!」 「「いたいたいたいいいいい」」 「うああっ!」
━━━ただひたすらに痛い。俺はもう慣れてるが。20秒もすればチンピラ達はもう気絶していた。
「やはり人間相手はこの手に限る、人は痛みには勝てない。」