隠秘実存フルコース:二十二世紀オカルトパンク・アポカリプスの生存記録   作:sakigake2004

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4皿目

「変身した!」「でかい狐だ!」「狐にあんなに足や尻尾があるかよ!?」

「狼狽えるな、冷静に対処しろ!」

 

『さて、リンチ中みたいだけど、通報?戦闘?それとも弁明?私今めちゃくちゃ気が立ってるから、私の思った通りの事だったら遠慮なく半殺しにするけど。』

三メートルほどの巨体の化物が口を開くと、おどろおどろしい女性の声が聞こえる。

 

「…別になんという事も無い、仲間内の問題だからな。」

 

「ああ、誰でもいい、助けてください!」

 

「黙ってろ!」「口を縫ってやったっていいんだぞ!」「目を抉る方がいいか?」

 

『私の思った通りみたいだね、怪我したくなきゃそのみっともない男と…そのケースも置いてきな。』

 

「いいだろう、ほら。」

「いいんすか!」「こんな得体の知れないやつに!」「俺たちが言えた義理じゃねえな?」

 

「黙れ!…お互い命拾いしたようだな。そっちの狐に感謝するといい」

「ひいっ!」

男はそのまま気絶し、怪人と怪物達は不満げな声を出しながら夜の闇に消えていった。

 


 

「で、今の聞こえてた?」

電灯や月の光が突然消え、静寂と暗闇だけになったその時、再びオイルライターの炎が点り、掻き消え、通信端末を持ったツルギと

 

「バッチリです…今の人って…」

タロウが現れた

 

「『軽蔑』の首領、『盲信』の縷々不苦(ルルフク)だ。」

レンの分身も合流した

「頭のおかしい通り名だよね、新人君はちゃんと覚えてる?」

「はい、8人の筆頭と無数の配下組織で構成された世界的犯罪者集団、2年前の無名(ウーティス)警備との戦闘を最後に組織は壊滅したとされていましたが…まさか復活したんでしょうか。」

「違うね、『盲信』はそれよりもずっと前に各地の自警団や対抗組織の連合との抗争で死んでる、アレは出来のいいコスプレか、『盲信』への市民感情から生まれた未詳擬似隠秘(アンリアルフェイクロア)、もしくは両方かな。」

 

「だが『ゾンビ』の運用方法が同じだ、生きた人間をゾンビに変えて操作する、異常な認知が齎す悪用。」

「どうやって調べたのそれ。」

 

「ちょうど一人捕まえてきた」

「もがっもがが!」

もう一人合流したレンの分身が、拘束された怪物を連れてきた。

「こいつの抜けた分は?」

「俺の分身にこいつに似せた服を着せて紛れ込ませた、同期を切ったから数時間後には消える。」

「やるじゃん、じゃあお顔を拝見っと。」

 

ボロ布を剥ぎ取られた怪物は、血色は悪いが確かに生きた人間であった。

「あれ?この人どこかで見た記憶がありますよ…」

「新人君、本当かい?」

「はい、確かこの辺に…あ、ありました、先日アワブンラク事務所とやり合って問題になった地元の珍走団のメンバーです。」

タロウが端末を見せると、そこには頭に灰色の羽を生やした少女に蹴られている、珍妙な格好をした人物の姿があった。

「確かにこいつだね、ふむ、地元民の徴集は軽蔑のメンバー収集方法に似ているとも言えるし…そういえばこの事務所の次の担当は新人君だったね?」

「はい。」

「ちょうどいい、明日は新人君の顔見せとこのゾンビもどきの事情聴取をそこでやろう、それと…この無礼者をここに放っておくわけにもいかないし連れて行こうか、地元民同士でしか知らない事情もあるかもだからね。」

気絶した男とゾンビもどきを足蹴にしながら、ツルギはニタリと笑う。

 

「家族への顔見せはいいのか?」

「いーんだよそういうの、どうせみんな家か畑にいるんだし、じゃあ早速今日の宿に行こうか。」

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