隠秘実存フルコース:二十二世紀オカルトパンク・アポカリプスの生存記録   作:sakigake2004

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「ライト?『神話破壊者』で異界駅の壁ぶち抜いた『八咫鏡』の八咫来徳の事だよな?」

 

『━━━━そうだ、異界駅に乗り込むなら彼の『八咫烏』と『神話破壊者』は必要だろう。』

 

「待って、異界駅に乗り込むとはまだ一言も言って無いはずなんだけど。

 

『━━━━文脈からすると乗り込む気に満ちてると思ったが?君のことだ、成果を狙って異界駅そのものの制御や討伐に乗り出すのは目に見えてるよ。』

 

「…はあ、そうだよ、なんならそれにミスったから応援を呼んでるんだ!異界駅対策と情報収集が出来る『八咫鏡』を貸してくださいお願いします!!!…これで満足か!?」

 

『━━━━そこまで怒らせる気はなかったが、助けを求められたからには手を貸そう。』

 

「…ありがとう。」

 

『━━━━どういたしまして、ライトが第四十四都市に着くまで…そうだな、1時間は掛かるだろう。今が10時半だから昼前には着くかな。』

 

「なるべく急いで、ロンドンから来たって言う隠秘使いも異界駅に巻き込まれてたから。」

 

『━━━━ロンドンから?』

 

「たぶん仕事、『カタシロ呪術事務所』ってわざわざ名乗ってたから、だけど渡航理由の情報開示は審査待ちだから詳しい事はなんにも。」

 

『━━━━カタシロ…もしかして形代摂理(カタシロ セツリ)の事務所か?』

 

「何、知り合い?」

 

『━━━━ひと昔前の有名人だよ、家族ぐるみで呪物を収集してた観測対象のブローカーで、それなりの武闘派だ、もう何年も前に年齢を理由に引退して国外で隠居していたはずだが』

 

「『ラッキー』ってコードネームの金髪碧眼身長170前後でファッションモデルみたいな服装と『カース』ってコードネームの黒髪黒目身長150前後で古臭いブレザー、両方若い女性だよ、高校生か大学生ぐらい。」

 

『━━━━ふむ、随分と安直なコードネームだが思い当たる節が無いな。しかし国外の事務所がこっちの業務に混ざるとなるとかなりややこしいし、対処は早い方がいいだろう、ライトには急ぐよう言っておく。』

 

「…癪だけど、頼んだよ。」

 

『━━━━ふふ、ではまた後で、健闘を祈る。』

 




 

「とりあえず、自己紹介しよっか!」

 

「…外国で異界に落ちたってのに随分と元気ですね『ラッキー』。」

 

「いやいや、こういう時こそ元気でいるべきだよジュ…『カース』!」

 

「はあ…改めましてこんにちは、ロンドンのカタシロ呪術事務所からやってきましたカースです。さっきは殴ってましたけど専門は呪詛返しと解呪です、よろしくお願いします。」

 

黒髪黒目の少女はそう言ってお辞儀をする。

 

「同じくカタシロ呪術事務所からやってきたラッキーです!専門は観測対象の収集です!コードネームじゃない名前は仕事が終わったら教えます!このバッグに付いてるのは私の仕事用の観測対象でそれぞれ「そこまでそこまで」なんで?」

 

金髪碧眼の少女はカースに制止される。

 

「話しすぎ、クライアントの方々を置いて仕事道具のこと話すなんて論外よ論外。」

 

「ああっごめんなさい!どうぞ!」

 

ここまでラッキーとカースのマシンガントークを聞かされていたジュウロウはようやく喋る機会を得た。

 

「はい、私はアワブンラク隠秘事務所の社長を勤めております坂東ジュウロウと申します、お二人の実力は先程の動きを見てほれぼれしたと言いますか、戦いに関しては私共は素人でございまして、何卒よろしくお願いします!」

 

「私はアワブンラク隠秘事務所で事務員を務めている四国ヨシノです、一応戦いもできますけど…」

 

ヨシノの顔には緊張からか汗が浮かんでいた

 

「えーと、不調?現世以外に長居すると自己証明が変になるって言うからね。イギリス人というか私は霊界落下で慣れてるけど。」

 

「そういうわけではなくて…いえ、不調ではあるんですけど…個人的なトラウマとかそういう話なので…皆さんの手を煩わせる事では…いえ実際に戦えてないのは事実なんですけど…」

 

「そういう時は無理しない方がいいですよ。」

 

「ありがとうアイ君、あ、名前呼びしちゃった…」

 

「大丈夫ですよ、僕もヨシノさんでいいですか?」

 

「そうしてくれるとありがたいかな。」

 

「そっちの男の子がアイ君?」

 

「はい、僕は阿波野アイって言います、ジュウロウさんとヨシノさんに成り行きで助けてもらって…僕が払えるものって僕の身柄以外何もないんですけど、それでもお願いします!」

 

「え、めちゃくちゃ真面目じゃん、どうするカースチャン、私らめちゃくちゃ悪どいやつみたいだよ。」

 

「だから偶然に前のめりになるなって言ったのに…」

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