隠秘実存フルコース:二十二世紀オカルトパンク・アポカリプスの生存記録 作:sakigake2004
「もう終わりかけだぞ『狐火』!」
落ちてきた巨大な船から、黒髪の男が飛び降りる。
「うっさい『八咫鏡』!」
茶髪に狐耳カチューシャの女もそれに続く。
『誰かと思えば…オラインからの招かれざる客ですか』
「そうとも、顔を合わせるのは初めてだな『異界駅』」
『八咫鏡』の
オラクル&インサニティー・カンパニー日本支社事業部営業二課課長補佐を務める男。
「どうやってここにまで!?入り口は全部塞いだはずじゃなかったかいスポンサー様!」
「そりゃまあ、
「ええ!」
ライトの背後から甲冑らしいものを着た赤毛で小柄な女性が相槌を打つ
『『キルケー』、なるほど、無名警備の協力を得ましたか。』
『キルケー』
「無名警備…!?ということはまさか!?」
「いかにも!この船こそ我らの故郷、異界航行船舶『イタケー』!」
船の上から、中性的な声がした。
「オデュッセウス…」
『オデュッセウス』
「初めましてフレデリック、そして直接じゃないがお久しぶりですね
『貴女に名前を呼ばれるのはあまり気分が良くないですね。』
「それは、ずいぶん悲しい…『ケルベロス』あの怪物を殺せ。」
「…了解…」
オデュッセウスの背後から黒い影が一つ飛び出し、ここまでフレデリックからの命令がなく立ち止まっていた怪物の頭上へと跳躍する
『グルアア!』
怪物は腕を組んで防御体勢をとったが
『『
無機質な機械音声が聞こえたかと思えば、影の激突の瞬間に怪物の四肢は破裂した。
「一撃…?」マジかよ…』
しかし
「…あれ…任務…未完了?…」
両手両足が弾け飛び、かろうじて生命維持に必要な最低限の機関だけが残った怪物は、それでも立ちあがろうともがいていた。
「…こいつまだ人間だぞケルベロス、殺し切るのはオラインとしてはまずい。」
「…じゃあ…ほっておく…怪物じゃないならいい…よね?…」
「ああ、それでいい。」
オデュッセウスからの了解を得たケルベロスは怪物から目線を離し、マガツとフレデリックの方を向く。
「僕の作品をナめるな!立ち上がれ『因習への軽蔑』!」
フレデリックが激昂し、観測函を握りしめる。
怪物は自分が垂れ流した血を固め、どうにか立ちあがろうとするが
「ミソクラスト投影鏡、起動」
「『デウス・エクス・マキナ媒質』励起率60%『神明裁判/実像』『
ライトの杖から炎が立ち上り、怪物の全身を焼く。
『グアアああああ!」
「なっ!?」
「『吸血鬼』の加工品は社内で散々付き合わされたんでね、一目見れば対処法がわかる。」
『フレデリック、貴方は一旦引きなさい。』
「スポンサー様!肝心の超能力者もオラインも!」
『今の貴方が無名警備と『八咫鏡』を相手する方がまずい』
「逃すと思うのか?」
『私が攻撃すれば逃げるしかなくなりますよ。
全員に緊張が走る。
「不味い!全員船に入れ!」
「え?」逃げるぞ!』あ、ちょっとうわ!?」
「スポンサー様マジかい!?」
気づけば無名警備の戦士たちにアワブンラク事務所の面々とアイは担がれ、船の中に運ばれていった
『----
その瞬間、時が、壊れた