隠秘実存フルコース:二十二世紀オカルトパンク・アポカリプスの生存記録 作:sakigake2004
そんなこんなで、私たちはコニーさんという保護者を得て観測函探しを開始したが…
成果は芳しくなかった。
おばあちゃんの死から三日、発作で倒れてから一週間、時間が経ち過ぎている。
「うーん、なんの情報も出てこないね…」
ルシールはお昼に大量に獲得した缶ジュースの最後の一本を飲み干し、つまらなさそうに公園のベンチに座っていた。
「そんなに足広げるとはしたないわよ…見つからないのは時間が経ち過ぎてるししょうがないわ。」
時刻は午後11時30分、そろそろ帰りのバスもなくなる頃だ。
「探し物をするならそれ用のアプリがあるといいんですけどね、ちょうどいいアプリが手元にありませんでしたから。」
「愛理サンもちょうど契約が切れてるみたいだったからね、こうなったら今からオラインに連絡してなんか契約しよっかな。」
「そんな行き当たりばったりで上手くいく気もしないし、そもそも私の将来がかかってるんだけど。」
「将来と言っても、自分が所長になったら自分で事務所を畳めばいいのでは?法律関係なら私が相談に乗りますよ。」
「それ私も思ってた!どうなの呪理チャン。」
ルシールはともかく、コニーさんはニコニコと…本当にニコニコとしか言いようがない笑みを浮かべている。
「まあそれでもいいけど…あれ?その話、おばさまから聞いたんですか?」
私から話した覚えがない、つまらルシールかおばさまだ。
「ええ、アイリさんからだいたいの事は聞きました。」
「なんていうか、セールス的な話ですか?」
「包み隠さず言えばそうです、私が保護者役なのもこの後の報酬があるからですし。」
「報酬?」
「普通にお金です、後は未来のお得意様とのコネクションですよ。」
「おばさま…はあ…」
何か言おうと思っても、ため息しか出てこない。
「隠秘使いの法律事務所って具体的に何するのか教えてくれます?後学の為に聞きたいんです。あ、相談料とか要りますか?ちょうど手持ち少なくて…」
「私の話でよければしますし、料金も取りませんよ。」
「よっしゃ!」
私と一緒に夜中まで歩いていたにも関わらずルシールもコニーさんも元気だった、どこからこんなに騒ぐ元気が出てくるのだろう?
「とは言っても、隠秘が関わる案件だからと言って特別な事はありません。基本的には隠秘に関する法律に則って裁判や手続きを行うだけです…基本的じゃない部分が聞きたいって顔ですね?」
「うーん、アメリカではしょっちゅう弁護士やら大企業の法務課やらが戦ってるのがニュースになってたよ、うちのおじさんも会ったらずっとその話してたぐらい。」
法務課が…戦い…
「何それ、旧世紀のコミックの話…?」
「残念ながらコミックでは無いですよジュリさん、アメリカではよくある事ですし、イギリスでも珍しい事ではありません。」
「そーそー、よくある事なんだよねえ…ねえね、コニーサンはいままで戦った事ある?」
ルシールは目をキラキラとさせながら、これが本題だったのだ!みたいな気持ちを感じる声で質問した。
この人が戦うところ私はあんまり想像出来ないけど。
「自慢じゃありませんがそれなりにありますよ、そのせいで肉体的に死んだ事だって一度や二度ではありません。イギリスじゃなかったらとっくの昔に私の名が墓に刻まれていた事でしょうね。」
「一番手強かったのは誰?」
「…一番は守秘義務があるので言えませんが、二番目の話なら出来ますよ。」
「どこどこ!」
「アイスランドから来た
法律事務所、とんでもない界隈だ…