隠秘実存フルコース:二十二世紀オカルトパンク・アポカリプスの生存記録 作:sakigake2004
予期
「うーん、こまっちゃったかな。」
一人、狭苦しい部屋の中でつぶやく
私の見えすぎで聞こえすぎな感覚は幾つかのアンサーを見つける
一つはこの国の妖怪
一つは故郷とも異なる異国の神獣
一つはこの国の逸れもの
一つは故郷からの刺客
一つは…神託に選ばれた狂人
「どれも嫌かな…あ、まだマシそうなのみっけ。」
それは
「また?もういいかげん強盗とかやめないかなおねーさん。」
目の前の扉の向こう側には、黒と白と赤と金の混じったけばけばしい髪色の女性がいた、最近ここに押し入ろうとしてた強盗さんかな。
「そういうわけにもいかないんだよね、あーしの目標の為にも黙ってついてきてもらわないと。」
「目標って言ったって、世界を滅ぼしたって何にもならないよ、そんなのわかってるかな?」
「言うじゃん、クソガキ…」
「…そろそろ警備の人が来るよ、何度も言うけど私はやらない、勝手に世界と戦っててもらっていいかな。」
どたどたと、女性の向こう側の廊下から人の足跡が聞こえる、一二三四…数えきれない、つまりたくさん
「いいよ、やってやる、この程度
「『
女性が詠唱したのは珍しいけど大して珍しくない賢者の石へ至らんとする錬金術の理念。
「『
瞬間、女性の向こう側の警備員達がギラギラと輝く金属に覆われて動けなくなった…さっきの訂正、珍しいどころの話じゃなかった。
任意の金属への転化なんて錬金術の理想点そのものだ、エリア51でもここまで出来る人がどのくらいいたか…
「へえ、そんなに出来るのに今日まで手こずってたんだ?」
「なるべく使いたくないのよ、私のやるべき事の為に気づかれるわけにはいかないから、箱入り娘の貴女にはわかんないかな?」
「マジでわかんない、教えてよ。」
「…つまんね、貴女みたいなのと煽りあってる暇は無いわけ、どうするか早く決めて。」
「わかった、せっかくだし着いてくよ。」
そう言って私は、女性が渡す観測函を手に取って
「フォークロア観測函、起動。」
ありきたりな呪文と共に起動し
「それでよし。マガツ、聞こえてる?」
『懐柔に成功した?これまで全く上手く言っていなかったのに?』
「ふん、褒めてくれてもいいんだよ?」
『…葵、死にたくないなら今すぐ逃げなさい。』
「は???」
「おねーさん、ごめんね?」
「『ルナティック・ルール』狂宴開幕」
盛大な裏切りをぶちかました。