隠秘実存フルコース:二十二世紀オカルトパンク・アポカリプスの生存記録 作:sakigake2004
殴る、殴る、殴る…こいつ行動パターンがそれしかないのか?一直線に飛んできて即座に殴るって選択肢の是非はともかく、それ以外の格闘が欠片も無いな
それなら反撃は容易…
「なわけないか!」
「アハハ、楽しいね!」
「どこがだ!?」
くっ、単純に速すぎるし強すぎる!
かろうじて防御が間に合ってるだけでさっきから腕が痺れてる。おまけにずっと頭狙ってきてるからミスれば即死だし。
『長壁』と日牢会が向こうで睨み合ってて助かった…こっちが片付いたら漁夫の利を狙う気まんまんだなアレ。
しかし流石に殴られっぱなしはまずい、ここは無理をするしかないか…!
「『化物』!」
「アハハ、『進化論』!」
私はスーツの袖から巨大な狐の前脚が出現させ、ネフィリムを狙ったけど…流石にガードされるか。
「なんだよそれ、身体強化系って言っても限度があるだろ。」
私の攻撃をガードしたネフィリムの左腕は黒く光っていた。どういう変化だ?見た目だけって訳がないが。
『進化論』…ダメだ、覚えが無い。月の石の所有権を主張する以上アメリカ政府からの刺客なのは確定だけど。
「ふーん、オラインなのに知らないんだ?流石にこのまま初見殺しは興醒めだしさ?説明してあげてもいいんだけどさ?「『化物』」ちょっと!話聞いてる!?」
ネフィリムが私の言葉に意識を向けた瞬間、罠を仕掛ける。
地面に擬態した化けの皮、踏めば足を取られ、避ければ私へ踏み込めない。
これであいつの足の踏み場なんてのはなくなるわけだけど…
「流石に見え見えの罠に引っかかるほどじゃ…ないよね!」
跳躍した!私に直接ぶつかればいいって魂胆か!?だがその程度
「想定済み!」
「ぐえっ!」
飛び込んでくるところに合わせて罠を起動してやる。罠師が目の前にいるのに起動できない道理は無い!
「よし、一人目確保…」
「うぎぎ、こんなのすぐにでも破って…」
「鋼鉄に変化させたスクリーンを破れるもんなら破ってみな、無理だろうけど。」
「言ったね!?『進化論』『進化論』『進化論」!」
「そんな連打したって無理なもんは無理だろ、さて向こうの方へ
べきっ
…は?」
なんの音だ?
べきっ
「待て待て待て待て」
聞き間違いじゃない、こいつ
「フフン、商売敵を前にして待つわけないんだけどさ!」
力技で鋼鉄を破れるのかよ!?ふざけんな!
「高速実行!
その時、私が何重にも巻いたスクリーンは全て弾け飛んだ。
鋼鉄への変化は解いたからぶつかったところで私にダメージは無かったけど…
「振り出しに戻るってか!そういうのこの前見たばっかりなんだよ!」
「アハハ!残念だけどさ!第二ラウンドなんだよね!」
鱗と爪の生えた巨大な両腕を振りかざしながら、巨人は告げる。