HUNTER of HEROES   作:心ここにあらず

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ヒロインいるかなー?どうしましょう


第二話

俺はその後一週間ほど親父の家でこの世界について調べ物をしていた。この世界にあるPCを使いニュースやサイトを見ながらいろんな事を調べた。あ、ちなみにアルカは今日親父と服やら何やら色々買いに行くって朝から出て行っている。俺は服にもそんな興味ねぇし適当に見繕ってくれれば充分だからな。

 

にしてもこの世界にきたからアルカの笑顔が前よりも増した気がする。…やっぱ兄貴だけじゃなくて他の家族からの愛も求めてたのかな。…親父があまりにも溺愛してるってのもあるけどそれ以上にアルカの奴も懐いてるからな

 

 

あーっととそんな話は置いといて…実は親父のことなんだが…なんとこの世界の誰もが憧れる職業であるヒーローのランキングでNo. 1の超人気ヒーローだったのだ。どのサイト開いても基本的にはオールマイトとしてのっていやがる。

 

やっぱ初めて見た佇まいからして只者じゃないって思ったが俺の予想は当たってたってわけだ。

そうして午前はネットで色々漁って午後からは家の庭に出て念の修行をひたすら行っていた。纏(テン)の修行なら何も道具も要らないし狭い庭でも何時間でも続けられるからな。

 

 

 

そうしているうちに日が暮れる前にアルカと親父が帰ってくるのがわかった

 

 

 

「ただいまぁ〜!」「ただいま」

 

「おかえり〜ってえらい大量の荷物だな」

 

「ははは…張り切りすぎてパパ色んなもの買っちゃったよ。あ、もちろんキルアのもあるからね」

 

「ふ〜ん、ま、なんでもいいや!それより明日から修行やろうぜ!」

 

「ダメ!明日はアルカと絵本読んでもらう約束なんだから!」

 

「はぁ!んなもんいつでも出来るじゃねぇか!」

 

「修行だっていつでも出来るでしょ!」

 

「修行は昼からやんのがいいんだよ!絵本は夜でも良いだろ!」

 

「夜は別の絵本読んでもらうもん!」

 

「おまっ!」

 

「はいはいはい!喧嘩はやめてとりあえずご飯にしようか!今日は色々買って来てたんだ!」

 

 

 

 

そう言いながら親父は色々な食べ物を出して食卓を一杯にした。この世界には俺たちが知らない食べ物や料理がたくさんあってすげぇ美味かった。俺も結構食べる方だからこのテーブル一杯くらいなんて全然余裕だけど一つ気になることがあるとすれば…俺たち親父が一緒に飯食ってんの見たことないんだよな。

いや…一緒に卓にはついてるぜ?アルカとずっと喋ってるしこっち見ながら幸せそうな顔してるからな

 

 

そんな疑問を残しながらも飯を食い終わると

 

 

「あ、そういえば!君たちに伝えなきゃいけないことがあるんだ!」

 

「「ん?」」

 

「キルアもアルカも12歳と11歳でこの世界では本来学校に通う年齢なんだ」

 

「「学校??」」

 

「あれ?学校って知らないのかい?」

 

「なにそれ?」「知らなぁ〜い」

 

「ふむふむ…学校というのはね。社会で生きていくために必要な知識や能力、社会性を身につけるためにみんな初めは通うものなんだ。…もちろん勉学だけじゃないぞ?同い年くらいの子達がいっぱいいて皆で遊んだらいろんなことを経験して大人になっていくんだ」

 

「ともだち!?」

 

「そうそう!アルカならいっぱい出来るだろうね」

 

「友達…ねぇ」

 

 

友達と聞いて俺の脳裏には真っ先に3人の姿が浮かんだ

 

 

「そこでなんだが君たちがそれぞれ通う学校に応じて"個性"というものといやでも関わっていくことになるだろう。そして君たちは無個性だ。…本来はあってはいけない事なんだろうがこの世界では無個性はあまり良いように思われないんだ。」

 

 

親父はどこか考え深いものでもあるかのように深刻そうな顔をしながら話していく

 

「そこでだ!君たちには自分たちにしかない強みがあるよね?キルアは電気?雷?アルカはナニカと同じ体に2人の人格が宿っている。それを個性として登録してみないかい?…いやなにも強制ってわけじゃないんだけどさ」

 

 

キルアにはこの時は分からななかったがオールマイトは元々無個性だった経験がある。…その時の苦労を思うと今我が子のように溺愛している2人にそんな経験をさせたくなかったのである

 

 

「…まぁ別にどっちでも良いよ。…そこんとこは親父に任せることにする」

 

「アルカも!!」

 

「…そうか!よし分かった!こちらでそれも色々手配しよう。それと後制服のサイズとか色々あるなぁ〜あ、アルカは小学校だから私服なのか!いや待てよ…」

 

「「…」」

 

 

1人でに色々と喋り出した親父を俺たちはなんともいえない表情で覗いているのだった。まぁ俺たちのことを思ってのことってのは分かるからな

 

 

そうして俺たちがそれぞれ俺が中学校…アルカが小学校に通うことが決まって早1ヶ月…様々な準備や手配を済ませ俺たちは学校の転校の日を迎えた。

 

 

「キルアは学校分かる?大丈夫だよね昨日散々教えたし。一応メモもあるからね!あ、分からなくなったら電話してね!絶対だよ!」

 

「あ〜もう分かってるっつうの!」

 

 

当日俺とアルカの転校の初日が重なったこともあり学校の方向がそれぞれ違うことで親父はどちらを送っていくべきか散々迷っていたので俺がアルカの方を優先させたのにも関わらず心配性が発生した結果今である。ちなみに朝から家族写真やら個人写真やらで早起きさせられてクソ眠い…

 

 

「それじゃあ頑張ってねキルア!」

 

「頑張ってねお兄ちゃん!」

 

「…おう!そっちもな!」

 

 

 

そう言い残しながら俺は徒歩で歩き出すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある中学の教室のざわめきは、担任が扉を開けた瞬間に少しだけ静まった。

 

 

「はい、席について。今日は転校生を紹介するよ」

 

 

 その一言で、空気が変わるったのがわかった。転校生は珍しいので中学生ではちょっとしたイベント行事である

好奇の視線。

 探るような視線。

 そして、個性社会特有の――値踏みする目。

 

 

「入ってきてぇ〜」

 

 

 促され、銀髪の少年が扉を開け教壇の前に出た。

 

ざわり、と教室の空気が揺れた。

 

「転校生だって」

「髪すげー白くない?」

「外国人?」

 

 

その整った容姿に視線が突き刺さる。

だが、キルアは気にしない。

 

 

「はい。それじゃあ自己紹介お願いね」

 

「…うす…え〜と名前はキルア・ゾルッじゃなかった八木キルアです。え〜以上です」

 

「…以上…かな?空いてる席は轟の隣か…」

 

空いている席は、窓際の一番後ろ。

そこには、赤と白の髪を持つ少年が一人、黙って座っていた。轟焦凍。

 

クラスでも有名な存在だった。

無口で、近寄りがたく、だが成績も運動能力も高い。

そして何より――No.2ヒーロー・エンデヴァーの息子。

 

キルアが隣の席に座ると、轟は一瞬だけ視線を向け、すぐに前を向いた。

 

 

(……静かなやつだな)

 

 

キルアは内心でそう思っただけで、特に話しかけることはしなかった。

 

キルアの個性が知られるようになったのは、転校して数日後の体育の時間だった。

 

「次、50メートル走。個性使用はありだ。ただし自制出来る範囲で安全に!良いな!」

 

 

「うっそまじで!個性使って良いの!」「やったぁ!」「八木くんの個性何かな?」

 

教師の指示に、生徒たちがざわつく。

 

キルアは面倒そうに立ち上がり、スタートラインについた。

 

 

「位置について……よーい」

 

 

俺の個性は公式には【雷(イカズチ)】と命名され、まぁ親父が名付けなんだが…色々とコネを使ってくれたらしい。

個性使用ありってことは使っとかなきゃいけねぇってことか…

 

その瞬間。

 

 

「神速(カンムル)!」

 

バチッ

 

空気が裂ける音と同時に、キルアの足元を青白い電光が走った。

そして次の瞬間には50メートル先のラインを切っていた

 

 

「……え?」

「今の、なに?雷?」

「速すぎだろ……」

 

教師が記録用紙を見て、眉を上げる

轟は、その一部始終を黙って見ていた。

 

(雷……)

 

己と同じ派手で、制御が難しい自然系の個性。

だが、キルアの動きには一切無駄がなく制御されているようだった。

 

 

それからもしばらく、二人はほとんど言葉を交わさなかった。

 

昼休みはそれぞれ一人で過ごし、

放課後も別々に帰る。

 

だが、隣の席という距離は、否応なく互いの存在を意識させた。

 

ノートを取る音。

消しゴムを落とす音。

小さなため息。

 

ある日、轟が珍しくシャープペンを落とした。

 

転がったそれを、キルアが拾って机に置く。

 

「ほら」

 

「……ああ」

 

それだけ。

 

だが、その「それだけ」が、轟には少し意外だった。

 

(話しかけてこない。俺がエンデヴァーの息子って知らないのか?)

 

距離を詰めようともしない。

だが、無視もしない。

 

(……変なやつだな)

 

関係が少し変わったのは、梅雨に入った頃だった。

 

放課後、突然の豪雨。

 

傘を忘れた生徒たちが昇降口で足止めされる中、

轟は一人、外を見ていた。

 

「……帰らないのか」

 

横から声がした。

 

キルアだった。

 

「雨が止むまで待つ」

 

「そ」

 

キルアはそう言って、同じように壁にもたれる。

 

しばらく、雨音だけが続く。

 

「……お前俺がエンデヴァーの息子って知らないのか?」

 

轟が、ぽつりと言う。

 

「ん?あぁなんかそんなこと周りの奴が言ってた気がするなぁ〜俺あんまヒーローわかんないんだよね。」

 

「…」

 

轟は今時の子供でヒーローに興味がない奴なんて珍しいと感じた。ただそれが心地よくそれから二人は、少しずつ話すようになった。

 

授業の合間。

帰り道の途中まで。

 

家の話はしない。

将来の話もしない。ただ普通の友達のように普段のことや授業のこと…他愛もない話で盛り上がることもしばしば

 

 

中学一年の終わり。

 

期末試験が終わった帰り道、

二人は並んで歩いていた。

 

「……なぁ、キルア」

 

「ん?」

 

「お前は……逃げたいと思ったことはあるか」

 

キルアは、少しだけ歩く速度を緩めた。

 

 

「……あるよ」

 

「……そうか」

 

「でも、今はない!頭の中スッキリしてるからな!」

 

 

こめかみを抑えながら笑うキルアに対して轟は、わずかに目を見開きながら笑った

 

「なんだそれ」

 

夕焼けが、二人の影を長く伸ばしていた。

 

この時、二人はまだ知らない。

この“静かな関係”が、

やがて轟家の問題という現実に真正面から向き合うことになるということを。

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