HUNTER of HEROES   作:心ここにあらず

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第八話

キルアの『落雷(ナルカミ)』は昔よりも念の基礎能力を高めたことにより電気を体内に蓄積する量が増えた分威力自体もかなり上昇しており喰らえばどんな強靭な肉体を有していようとも体内から神経を焼き切り行動を意識を断ち切る…ましてや行動などそれこそNo.1…オールマイトクラスじゃないと耐えられない代物だった。

 

ーー否ーー

 

その筈だった

 

「避けて八木くん!」

 

緑谷の咄嗟の判断による大声のおかげでギリギリこちらに向かって殴りかかってくる脳無たちを避けることが出来たのである。

 

「ナイスだ緑谷…」

 

にしても俺の『落雷(ナルカミ)』は確実に直撃していた。…なぜ動ける?

 

 

「あははは…バカめ!この脳無たちは対オールマイトとして作られた文字通り破壊マシーンだ!オールマイトの攻撃にも対応できるように再生能力と衝撃吸収能力も備えているのさ!…お前のチンケな雷なんて効くかよ!」

 

 

再生能力に物理的肉弾戦特攻か…くそ厄介なもん連れてきやがって。相澤先生があそこまで追い込まれたのも無理はない

 

 

「グギャァァァァァァ!!」

「ピギャァァァァァア!!」

 

二体の脳無が、同時に地面を蹴った。

 

轟音。

床が割れ、衝撃波がドーム全体に響く。

瓦礫が舞い、生徒たちの悲鳴が遠くで重なった。

 

キルアは一歩も引かない。

 

――だが。

 

(……速ぇ)

 

純粋な移動速度。

筋力に任せた突進。

そこに理性も躊躇もない。

 

「……っ!」

 

最初の雷を、地面へ。

 

――バチッ!!

 

電流が走り、二体の脚を貫く。

だが――

 

「……止まらねぇ!?」

 

筋肉が一瞬痙攣するが、即座に再生。

衝撃吸収が電流のダメージすら分散させる。

 

次の瞬間。

 

――ドンッ!!!

 

正面からの拳。

 

避けた、はずだった。

 

だが衝撃が“空間ごと”叩きつけてくる。

衝撃による余波が、キルアの身体を吹き飛ばした。

 

「……がっ!!」

 

壁に叩きつけられる。

肺の空気が一気に抜ける。

 

(クソ……)

 

即座に起き上がるが、もう一体。

 

背後。

 

――ゴォンッ!!!

 

タックル。

視界が反転し、地面を転がされる。

 

「ッ……!」

 

受け身は取ったがあの巨体だ…なまじ軽く触れただけでもあり得ないほどの衝撃が体に響き渡る

 

立ち上がる間もなく、

二体同時に距離を詰めてくる。

 

挟撃。

 

――避けきれない。

 

「……くそ!」

 

雷が弾ける。

 

世界が遅くなる。

だが――

 

(……それでも、追いついてくる!?)

 

一体の拳が、肩を掠める。

 

――ゴキッ。

 

嫌な感触。

 

「……っ」

 

左肩。

完全には折れていないが、確実に損傷。

 

キルアは後退する。

円の内側。

相澤と生徒たちを背に。

 

(下がれねぇ……

俺が倒れたら――)

 

一体が跳ぶ。

もう一体が地面を蹴る。

 

上下からの同時攻撃。

 

「……!」

 

雷を纏った蹴りを放つ。

だが――

 

――ズンッ!!

 

衝撃は吸収され、

逆に身体を弾き返される。

 

キルアは宙を舞い、

地面に叩き落とされた。

 

「……っは……」

 

視界が一瞬、白くなる。

 

(……ヤバ……)

 

脳無が、ゆっくりと近づく。

二体。

確実に、詰めに来ている。

 

(再生……衝撃吸収……

殴っても蹴っても、意味ねぇ……)

 

脳裏をよぎる。

 

――かつて、似た敵と戦った記憶。キメラアント戦…王直属護衛軍の1人との戦闘…結局圧倒できたのは一瞬だけで俺は倒し切ることはできなかった。そして今目の前にいる奴らも

“硬い”“しぶとい”“殺しきれない”敵…かつての奴と忌々しいくらいに似てやがるぜ

 

キルアは、震える指で地面に触れる。

 

(衝撃を吸うなら……

雷を“攻撃”として使うな)

 

呼吸を整える。

 

「……来い」

 

一体目が突進。

 

――ドンッ!!!

 

直撃。

腹部に拳がめり込む。

 

キルアの身体が宙に浮く。

 

だが――

 

その瞬間。

 

――バチッ。

 

接触点から、雷が“侵入”した。

 

「ギ……?」

 

脳無の動きが、一瞬だけ鈍る。衝撃ではなく、

電気信号として内部へ流した。

 

だが、足りない。

 

再生が追いつく。

 

「……クソ!」

 

二体目の拳が迫る。

 

キルアは、両足で地面を踏みしめた。

 

――雷が、身体の“外”ではなく、

“内側”へと巡り始める。

 

神経。

筋肉。

心臓。

 

(……これ、制御ミスったら死ぬな)

 

だが、もう迷っている暇など存在しない。

なにしろ俺が負ければ…その時点でゲームオーバー…

 

 

初めて使う。

誰にも見せたことのない、即興。

 

――雷神経同調。

 

自分の神経伝達と、

外部に流す電流を――体内に流し込み、脳を活性化させ

 

完全に同期させる。

 

世界が、歪む。

 

脳無の動きをこちらで読み取る

 

 

「……今だ」

 

キルアは、跳んだ。

 

二体の脳無の“間”へ。

 

空中で身体を回転させ、

両脚を大きく広げる。

 

――雷が、両足に収束。

 

「……これで」

 

足先から、雷が“糸”のように伸びる。

 

二体の脳無を、

同時に接続。

 

「終わりだ……!」

 

――新技

《神速・双極雷葬(そうきょくらいそう)》

 

次の瞬間。

 

――バチィィィィィィッ!!!!

 

二体の脳無の内部で、

雷が共鳴・反転・暴走する。

 

衝撃吸収は意味をなさない。

再生は、逆に雷の通り道になる。

 

神経。

脳幹。

再生核。

 

すべてが――焼き切られる。

 

「ギ――――!!」

 

断末魔が、途中で途切れた。

 

二体の巨体が、

同時に崩れ落ちる。

 

頭部から、煙が上がり、

再生は――起きない

 

 

 

 

 

 

――静寂。

 

キルアは着地し、

膝をついた。

 

「……はぁ……はぁ……」

 

全身が、軋む。

視界が、揺れる。

 

だが――

 

倒れた二体の脳無を見下ろし、立ち上がる

 

 

それを見た死柄木とワープを使うヴィランは

 

「なんだ…なんだ…なんなんだよ!あのチート野郎は!対オールマイト用の兵器だぞ!それも2体も連れてきたんだぞ!」

 

「落ち着いてください!死柄木弔!ここは引きましょう!」

 

「離せ!離せよ!」

 

 

頼みの綱でたる脳無たちを撃破されたことにより焦り出す2人に対して

 

 

『おい…ごちゃごちゃうるせぇんだよ…早くこいよ…ほら』

 

 

決して軽傷ではないにせよ自らの足で立ち上がり未だ衰えないその闘志と覇気を存分に見せつけるようにヴィランに向かい左手の人差し指と中指を立てクイクイっと挑発するキルア

 

 

「このクソガキィィ!」

 

「待ってください死柄木弔!」

 

 

こちらに死柄木弔が向かってこようとした

 

その時

 

――ゾワリ。

 

空気が、歪む。

 

キルアの背筋を、冷たいものが這い上がる。黒霧が、今までとは比べものにならない密度で集束していく。

いや、“集まっている”のではない。

 

何かを迎え入れている。

 

「……先生」

 

死柄木弔が、焦ったように振り返る。霧の中心。

そこに――人影が現れた。

 

黒いコート。

背筋はまっすぐで、歩みはゆっくり。

だが、その存在感だけで、場の温度が一段下がる。

 

顔はない。

正確には、“顔と呼ぶべきもの”が存在しない。

 

複数の人工的なパーツが組み合わさった、

人の形をした“異常”な頭部

 

 

「……オール……フォー……ワン……」

 

キルアだけが理解し

生徒たちは、理解していない。いや相澤でさえ何が起こっているのか判断がつかない状況…

だが、本能が告げていた。

 

――あれは、触れてはいけない。

 

「やれやれ……」

 

歪んだ音声が、空間に染み込む。

 

「予想以上だよ、雄英……

特に――」

 

首のない“顔”が、ゆっくりとキルアの方を向く。

 

『"次世代の象徴"…キルアくん』

 

キルアは、動かない。

ただ、目を逸らさない。

 

「何しにきやがった」

 

オールフォーワンは、肩をすくめるような仕草をした。

 

「“回収”だ。

脳無も、弔も……

これ以上失うのは、少々もったいない」

 

死柄木が、歯を食いしばる。

 

「……チッ……」

 

黒霧が、再び広がる。

 

次元が、歪み始める。

 

死柄木と黒霧が、霧の中へ下がる。

 

その瞬間

 

 

――バチッバチッ

 

小さな雷音

 

分かっている。

相手は、別格

"今の"俺じゃ、殺せない。

 

でも――

 

(だからって……

何もしねぇ理由にはならねぇ)

 

全身の雷が、一点へ集まる。

 

心臓が、嫌な音を立てる。

神経が、悲鳴を上げる

 

それでも。

 

「……オールフォーワン」

 

初めて、キルアが名を呼んだ。

 

「お前は必ず…俺がけりをつける」

 

オールフォーワンが、わずかに首を傾げる。

 

「……ほう?」

 

次の瞬間

 

雷が、今までとは違う鳴り方をした。

 

広がらない。

暴れない。

 

ただ――集まりだす

 

キルアは、ゆっくりと顔を上げた。

 

ドームの天井。

その向こう――見えない“空”を睨む

 

 

――ゴロ……ゴロロ……

 

USJの上空で、

存在しないはずの雷雲が、蠢き始めた。雷が、空間を貫いて収束する

 

次の瞬間

 

『"麒麟"』

 

天から――

 

いや、“世界の上限”から。

 

青白い雷柱が、一直線に落ちた。

 

轟音。

 

衝撃。

 

空気が破裂し、

ドーム全体が震撼する。

 

雷は、ワープゲートの中心へ――

オールフォーワンの立っていた“座標”へ。

 

黒霧が、悲鳴のように歪む。

 

「な――」

 

死柄木の声が、途中で掻き消える。

 

――バァァァァァン!!!!

 

だが――

 

完全には、届かない。

 

それでも。

 

「……クク……」

 

雷鳴の中で、

オールフォーワンは、確かに笑った。

 

「……いい……

実に、いい……」

 

次の瞬間。

 

――霧が、強引に閉じた

 

 

 

 

 

 

――静寂。

 

雷鳴が、遠くへ消えていく。

 

キルアは、

その場に立ったまま、動かなかった。

 

……数秒後。

 

「……っ」

 

膝が、崩れる。

崩れ落ちるタイミングで焦凍が駆け込んできてギリギリのタイミングで掴んでくれる

 

「キルア!」

 

「「「八木くん!」」」「キルアくん!」「八木さん!」

 

俺が倒れかけたのを見て皆が駆け寄ってくる

全身の雷が消え、

神経が、焼けたように痺れる。

 

「……は……」

 

呼吸が、荒い。

 

 

"麒麟"は自然現象を利用する技故範囲も広く殲滅力も比にならないがその分オーラを使う量も破格の分量を取らされる。

今のキルアはゆうならばガス欠状態であった

 

 

「大丈夫か?」

 

「…大丈夫…大丈夫…今回はそんなだから」

 

「…そんなって…ボロボロで言われても説得力ないよ!」

 

「…そうですわ!早く医務室に!」

 

 

 

 

事態が完全に収まったのはそれからすぐのことであった。親父が遅れて登場し残ったヴィランを拘束し警察と連携し捜査しているとのこと。…何も土下座しながら泣かなくたっていいのによ。…親父は今回も遅れてしまったことと息子の俺がさらにオール・フォー・ワンと出会してしまったことをひどく後悔していた。

 

その後医務室に運ばれた相澤先生と俺は治療を受け…俺は軽い脱水症状と何箇所か骨にヒビ入ってたけどリカバリーガールのおかげで何とかなりそうだった。

 

問題は相澤先生で身体中が裂傷から打撲による重症と入院待ったなしの生活が待っていた。…当の本人はいつも通りだったが

あと最後にお礼を言われた…こう言うのがツンデレってやつか…

 

 

 

 

 

 

 

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