扉を開けた先、いや、目の前にはアイザックとミリアがいた。
「ああ、良かった!置いて行ってしまってごめんなさい!一言ぐらいは言っておきたかったんですけど…。」
「あ、シャーロットじゃないか!」
「ミッチェルもだ!」
「堅苦しいから、ミシェルとシャーリーでいい。」
「お、そうか?分かったこれからはそう呼ばせてもらう。」
「もらう!」
アイザックたちはいつも通りの陽気な喋り方で、ミシェルたちと話す。
と、その時だ。1つ奥…ラッドたちが出て行った方だ…から、乾いた銃声が鳴り響いた。
「っなんだ!」
ミシェルは持ち前の足の速さで連結部の扉を開ける。
そこには、先ほど戦ったラッドと、その白服の仲間が何人かいた。勿論、あの女性も一緒だ。
「っ…。」
ミシェルは咄嗟の判断で、扉を閉め、ドアの窓から通路内を覗き見る。
「ななな、何だ?」
「こここ、怖いね!」
「静かに、気付かれるぞ。」
「白服の奴らは向こうに行くみたいだけど…。ちょっと、声が聞こえづらいね…。」
シャーリーはそう愚痴りながらも扉に耳を当てる。だが、よく聞こえない。
ミシェルもそれに気付いたのか、相手にバレない程度に扉を開けた。
「何で殺したんだよ、ラッド。いい話だったんじゃねぇか?」
元居た扉の前で彼らは話してくれているため、ミシェルとしては話が聞きやすく、ありがたかった。
「んー、確かにな。だがよ、あいつの顔見たか?絶対に自分は殺されないって面しやがってよー。あいつは俺達なんかには殺されないって確信してやがった!このラッド・ルッソ様を舐めてくれやがったんだぜ?単純に言ってむかつきまくりの撃ちまくり?ってやつだ!」
「だからってよぉ…。」
「しっかし気に食わねぇ、あいつ、俺に撃たれる直前になっても余裕の表情を浮かべてやがった…何だってんだよ畜生め……。」
ラッドたちは歩き始める。先ほど言っていた、車掌室に向かうのだろう。
アイザックが声をあげる。
「―――…ルッソ?」
「どうしたの?アイザックさん。」
シャーリーが声をかけるが、アイザックは聞く耳を持たない。
「ミリア、今日俺達が頂いた金ってさ、なんてマフィアのだっけ?」
どうやら、ミシェルたちがいる事自体、考え事をしている為なのか、忘れているようだ。
アイザックとミリアは強盗だ。つい今朝方、盗みを働いた人間なのだ。
「ルッソファミリーのだね!」
「……ルッソフ…ァミリー?」
「ルッソファミリーって…さっきの?……って言うか、頂いた金って、どういう…?」
ミシェルたちはアイザックたちをちょっと頭のネジが抜けただけの一般人だと思っていたのだが…。
「まさか…ミリアたちは盗人の類いだというのか?」
「え?っああああ―――ッ!アイザック!大変だよ!」
「何だ?ミリア。」
「ミシェル達に私達が強盗だってばれちゃったよっ!」
「な、何だって!?」
まさか、アイザックたちは先ほど言っていた事を覚えていないのだろうか。
「でも、まぁ、いいか!」
「いいか!」
「いいの!?」
「ただ、警察には言うなよ?」
「いうなよ!」
ビシッと指をミシェルたちに向け、じっと見据える。
シャーリーが勢いに任され、コクリと頷くとアイザックたちは立ち上がる。
「俺達はもう行くぜ!」
「行くって、何処に…?」
「んー、どこに行こう?」
「行く宛がないなら…そうだなぁ…。そうだ!助けを求めている人を探そう!」
「おお!いいこと言うな!じゃあ、探しに行こう!という事で、またな!」
「またな!」
そういうが早いか、アイザックたちは食堂車の方に向かっていった。
「…嵐の様な奴らだな。」
「…そう、だね。」
そんなことを話しながら、ミシェルはラッドたちが出てきた扉の中に入る。
「…白服の奴ら、"殺した"だとか言ってた、よな?」
「……うん、言ってた…。」
そこには、何もなかった。血も、死体も、何もかも。
ただの貨物室だった。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
さて、ちょっと早いペースで更新して行ってますが、変に抜けてるところとかあったら怖いですね。
ですが、これからもちょっと早いペースで更新していきたいと思います!目指せ!夏のうちに完結!と言うところでしょうか。
というわけで、私は次の執筆をしたいと思います。
では、また次回!