お久しぶりです!いやー、もう秋ですね!夏に終わらせると活き込んでいたあの頃はいずこに――――…。
車内に爆発音が響き渡る。
と言っても、小さめのものであり、被害はそこまで大きくなっていない。
「ニースさん、危ないよ!?投げるのは構わないけど、爆発に巻き込まれたら終わりだよ!」
「大丈夫ですよ、シャーリーさん、そんなヘマはしません。」
シャーリーはニースのちょっとズレた答えに頭を抱えながらも、爆発に混乱している黒服の合間をぬい、ベリアル妻子を逃がす。
「ベリアルさん、大丈夫?」
「…はい、ちょっと風が強いですけど…。」
「じゃあ、ここから真っ直ぐ行って逃げて。最低でも食堂車辺りまで。」
逃がすために来たのは屋根の上、理想では中を通りたかったのだが、人の数が多すぎて困難な状況だったのだ。
ベリアルはシャーリーのいう事にコクリと頷き、屋根の上をベルと手を繋いで走っていく。
シャーリーは少し不安そうにしながらも走っていく二人を見送る。
少しの時間が経ち、ベリアルたちはもう大丈夫だと思ったシャーリーは後ろにジャンプし結合部へと降り中に入る。
そこにはニースたちとジャグジーが立っていた。
「シャーリーさん、何でここに居るんですか?」
ジャグジーは少し戸惑いながらも聞く。以前会った時とは違い覚悟を決めたという顔つきだ。………多少震えていたが。
「私達を助けてくれたの。」
「そうだったんだ。シャーリーさん、ありがとうございます。」
「気にしないで。って、言うか…ソレ。」
シャーリーの目線の先にはジャグジーによって握られている機関銃があった。
ジャグジーは苦笑しながら、「色々あったんですよ。」そう言った。
シャーリーは長くなるのだろう、聞くにしても今は聞けない。そう判断し、そっか。と一言言った。
「今ドニーが貨物室で荷降ろししてる。一箱だけ残すよう言っておいたからニースはそれを受け取って。」
ジャグジーの言葉にニースはコクリと頷き、眼帯を捲り上げその中から何かを取り出しジャグジーに握らせる。
「私の持ってる最後の火薬玉、威力は無いけど念の為持っておいて。」
「ありがとう、ニースだと思って大事に爆発させるよ。」
「気味悪いこと言わないで。」
自身の彼女だと思って爆発させるという言葉に少し…いや、もの凄く引っ掛かるが、シャーリーはそれをどうにかスルーして口を開いた。
「ジャグジー、私も行くよ。」
「いや、危ないですって。」
「危ないことなんて何十と渡って来てるから大丈夫だよ。」
ジャグジーはシャーリーの冗談ではないという表情に多少驚きながらも、ため息をつき言った。
「はぁ……分かりました。」
「やった…!」
シャーリーたちが屋根に登り、ニースたちが貨物室の方へと走っていく。
今、連結部自体には誰も居ない。そこに一人の男がやって来る。
その男は黒服の人達に何か、命令をしてから彼も屋根に上がってきた。
だが、その男は少し人というには異様な形をしていた。
頭というには細長く……そう、例えるなら何かのノズル。
「ジャグジー!しゃがんで!」
「―――え?」
ジャグジーが驚いてシャーリーの方を向こうとした瞬間、頭に重圧がかかり、しゃがまざる負えなくなった。
驚きながらも目を頭の方に向けるとあるのはシャーリーの手。どうやら、彼女によって強制的にしゃがまされたようだ。
シャーリーはジャグジーをしゃがませた後すぐに自分もしゃがむ。
その瞬間。彼女たちの上を炎が通過する。立っていたら当たるか当たらないかの瀬戸際だったであろう。
「う、うわぁ!?」
ジャグジーは熱さに耐え切れず後ろに後退る。
だが、それだけで変わるわけもなく、汗がたらりと頬を伝った。
シャーリーはジャグジーとは裏腹に冷静にその場でしゃがんでいる。
が、目は炎のことを見ていた。炎の柱は車両の端から端まで続いている。
食らったらひとたまりもないだろう。
ジャグジーは危機を察し、立ち上がり全速力で走った。
シャーリーも立ち上がりジャグジーとは逆の方向、つまりは炎が噴出された方に走る。
「シャーリーさん、何してるんですか!?」
今は炎は出ていないが、いつ出るのかわかったものじゃない。
ジャグジーは次の連結部を乗り越えてから後ろを振り返り、シャーリーの奇行に驚き叫んだ。
シャーリーはそれを無視し、梯子を登ってきた男、グースに向かって横蹴りを入れる。
グースはシャーリーに向って炎を放とうとトリガーを引こうとした。
だが、その前にシャーリーの強烈な蹴りが手に直撃しノズルを落としそうになる。
その一撃に何とか耐え、また引こうとするが、次は拳銃によって妨げられる。
グースの顔スレスレを弾が通り過ぎ、一拍置いてしまう。
それでもグースはシャーリーに向かって炎を噴出した。
だが、炎を向けた先には誰も居なく、シャーリーの気配は横にあった。
「さて、ここからは主役さんのお仕事だよ!」
ジャグジーにも聞こえるような大声で叫んだシャーリーはそのまま連結部に飛び降り姿を隠した。
「ええ!?シャーリーさん!?」
ジャグジーの悲鳴も虚しく、シャーリーは戻って来なかったが。
簡単に言ってしまうと、この後は原作とさほど変わりません。
ジャグジーがグースに勝って、終わりです。
ということで次回はミシェル編!
あと2話ぐらいで終わりですかね!