ミシェルとシャーリーがターミナルに足を踏み入れると、すぐにミシェルの父であるジャックが駆け寄ってきた。
黒く長い髪一纏めにしたタレ目の男性は今年で57歳になるはずなのだが、60近くだと言うのが嘘のような見た目である。
「良く来たな。…なんだ、そちらのお嬢さんは彼女か?」
そうジャックはニヤニヤと微笑みながらシャーリーに顔を向ける。
シャーリーはペコリと彼にお辞儀をして、自己紹介をする。
「なんだ。助手か……残念だ。ああ、そうだお嬢さん、コイツの嫁になってくれないか?」
「おい、ジジイ、そんな話をするために俺を呼び出したのか?」
「親に向かってジジイとは何だ。昔のように父さんと呼べ。」
そう言って迫ってくるジャックにミシェルは迷惑そうに顔を歪め後退りした。
だが、ジャックはジリジリと間合いをつめていく。
ミシェルが面倒そうに足で腹辺りを蹴ろうとするがいとも容易く避けられてしまう。
「いつまで経っても足癖が悪いな、ミシェルは。……まぁ、そういうところが可愛いんだがな。」
「気持ちわりぃ…近寄んな。」
「気持ち悪いだと!?どこがだ!?」
「近寄ろうとするところだ。」
ジャックはその言葉にシュンと肩を下げ、ミシェルから離れる。
ミシェルはそれに安堵する。ジャックは俗に言う親バカだ。
それはもう、気持ち悪いくらいの。
それを知らなかったシャーリーは驚きながらミシェルを見てる。
「まぁ、こういうやつだ。いちいち構ってたら疲れるぞ。」
「……そうなんだ。」
ミシェルたちはトボトボと歩くジャックの後をついていき、ふと用事を聞いていなかったため、口を開いた。
「……親父、用事はなんだ。あいにく俺は忙しいからあんまり時間は取れてないんだよ。」
ジャックはミシェルの方に振り向き、首を傾げる。だが、頭の整理が追いついたようでハッと手をポンッと叩いた。
「用事…?ああ!そうだった、そうだった。忘れるところだった。……依頼だよ。お前に俺からの依頼だ。とっておきだぞ。」
「とっておき?……何だろうが別に良いが…それならそうで金はとるぞ?」
「別に構わん、俺だっていつ死ぬのか分からないからな。死ぬ前に大半をお前に渡しておきたいぐらいだ。」
ジャックは本気なのか冗談なのかわからないような口振りで言ってくる。
ミシェルでも父親の性格をよく分かっていない。
知っているのは母親ぐらいだろう。
「……シャーロットさん、ミシェルと結婚してくれないか?」
「は?」
「へ?」
「俺からの依頼は孫の顔が見たい!それだけだ。」
ジャックは真面目な顔をして言った。
それに対してミシェルは訳がわからないという顔をし、シャーリーは顔を真っ赤にさせている。
ミシェルは少し経ち、冷静になってから、額に青筋を浮かべ言った。
「……そんな依頼受けるか!」
………………さて、この後どうなったのかは語らず、ミシェルたちの物語はここで幕を閉じることになる。
まだまだ謎は残っているが、気にしなくともいいだろう。
どうせ、いつか、語られる。
いつか。時が来た時にでも。
さて、これにて終わりです。一年近く掛かってしまった……。
でも、まぁ満足です。やりたいことをかけたのだから!
ご都合主義?大好きさ!私は私のやりたいように書く!ただそれだけですよ!あはは!
さて、これでバッカーノは終わりですが、他の作品も見ていただけると感謝感激雨霰です。
ああ、そうだ。疑問に思ったことがあれば気軽に質問してください。
私にわかる範囲であれば教えますよ!
では、他の作品で、会いましょう。