仮題 ようこそ間違いだらけの教室へ   作:uymad

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そろそろいろんな原作キャラを出していきたいのと、ヒロインを本格的に決めないと間に合わない気がしていますので、アンケート機能を探しています。


こうして、由比ヶ浜結衣は決意する

将来の夢、というものがある。大体の人が幼いころ、もっと言えば夢見がちな時期はサッカー選手だとか、パティシエ、芸能人なんかを夢見たことだろう。さらに時をさかのぼれば仮面ライダーやプリキュアになりたいなんて子供もいたかもしれない。とにかく、人には大なり小なり夢というものがある。それが実現不可能なものにせよ、地に足についたものであろうともだ。もちろんこの高育においてもそれは例外ではなく、むしろ日本のどの高校生よりも夢を持ち実現するための手段としてこの学校に来た人間が多いだろう。なぜならここは、卒業さえすれば希望する進学先、就職先への進路が100%叶うといわれている。現代日本において、大学に進学する理由のほとんどはその大学のネームバリューを用いることによる学歴のアピール、もっと言えば就職活動を有利にするためのものなのでこの学校を卒業した時に希望する就職先に必ず就けるというのなら学習意欲の低い俺なんかには、大学に行く理由がわからなかったりもするのだが。とにかく、この学校において一番生徒に重要視されているのはその卒業特典なのは言うまでもない。実際に学校が始まってからの約3週間、どんな夢をもってここに来たのかという話はあちこちで漏れ聞こえてきていた。しかし、日本有数のエリート校、高育において入学しただけで何の努力もなしに願いがかなえられるわけもない。学校はどこぞの聖杯戦争よろしく万能の願望機というわけではないのだ。つまり日常生活における生活態度や勉強に対する不断の努力が必要だということに他ならない。そんなことは理解しているつもりだ。ではなぜ、今改めてその確認を自分の頭の中でしているかというと、その問いは簡単だった。

 

…抜き打ちの小テスト。

 

正直に言って全くの予想外である。別に勉強が苦手なわけでも全く勉強をしないわけでもないが、そもそも俺は決まった時期のテストや受験に向けて段取りを踏んで問題の解き方を暗記するタイプの勉強しかしてこなかった上、そもそも高校受験のために勉強して多少はましになったが、それにしたって理数科目はまだまだ平均的とは言えない。成績には反映しない実力をはかるためだけとは言われたものの、そんな俺の嘆きもむなしく、小テストはつつがなく進行した。

諦めて粛々と問題を解いているとさらにわからない出来事に見舞われた。もちろん問題が全く分からないなんて話ではない、逆に問題が簡単すぎるのだ。小テストというより中学の範囲の復讐のような内容になっている。しかもこの学校の入学のために受けた筆記試験の時よりも簡単に感じる。抜き打ちであることには驚いたがそれは今後もこういう形でテストをするからなと脅されたようなもので、少なくとも今回のテストに関しては問題なさそうだ。そう思っていた時期が俺にもありました。なんだよこれ、ラストの3問意味わかんねぇんだけど。この問題は明らかの今までの問題の難易度を優に超える難易度になっていた。一応取り組んでみたものの正直なところ問題文が何を意味しているのかも大して分からないままテストは終わってしまった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

5月1日、入学から1月が経ちそろそろこの学校での生活にも慣れてきたころだったが、恐れていたことが起きた。そう、雪ノ下の危惧した通り毎月1日に振り込まれるはずのppが減少していた。具体的には66000pp程まで減少していたがさすがに今気にしても仕方ない。俺はいつも通り支度をして教室へと向かった。途中、ppの減少に嘆く生徒を横目にしたが、とりわけ困っている生徒の数は少ないように感じた。

なぜかその日に限って始業のチャイムが鳴ったにもかかわらず我らが担任であるところの星之宮先生が教室に来ていなかったのである。とはいっても先生はこれまでも少しくらいの遅刻はしていたため、いつも通りかもとは思うがそれにしても今日はその時間がとても長く感じた。それは横の席の神崎も同じだったのか沈黙が気まずいかのように話しかけてきた。

 

「なぁ、比企谷。いくら何でも遅すぎると思わないか?」

「ん。まぁ、そうだな。けど先生にも会議で長引いたり色々あるんじゃないか?」

「色々、か。比企谷は今朝のppの振り込みの金額が少ないことについて…」

 

おそらく今日の話であるところの核心を突こうと神崎が口を開いたとき、唐突に教室のドアは開いた。

 

「皆おはよー。今日も元気してるー? ふわぁ……」

 

欠伸をしながら先生は教室に入ってきた。正直、今朝の通学路の喧騒を考えると頭が痛くなるが、そんなことも気にせずクラスのみんなは口々にあいさつを交わしていた。

 

「眠そうですね、星之宮先生」

「うーん、ちょっとねぇ。昨日飲みすぎちゃって……はふぅー」

「うわ、お酒臭っ! 先生お酒臭いです!」

 

供託に近い女子生徒…確か白波だったかがそう言ったことで後ろのほうの俺の席でも先生が前日の2日酔いのせいで遅刻したのが明らかだった。

 

「じゃあ気を取り直して!先日皆に受けて貰った小テストの結果を返したいと思います。それから、今後の流れについても詳しく説明していくので、聞き逃さないようにしてね」

 

持っていた紙は小テストの結果だったらしく、黒板に張り出されていくこの間の小テスト結果。いや、てか全体で発表すんのかよ。晒上げじゃねぇか。プライバシーとかはない感じだったりするのだろうか。

一通り結果を確認すると、おもむろに先生が話し始めた。

 

「じゃあ、今から皆のこれからに関わる大事な話をさせてもらうから聞き逃さないようにちゃーんと聞いてね!」

 

それから先生が話したことをまとめるとこうだ。

今回の小テストや今後成績に影響しないと事前に説明したもの以外のテストで赤点を取ると即退学。

今後行われていくテストの結果がクラスのポイント―――cpにも影響していくこと。ちなみにBクラスの現cpは660らしく、その結果66000ppが今朝振り込まれたらしい。また、cp量の上下によってクラス名もA~Dへ変化していく。

 

そして、卒業時の希望する進学先、就職先への推薦はAクラスでなければ発生しないらしい。これが先生の口から放たれた時には教室内はかなり空気が落ち込んでいた。やはりみんなそれだけこの特典のためにこの学校を志望したのだろう。

 

「この学校のルールについては大体こんな感じかな。何か質問がある人はいるかな?」

 

あっても今は言われた情報を飲み込むのに精いっぱいだろうタイミングだったがここでもやはり一之瀬は行動が早かった。

 

「先生、質問いいですか?」

「はいはーい。何かな? 一之瀬さん」

「この学校が実力主義なのは分かりました。テストを元に今後クラスの評価をしていくことも。そこでお聞きしたいのは他クラスの結果です。本来なら個人的な点数をお聞きすることは出来ないと思いますが、Bクラスの点数は公開されました。競争させる進学塾のような制度を取り入れているこの学校ならば、全てを開示してもらえるのではないかと」

「やっぱり目の付け所がシャー…違うわね、一之瀬さんは。もちろん他クラスの点数も開示されてるわよ。個別じゃなく、平均点だけだけどね」

 

そういったときにちら、とこちらにも目を向けられたような気がした。きっと気のせいだろう。じゃないと目と目が合って恋が始まってしまう。もしくはポケモンバトル。

そのまま先生は他クラスのテストの平均点が書かれた紙を張り出し、この結果は一之瀬が質問していなかったら公表していなかったことを話すと、教室を出ていった。どこまでもこの学校は疑り深い生徒を求めているようだ。一部の生徒が深く考え込んでいると、柴田がみんなを元気づけるように話し始めた。

 

「でもさでもさ、俺たちって結構凄いクラスだよな。Bだけど。にしてもさー。やっぱ下のクラスほどバカってことなんだなー。Dクラスなんてクラスポイントはもう0だし、今回の小テストもダントツで平均点が低いしよー」

 

グッジョブ柴田。割と口は悪いが的を射た意見ではあった。事実、CとDのcpはこちらと比べると少なくDに至っては0である。まぁ、救済措置はいくらか用意してあるから極貧生活を送れということなのだろう。そしてそれに不満があるならテストなんかでcpを勝ち取れということだろう。某ピンクベストの芸人なんかだと不満にもならなさそうだがしかし、最初の1月に100000を渡されたことで金銭感覚がおかしくなった生徒も一定数いるだろうことを考えるとなかなかにひどい仕打ちに思えた。まぁ俺じゃないからいいけど。しかし一之瀬は割と慎重らしく油断せず気を引き締めるつもりらしい。

 

「確かに、今のところそう判断するしかないけどさ。本当にそれだけなのかな?もし本当に学力だけでクラス分けされたなら、下位クラスほど逆転は無理じゃない? 全ては努力次第だって言っても、背負ってるハンデは小さくないもん。優秀な人間だけがAクラスに集まっているなら、ほぼ逆転は不可能だからね。必要以上に気負う必要はないけど、この結果だけで気を抜くのはダメじゃないかな」

「俺も同感だ。DとAとには確かに明確な差がある。だが、学力だけの判断ではないだろう。事実、一之瀬は入試を首席で合格している。点数だけでクラス分けするなら間違いなくAクラスだ」

「私に何か欠点やミスがあってBクラスなんだとしたら、同じように点数は高いけど問題点があってDやCに入った子たちも結構いると思う」

「今のところ、このクラスから赤点で退学者が出ることはないと思うけど、中間テストに向けて皆で勉強して平均点の向上を目指した方が良いと思う。どうかな」

 

一之瀬と神崎の言葉を皮切りにクラスの面々が賛成し、当面は希望者を昼休みと放課後の2部制で分けて勉強会が行われることとなった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

昼休みになりいつも通り適当な場所で昼食を取ろうと立ち上がると由比ヶ浜が一目散にこちらの席に来ていた。こいつもこいつで変わらずに雪ノ下と昼食をとっていたはずだが今日は俺に用があるらしい。

 

「ねぇ、ヒッキー。ゆきのんと一緒にお昼食べいくんだけど、ヒッキーも行かない?朝の話もあるしさ」

「わかった。適当に目立たないとこにだけしてくれ。」

 

そういってあまり人気のない特別棟の近くのベンチで昼食をとることになった。

 

「それで、Bクラスはこれからどう動くつもりなのかしら」

「どう動くっても別になぁ。みんな退学にならないようほどほどに勉強すんじゃねぇの?そっちは逆にどうなんだよ」

「方針自体はそちらとそう変わらないわね。ただ、厄介なことに誰をリーダーに据えるかで揉め始めていてね。派閥争いだなんだと騒いでいるわ」

「へぇ、そうなんだ。うちのクラスはほなみんと神崎君がリーダーっぽくなってるよ。」

「あら、そうなの。けれど由比ヶ浜さん。あまりあなたたちと腹の探り合いなんて真似はしたくないのだけれど、クラス間で競争する以上あまりほかのクラスに情報を渡さないほうがいいわ。私であってもね」

「そうだな、AだろうがDだろうが俺はあんまり興味ないけど裏切者扱いされたらたまったもんじゃないからな」

「そういうことよ。代わりといってはなんだけど私のクラスは葛城君と坂柳さんの2人が絶賛派閥争いを繰り広げているわ」

「派閥ね。ちなみにお前はどっちなんだ?」

「私がそんなものに興味があると思う?一応言っておくけれど無所属よ。Aクラスの特典なんてものがなくても私は行きたい進学先くらい自分でつかみ取るし、将来に関しても…母に認めてもらうまで頑張るつもりだもの」

 

ひとしきり情報を交換した後はいつも通り由比ヶ浜と雪ノ下の雑談を聞きながらうとうとしていると、そろそろ昼休みも終わりらしく教室へと戻った。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

そのまま授業を受けて放課後、なぜか一之瀬と神崎に引き留められせっかくの自由を俺と由比ヶ浜は教室に拘束されていた。

 

「で、なんの話だ。」

「ごめんね。引き留めたのに待たせちゃって、もしよかったらなんだけど比企谷君も勉強会の指導側で参加してくれないかと思って。」

「俺からも頼む、意外に参加希望が多くてな。20人超となるとさすがに2人ではさばききれないと判断した。」

「いや、俺別にそこまで成績よくないし。ていうか理数科目に関してはむしろ教わりたいレベルなんだけど?ほかにも俺より成績いいやつは何人かはいるだろ」

「確かにヒッキー理数系苦手だもんね…。あ!けどね、文系はめっちゃ頭いいんだよ!意外だけど」

「どこが意外だ。俺は昔から文系なんだよ。とにかく俺は人様に教えられるほど優秀じゃないんだ。そもそも友達いたことないから人に教えたこととかないし。悪いけど他をあたってくれ」

「うーん。文系科目だけでもなんとかお願いできない?」

 

出た。女子の必殺上目遣い。これを食らうと男子はほとんどの確率でお願いを聞き入れざるを得なくなる。ちなみに断ったとしても第2段階であるウソ泣きが待っているので使われた時点で負け。すなわちゲームオーバーである。ソースは一色。だがしかし、その一色との1年のやり取りは確実に俺を進化させていた。こちらにも奥義であるところの曖昧な返事がある。これを使うことによって絶対に決定させないことが可能なのだ。物理攻撃には弱いがそんなことを一之瀬も神崎も知る由はない。しかしやけに一之瀬が粘るので観念しようかとあきらめかけたその時、当の一之瀬が意を決したように話題を変えた。

 

「わかった。無理強いはよくないし、勉強会は諦めるよ。けど、これからBクラスのみんなで頑張っていくのに比企谷君にもアドバイスが欲しいんだ」

「アドバイス?俺ができる程度のアドバイスなんて誰でも思いつくだろうし意味ないだろ」

「この間保健室で星之宮先生にした質問。比企谷君は知り合いが気にしてたって言ってたけどそのためにわざわざ先生に質問するほど比企谷君って積極的じゃないでしょ?だからその洞察力っていうのかな。それがこのクラスに必要だと思ったの」

「つまり勉強会は建前で本命はこのクラスの参謀役になれって話か?」

「勉強会の人手が足りないから助けてほしいのもホントだけどね、正直な話本命は参謀役のほうだね」

「俺も一之瀬に話を聞いたがそれ以外にも、隣で1月授業を受けただけでも比企谷はかなり冷静なようにも見える。俺も努力はしようと思うが正直意外と行動派な一之瀬を抑えきる自信もない。頼めないだろうか」

 

参謀役。クラスのリーダーの手綱を引く役目。正直過去に不治の病である某精神病だった身としてはおいしいポジションだと思ってしまう。だが40人の将来を左右させるという大役が俺に背負えるはずもなかった。

 

「悪いな。そっちも無理だ、正直そこまで責任をとれる自信がない。クラスで何かやるってなったときはなるべく協力するし、迷惑もかけるつもりはない。けど無理だと思うし何より俺はAクラスの特典にも大した興味がない。そんな奴に引っ張られても周りもモチベーションの差が生まれるだろうしこの話は受けれない」

「そっか…なら仕方ないね」

 

先ほどの話と同様に一之瀬はあきらめ悪く粘ってくると思ったが意外にも落胆した表情こそ見せたものの潔く諦めてくれたらしい。罪悪感を感じながら俺は由比ヶ浜を置いて先に帰った。丸投げで悪いがきっと由比ヶ浜が何かしらフォローをしてくれているだろう。諦めた時の一之瀬の顔にやけに後味の悪いものを感じながら俺は、振り払うように早歩きで寮へと歩いた。

 

寮の自室に戻ると気にしないように考えていた疲れがどっと押し寄せベッドに倒れこむように横になり目を閉じる。学校のルール、これからのことを考えるとどうしても胃が痛くなる。いやほんと勘弁してくれませんかねぇ…あんなシステムを適用したら毎日がクラス中の相互監視で誰か一人でもcp減につながる行動をとったら針のむしろだ。実際それでいじめなどが起きないように監視カメラも設置したりして対策をとっているんだろうが、こんな方法で実力者をはかれるものなのだろうか。いろいろと気になることはあるが俺のやることは中学までとそう変わらない。目立たず、積極的でも消極的でもなく皆とうまくやる。あとは赤点をとって即退学、なんてことにさえならなければ問題はない。そもそも俺はこの学校の特典には対して興味もないし、それはきっと由比ヶ浜も同じだろう。一之瀬や神崎にも俺のスタンスは表明したし、由比ヶ浜もわかってくれるだろう。大体俺が雪ノ下や一之瀬以上の評価を受けている可能性のあるAクラスの面々に互角以上に渡り合えるとも思えない。CやDに対する専守防衛にしたって並大抵の努力じゃダメだろう。俺はこれ以上深く考えると泥沼にはまっていく気がして、諦めるように眠りに落ちた。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

<side 由比ヶ浜 結衣>

 

意外だった。なんだかんだヒッキーはいつもみたいに何かしら理由をつけて2人を支えると思っていた。きっぱり断ったつもりだろうけど教室を出る時のヒッキーの顔はどこか寂しそうだった。

 

「いや~、断られちゃったね。さすがにぐいぐい行くのはよくなかったかな」

「そうだな、比企谷は目立つのを嫌う節がある。クラスの中核になることで目立つのを気にしたのかもしれない。」

「そうだね、けど断られちゃったししばらくは私たちでがんばろっか!もしかしたら比企谷君も気が変わるかもしれないし!」

 

そう言って気合いを入れなおすほなみんの顔が、無理して頑張るときのゆきのんに見えた気がして、私はどうしても放っておけなかった。

 

「ねぇほなみん、神崎君。2人はどうしてAクラスに上がりたいの?私にはあんまり夢とかってなくて」

「私もすごく明確な目標があるわけじゃないんだけどね、うちはそんなに裕福じゃないから早くお給料のいいところで働いて、お母さんと妹に楽させてあげたいんだ。」

「俺も正直家業を継ぎたいと考えているから進路についてはそこまでだ。だがAクラスに上がれるだけの実力を身に着けたいと思っているし、そのうえで最大限実力を発揮しないのは愚かだと…そう、思っている」

「そっか…よし!決めた!」

 

私は頬を叩き顔を上げると2人は驚いた顔をしてこちらを見ていた。しかし、私の考えは今この瞬間に決まってしまった。

 

「私からもう一回ヒッキーに頼んでみる。それで…もし無理でも、このクラスで絶対にAクラスに上がろう!」

 

私の言葉に2人も顔を合わせ笑いあう。しばらく話した後に私たちはそれぞれ解散した。

 

私は友達が大事だ。ゆきのんも、ヒッキーも、まだ友達になってそんなに経ってないけどほなみんも神崎君もみんなと幸せに卒業たい。だけど彼女の、一之瀬帆波があの時した顔はなんでも1人で抱え込んでいた私の親友にそっくりだったから。だから、私は友達として支えるんだ。たとえ、親友と真っ向から立ち向かわなくちゃいけなくても。

 

おもむろに私はゆきのんに連絡して話せないかと部屋を訪ねた。彼女は、何か違和感に気づいたようだけど、それを口にはしなかった。

 

「あのね、ゆきのん。その…」

「大丈夫よ由比ヶ浜さん。ゆっくりでいいから、伝えたいことを教えて…待つから。」

「うん。…私、Aクラスで卒業したい。今のクラスのみんなで、だからゆきのんとはどこかでぶつかっちゃうと思う。だけど…ちゃんと決めたから。」

「そう、あなたが決めたなら本気なのでしょうね。もちろん私にそれを止める権利もないし、頑張ってほしいわ。けどそうね、別にケンカしたいわけじゃないのだし、せめてお昼休みくらいは今までみたいに一緒にご飯を食べましょう。クラス間競争のことなんて考えずに、中学の頃みたいに他愛のない話をしながら。」

「うん。私もそれがいい」

「あぁ、それと私は由比ヶ浜さんが相手だからって手加減はしないわよ。むしろ比企谷君と2人がかりで掛かってらっしゃい。こう見えて私、負けず嫌いなの。」

「うん、知ってる」

 

私たちは奉仕部の頃からとことん勝負ごとに縁があるようだ。平塚先生に言われたでもないのにあの時の勝負を思い出していた。しばらくの間軽い雑談をして、私はゆきのんの部屋を後にした。

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<高度育成高等学校 詳細情報>

・高度育成高等学校の敷地内で貨幣として使用することのできるプライベートポイント(以下ppと呼称)の付与条件を追加。詳細は下記を参照すること。

・ppとは別のクラスポイント(以下cpと呼称)の詳細を例年5月1日朝のHRにて担任教諭から口頭にて説明することとする。cpの詳細については下記を参照すること。

・cpについて…例年4月の入学時点においてA~Dの各クラス一律で1000cpを付与する。4月の授業日、また日常生活においてもcpの上昇は原則発生しない。cpは1ポイントにつき100ppの価値を持ち、各月1日の0:00分に各クラスの保有するcp×100ppがクラスに所属する全生徒に付与される。

・ppについて…例年4月の入学時点において、1年生全160人に対して一律で100,000ppを付与する。このppは校内敷地における貨幣として扱われ、1pp=1円の価値とする。また、当人同士の納得があればppを他人に譲渡することも可能である。必要に応じて教師立ち会いの下、契約書を作成することも可能である。また、ppを使った契約における当人には生徒のみであることを限定しない。

 

<cp推移>

4月1日時点

・Aクラス…1,000cp

・Bクラス…1,000cp

・Cクラス…1,000cp

・Dクラス…1,000cp

 

5月1日時点

・Aクラス…950cp

・Bクラス…660cp

・Cクラス…490cp

・Dクラス…0cp

 

<pp 詳細>

比企谷 八幡…131,337pp




年末年始がごたごたしててかなり間が空きました。申し訳ない。
今回から月の移動と試験などが起こる回には詳細を最後に入れようと思っています。試験のルールなんかは今のところあまり変える予定はないですが、cpの移動と数値をはっきりとさせておきたいので細かく書くタイミングもあると思います。
誤字脱字、感想等ありましたらご報告いただけると嬉しいです。

ヒロイン候補アンケート その他は教えてもらえると嬉しいです

  • 一之瀬帆波
  • 坂柳有栖
  • 椎名ひより
  • 堀北鈴音
  • その他
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