TS少女のやらかし記録。   作:チーズ美味しい

3 / 6
ちょっと短いかもです。あと誤字脱字がやっぱりあるかも…


うわぁーん私だけ場違い感があるぅー!

「おねぇちゃぁぁぁぁぁぁぁぁん!」

 

 

2日前、トンデモ発言をしてまた寝ていた少女が目を覚ました。が、鮮やかなピンク色の髪の毛の少女と、かつて今にも死んでしまいそうな瞳をしていた幼女がまたトドメを刺して再度意識を失っている。

 

何故かトドメを刺した本人達はまだ少女が気絶したことに気がついておらず、周りもまだ驚きが勝っているのか私以外気がつく様子はない。

 

今この場には合計8人の『超人』がいる。

 

超人はそれぞれ強力な願いを持って『不力』を得ているはずであり、それ以外共通点のないはずである。

 

しかし、目のハイライトをオフにしたちょっとやばい雰囲気を醸し出している彼女達は、絶対に寝ている少女を逃さないようにそれぞれ能力を使いかつてないほどのコンビネーションを発揮している。

 

(おかしいな…何故こんなことになったんだか…)

 

そう、初めは皆んな少しの尊敬か対抗心とかそんな緩い感じの感情だったはずだ。

 

が、あろうことか今は世界をも救った彼女は事あるごとに彼女達をトラウマから救い、見返りは求めず人間扱いをする。それはまぁ、()()()のも非常に仕方がない事だとは思うが、まさかこの6人をここまでにするとは予想もできなかった。

 

…お気づきいただけただろうか。

今私はあの少女に対して恋(?)*1に落ちているのは6人と言った。

 

そう。私は入っていないのである!

 

確かに普通の女の子なら堕ちてしまうのも納得だが、こちとらアホっぽい言葉を意識して話してる程捻くれているのだ。恋に落ちたら逆にドン引きものである。それに、もし惚れたとしても…今もハイライトオフったらまま彼女に抱きつき、自らの体と能力で逃げられない様に抑えているピンク髪(少女)程執着することはできないだろう。

 

 

まぁここまでは軽い理由だったが、1番の理由がある。

私は自身の『不力』の力のおかげで、相手の持つ力とその代償を見ることができる。圧倒的に力に差があると文字化けして見えないこともあるのだが、「絶対に相手の名前は知ることができる」これは前提条件である。

 

 

前に一度、ふと彼女の名前を知りたくなって覗いたことがある。

彼女は名乗らず、基本無言で素早く壊人を倒してしまうので見る暇が無く、病院に運ばれてきた時は名前が分からないという理由で彼女につけられた通り名が浸透しており、私もそちらで呼んでいたので見る必要はなかった。

本当にただ、気になっただけなのだ。

 

だが、だが…彼女の名前の欄は───と表示されていて読めなかった。

 

文字化けでもなく、滲んでいるわけでもなく、ただただ線が引かれているだけ。異常だ。あり得ない。

 

「名前」は魂に刻まれているもので存在しない筈はないのだ。どんなことをしても消えないし、願いを自身の存在…「魂の名」にかけて『不力』を得る超人が無いはずがないのだ。

 

前からおかしいと思っていた。拾ってきた幼女に名前をつけた時も、彼女についていた名前。「壊人殺戮機械」と酷いものだったが…「それ」を上書きした。魂に再度名を刻んだのだ。

 

どう考えても異常であり面倒ごとで間違いない。こんな「何か」に惚れるなんて論外だ。

 

 

…だが、世界を救ってくれた彼女を嫌いと言うわけではない。ただ怖いだけだ。報われてほしいし、あんだけやらかしたのだからみんなに一生捕まってればいいと思う。

 

 

それでも、やはりこの窓が曇りそうなほどエグい湿度とドス黒い雰囲気の彼女達に比べて、いささか…いや、だいぶ私は場違いな気がする。

 

取り敢えず、今度こそ死にそうな少女…「孤高の狼( Lonely wolf)」と呼ばれたウォルフを助けなければ。

 

「ねぇみんな?ウォルフ、気絶してるけどそんなに振ったら今度こそ死んじゃうよ?」

 

あ…部屋の温度下がったのに黒いオーラと湿度上がった気がする…

 

やっぱり…うわぁーん私だけ場違い感があるぅ!

 

…思考までこんな口調になるとは…遂に私の精神死んだのかな…

 

誰かわたしをこの空間から出して…

 

───────────────────────

「ねぇみんな?ウォルフ、気絶してるけどそんなに振ったら今度こそ死んじゃうよ?」

 

普段は少し大人っぽくしかし口調はおちゃらけているキリカさんが、少し真剣な声を出して伝えてくる。 

 

キリカさんがそう言った声を出すのは珍しく、自身が抱きしめていた彼女…──ちゃんに目を向ける。

 

……気絶している。一緒に抱きしめていたネルちゃんも困惑の声を上げており、予想外だった事が伺える。

 

普通、──ちゃんがこんな簡単に気絶することはあり得ないし、

今までもこんなことなかったため、まだ弱っているのだろう。瀕死レベルに。

 

キリカさんの言った言葉が頭の中で回り続ける。

死ぬ?──ちゃんが?あり得ない。あり得ていいはずない。

 

だって、まだ教えてあげられてない。私達がどれほど貴方を思っているか。どれほど貴方を愛しているか。

 

ネルちゃん、クウちゃん、サキちゃん、ウミ、マキ、キリカさん、そして私。それと、超人不力機関の皆。

 

貴方だけじゃ収まりきらないほど私達を救っておいて、照らしてくれる太陽になったくせに。

 

彼女を抱きしめていた手にさらに力がこもる。

 

「リン!手を早く離してあげて〜本当に死んじゃうよぉ?」

 

キリカさんの声に、ハッとなり手を離す。

 

思った以上に私は重症な様だ。

今はただ、また気絶してしまった彼女が起きるのを待とう。

 

最善の状態で今度こそ逃げられない様に。

あぁ、いつかの病院では窓が開けられて逃げられていたんだっけ?

念の為窓も封鎖しておこう。大丈夫、逃げられないはずだ。

 

 

彼女が起きたら取り敢えずゆっくりと話しながら、私達の気持ちを理解してもらおう。

 

もし、理解してくれなくても監禁でもして一生一緒に暮らすのも良いかもしれない。

 

そうだ!サキちゃんに頼んで彼女専用の催眠効果がある植物でも作ってもらっておこう!ネムちゃんには監禁部屋の設計をお願いして…クウちゃんには丈夫な物質を錬成してもらおう!

ウミにはいざと言うときに拘束してもらえる様に水を設置しておいて…

マキは部屋の装飾をお願いして…キリカさんには拳銃と睡眠効果のある弾丸を渡しておこう。

 

 

 

 

 

ふふふ楽しみだなぁ…

 

*1
…これは恋と言っていいほど甘酸っぱい何かなのだろうか…もっと禍々しい何かだと思う。




キリカさん巻き込まれて可哀想に…

今回は名前を伝えたかったので結構読みにくいかもです…
ちなみにリンさんは1話の主人公以外の目線の人です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。