TS少女のやらかし記録。 作:チーズ美味しい
追記
後書に豆知識を追加しました。
───知ってる天井だ。
おはよーござぜーまーすっっ!くっそぉ危なく死ぬところだったぜ…目が覚めたってことは生きてるってことだよな…死因がクソダサくならなくて良かったよ…
つーかここ病院だよな?なんか霧っぽいのでてない?まぁいいか…
今は…夜の1時か。…よしっ逃げよー!
手を握っている仲間と、俺に抱きついて離れない子供達をそっと離して立とうとした瞬間…
何かによって、俺はベッドに叩きつけられた。
「ッッッッ!?なに…が…?」
いや…これはリンとウミの不力の合体技だ。前自慢げにウミがリンを連れて見せに来たのを覚えている。
水と空気操作による拘束に特化した技…
だが、俺には効かないはずだぞ?まえ力技で振り切ったし…*1そうか!
「片手と…片足が…ないから…か」
『正解だよ。馬鹿野郎』
濃い霧の中から、
この世界で唯一俺の元の性別を知っている人間…
「みんな大好きクロくんだよー?」
「おまえかぁぁぁ!」
クロの姿を見た瞬間、あることに気がつく。
俺がベットに叩きつけられて結構な音がしたはずなのに、誰も起きないだと!?
「お前〜またやったな?睡眠効果のある霧を出すなんて性格悪りぃな〜まさか…リンとウミを唆して俺を逃げられないようにしたのか?」
クロと呼ばれた至って普通の人間に見える少年は、少し口を持ち上げて八重歯が見えるように笑いながら言う。
「んーなわけねえーじゃん」
……???病室が一気に静まり返る。
「はぁぁぁぁ???じゃあ何だよお前ぇーリン達が自分たちの意志で俺を拘束してるとでも言うのかよぉ!?」
「そうだぜ?まぁお前無自覚でやらかすタイプだしなぁ〜でもお前、もうそれ解除できないんだろ?やらかしちまったな」
いつもはあまり笑わないくせに今日はやけにニヤニヤしている。きめぇ!つーかリン達がそんなことするわけないだろ?あくまで俺達は仲間、友達なんだからよぉ
「…お前、もしかしてまだここにいる奴らのこと友達としか思ってない感じ?」
「あったりまえだろ!大切な友達だぜ?俺が厨二病だったからって変わることじゃねぇよ」
「あ、それは気付いたんだ」
俺はクロの顔面を殴ろうと飛びつこうとして…またベットに引き戻された。
「だぁぁぁぁぁあ!うぜぇぇぇぇえ!!一発殴らせろぉ!」
「やーだね。あとこれは俺のささやかなお節介だが、お前がやらかした事によってまた人同士の争いが始まるぞ?」
「何だと?詳しく説明しろッッ!」
問い詰めようとした瞬間、あいつは消えていた。
いつだって神出鬼没のクソ野郎なこった。
あまりの苛立ちに残っている方の手でベットを思い切り叩く。ベットが嫌な音を立てながら壊れて行くのを感じると同時に、リン達が起きるのが見えた。
「いたた…ミスった…」
即座に厨二病モードに切り替えて周りを見ると、こちらを凝視する皆んながいた。
「ウォルフ、これは一体どう言うことかなぁ〜?」
あ。キリカが珍しく顔を引き攣らせてる…
ん?これって俺が悪いの?俺をキレさせて帰ったアイツが悪くない??
ちょっやめっ、子供達!俺を簀巻きにしないで!
キリカも諦めた顔して簀巻きにされてる俺を見捨てないでー!!
やめろぉおぉーー!はなせぇぇぇー!
────────────────────────
ああ、修羅場だ…実に修羅場である…
誰か私を助けてぇ〜…なんか眠くなる霧出てきたからみんなに伝えて防ごうと思ったけどなんか防御貫通してくるし…起きたらウォルフベット破壊してるし…
…あれ?これってもしかしてもしかしなくてもウォルフ逃げようとした?
順序的に…
まず霧で私達を眠らせるでしょ?
↓
多分立ちあがろうとして失敗した。
↓
リンちゃんとウミちゃんの不力だって気付く。
↓
ベット破壊からの逃走を図る。
↓
私達が起きたと…
うーんやばい。さっき少しづつマシになってたのに悪化した。スリーアウトどころじゃないなこれ。
まだ目に光があった子供達も、ハイライトがオフに…私の癒しが…
許せない…ウォルフのあほーー!
「キリカさん。拘束銃、使ってください。貴方が一番強いんですから」
「へ????」
やばい飛び火した。ウォルフがすごい顔でこっち見てる。
違う、違うんだよ…確かに今君を少し恨んだけど私はハイライトオフってないよ…
「私そんなに強くないしぃ…ウォルフ拘束できるほどの力無いしぃ」
嘘である。ウォルフが出てきたばかりならいざ知らず、今の私なら拘束ぐらいなら出来る。
でもやだーー!ヤンデレ女どもと一緒にされたくないーー!
リンちゃんもリンちゃんだよ!何で怪我人にそんな強力な拘束しようとするの??もうやめてあげてぇー!
やばい…もたついてたらすっごい圧強くなった…おかしい、私ならウォルフ以外に負けるはず無いのに今なら絶対負ける気がする…
やばい殺されそう。
ウォルフごめん、君を見捨てるよ…骨は拾ってあげるからさ…
「ごめんねぇー?ウォルフ、許してちょ!」
南無三!!!
あ…運ばれてった。
どこ行くんだろぉなぁ(思考放棄)
「キリカさん、ありがとうございます♪」
「あ、はい…」
リンちゃん…恐ろしい女ッッッッ!
前はあんなに天真爛漫で可愛らしかったのに今やドロドロだね。
過去に戻りたぁい。一瞬素で返しちゃったし…はぁ…もうだめ…
「ところで、キリカさんは私達と一緒に来ますか?」
ビクゥ!こわいこわいこわい…一緒に行くって何処に??多分ウォルフが連れてかれたとこだけど…ついてったらマジで人間としてダメな気がする…
ここは、ひとまず撤退!
「うーん、ひとまず私は組織に報告してくるよ!他のみんなも気になってるだろうし!声明も出さないとね!」
「確かに!そうですね。それではお願いします!」
ふー逃げられ…
「後で場所を連絡しておきますね!」
なかった…
ふぐぅ…本当に恨むぞウォルフぅー!
はぁ、胃薬買ってからいこ…
──────────
「以上から、ウォルフは起きましたよー!伊藤さん!」
「了解した。なるほど、彼女は無事なのか、良かったよ」
この人は伊藤さん。組織の管理者だ。
性格は善人と言って良いと思うが…何だか少しきな臭い。
不力も前はあったらしいが今は喪失しているらしい。
そう。不力は消えるのだ。願いを元に代償を払う不力だがその願いが薄れると、代償が帰ってくる。または取られなくなる。
しかし、彼はいきなり現れた。そして、たった3年と半年で管理者まで上り詰めた。
元々何の不力持ちだったかは不明で当時は怪しまれたが、今やその人徳と善性から認められ信頼されている。
そして、
怪しいことこの上ない。だが、今の所不審な動きはしていない。
全てが解決した今、疑うのもアホらしいことだが…
あの親玉が消えても、アイツが生み出した壊人は消えていない。
こいつが壊人って事も、なくもないだろう。
壊人を倒し切るまで、私は終わらない。疑うことをやめられない。
だから、伊藤さんやみんな。ごめんなさい私は仮面を被り続ける。
「そうなんですよー!でもウォルフしばらくは休まないとダメですよね〜もう引退にでもしちゃいます?」
「引退については本人からきこう。だがそれまでの世話は、君達に任せるよ」
無表情で分かりにくいが心配はしているのかな
「はい!ドーンと任せちゃってください!リンちゃん達に!」
「桐花くんじゃないんだね。まぁ確かに倫くん達も仲が良かったね。」
「はい!(それに、無事は保証できないので!)」
ウォルフに会いたがらないのに気にかけはするんだよなぁ…
調子が狂う。
「それでは!失礼します」
「あぁ、桐花くん。君も、お大事にね胃薬あまり強いものを使うと体調を崩すよ」
「!?それはどう言う」
「もう下がってくれて大丈夫さ」
何故、私が胃薬を買っていることを知ってたんだ…?
まるで私の気苦労を知ってるみたいに。
それを問い詰める前に誤魔化され、管理者室の扉は閉まって行く。
突入するか悩んでいたところで、リンちゃんから連絡が来た。
「はぁー…今優先すべき事はこっちか」
私は重い足取りでリンちゃんが送ってきた場所へと向かった。
キリカちゃん胃薬が増えて…どんまい。
▼キリカちゃんの使っている胃薬はより効力が強いものへと進化した!
誤字脱字報告等よろしくお願いします
感想とかも非常に励みになっております!
誤字修正しました!ありがとうございます。
豆知識
キリカさんは元々自身の素の性格を隠して接していることにとてつもないストレスを感じているよ!だから元々胃薬をよく飲んでたけど主人公のせいで悪化したよ!今回で胃薬の強さがワンランク上がったよ!
胃薬くんとはソウルメイトだよ!
めんどくせぇ性格だね…これがまとも枠という事実…
あと、主人公がやらかす前はリンさんは天真爛漫、ウミさんは活発タイプ、マキさんはお淑やかツンデレタイプだったよ!みんな心に結構な闇を抱えてたよ!今は見る影もないけどね!