TS少女のやらかし記録。   作:チーズ美味しい

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今回はシリアスが強めの過去回想が入ります。次回も回想予定です。


もし掲示板回を作るとしたら1から学んで頑張ります…多分初心者すぎて上手く出来ません…

誤字報告等、とても助かっています!よろしくお願いします!感想などもいただけるととても嬉しいです…(〃ω〃)チラッ


思い出すのはあの時の…

おねぇちゃんを布団でぐるぐる巻きにして運びながら、その綺麗な横顔を見る。

 

「…離してくれないか?ネル。」

 

いつも通りの優しい口調でおねぇちゃんが私に話しかける。

その態度に少し苛立ってしまう。先程ボク達から逃げようとしたくせにボクに助けを求めるなんて。

 

「いやですよ。ボクはおねぇさんを手伝いません」

 

するとちょっとショックを受けた顔をしながら拗ねた口調で言う。

 

「…おねぇちゃんって呼んでくれてたのに…」

 

いつもは無表情でぴくりとも動かない顔が悲しげになる。*1

 

 

おねぇちゃんはずるい。ボクが必死に取り繕って壁を作ってもその顔ひとつで崩れてしまう。

 

でもね、手伝う事はできない。

 

だって、おねぇちゃんはボクたちと一緒に暮らし続けるのだから。

 

おねぇちゃんが悪いんだよ。ボクが心ではおねぇちゃんと呼んでいるのにおねぇさんと口上では呼んでいるのは何でか、なんでボクはおねぇちゃんと接する時敬語が多いのか、きっと貴方は考えた事もなかったよね。でもさ、ボクは意識して欲しかったんだ。「家族」としてではなく、一恋愛対象として。

 

貴方はそれに気付く事も、気づこうともせず死のうとしたね。

 

さっきまでボクはこれは「恋」だと思ってたんだ。

でも、貴方がさっきボクを置いて逃げようとした時心にドス黒い何かがある事に気がついたんだ。

 

貴方に怪我をしてほしくない。貴方にずっと一緒にいてほしい。貴方に撫でてもらいたい。貴方に褒めてもらいたい。ずっと…ボクだけの貴方でいてほしい。他の人を優しくみる目をボクにだけむけてほしい。他の人に差し出す手をずっと離したくない。他の人に、取られたくない。

 

おねぇちゃんが前リンさんを家に連れてきた時、ボクは言われのない感情に支配されてたんだよ?

 

“いやだいやだいやだいやだいやだ!おねぇちゃんはボクのだ!なんでクウとサキ以外の人をうちに入れるの?いやだいやだいやだ!”

 

こんなこと、ボクはとても口に出して言えなかった。だって、ボクはおねぇさんにとってのいい子にならなくちゃ。そうじゃなきゃ、見てもらえないから。

 

でも、こんな醜い感情を自覚させておいて逃げるなんて許せないよ。

 

たとえそれが嫌われる事になったとしても。ボクは貴方を逃さない。

 

 

 

 

ふと、おねぇちゃんと目が合った。怯えているわけでもなく悲しんでいるわけでもない。

 

ただ、愛しむように細められた目。*2

 

思い出すのはあの時の…ボクたちを救ってくれた時の目だ。

 

ボクたちはおねぇちゃんが助けてくれなかったら、まだあの人たちの呪縛に支配されてたのかな。

──────────────────────────

─追憶─

いつも通りの貼り付けた笑みを浮かべながら、父と母の研究に付き合う。

 

ワタシは孤児だ。そして、父と母に引き取られた。

「壊人」が現れた後、孤児は増え続けている。その事を踏まえるのならこの例えボロボロでも服が着れる生活と腐っている食料でも食べられるだけ、ましなのだろう。

 

でも、ほんの少しだけでも愛が貰えるとしたらワタシはきっと何よりも幸福なのだろう。

 

父と母は、壊人を殺すための「不力」の研究に必死になって取り掛かっている。曰く、復讐したいそうだ。

 

…もし、不力以外で壊人を殺せるならワタシは幾らでも殺すことができるのに。

 

 

ワタシは昔から物の設計を考えるのが好きだった。周りからは異質と評されて忌み嫌われたが、その頭脳を持ってすれば壊人を殺せる装置なんて幾らでも考え出せるのに。

 

と、そう言う思いが思ったよりも強かったようだ。ある日、ワタシは「不力」を手に入れた。不力を使わずに殺す方法を考えていたのに、大元を手に入れてしまうとは。

 

喜んでそれを父と母に伝えに行くと突然人が変わったようににっこりとした笑顔を浮かべて近づいてくる。

 

「そう…貴方不力を手に入れたのねぇ。てっきり使えない物を拾ってしまったと思ったけれど、うれしいわぁ」

 

「そうだな。こいつを使えばたくさんの壊人を殺すことが出来るだろう。」

 

 

それから暫くして、ワタシの能力の「弱点を見抜くことができ、思考能力が向上する」に重大な欠点が見つかった。

 

ワタシ1人の能力では壊人を殺すことができないのである。

 

壊人を殺すには条件がある。

不力を持つ人間が直に攻撃をする、または不力のこもった物で攻撃する。

後者は、不力がものを作り出すまたは付与系統の能力でなければ使えない。

前者だとしても、武器と体が直接繋がってないといけない。例えば、拳銃を撃っても弾触れていないと意味がないのだ。

 

つまり、ワタシの能力で計画を練り攻撃しようとしても武器の錬成は出来ないため壊人には効かない。

包丁や刀を使って刺せれば話は別なのだが生憎私は元々弱い体が契約で更に弱くなってしまった為希望がなかった。

 

 

「どうしてよッこれじゃぁ壊人を殺せないじゃない!超人なんでしょ!?何とかしてよ!」

 

気に入らないとばかりに母が私を殴る。完全に弱ったワタシは壁に頭を打ちつけた。

 

 

「いや…待てよ?子供をまた連れてきて「超人」にすればいいんだよ!そうすれば壊人を殺せる!」

 

「でも…それだと世間に児童虐待と言われ、犯罪になってしまうわ!!」

 

「安心しろ。「超人」は人を超えた存在だぞ?人間と同じ扱いなんてしなくていいじゃないか!人権なんてないに等しい。所詮、超人なんぞ壊人を殺すための道具だ。そうだろう?殺人殺戮兵器。」

 

あぁ。不味い…ワタシが役立たずだったせいで他の子にも被害が及んでしまう…

 

ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい

 

お願いだから…巻き込まないであげて…

 

ワタシが悪いんだ…ワタシが弱くて雑魚だから、だから他の子が犠牲になるんだ…ワタシが愛が欲しいなんてわがままを考えたから…

 

強くならなくちゃ。ワタシが…ボクが、ボクのせいで巻き込まれた子を助けられるぐらいに…

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして、新しい子供(犠牲者)がうちに来た。ボクがしっかりしていたら犠牲にならなかったはずの子が。

 

目は黒く澱み酷く痛々しい見た目をしていた。

 

ボクは頑張った。この子が不力に目覚めない様に、あの汚い両親(醜い大人)に利用されないように。

あの子の目に光が少し灯り、ちょっとずつ話せる様になった時に、あの子は不力を手に入れた(最悪の事態が起きた)

 

いつだって、神は残酷だ。ボクのことが嫌いなのだろうか?いや、きと嫌いなレベルではないのだろう。憎まれている。

そんな気がした。

 

 

 

あの子の能力は「物質創造」自身が望む素材を限度はある様だが、生み出せると言う物だった。

…不力によって創造した物には、総じて不力が付いている。

皮肉にも、ボクの能力と非常に相性が良かった。

 

 

…あの子は、2号と名付けられた。

ボクは1号だそうだ。

 

 

「これで壊人が殺せるわ!一匹じゃなく沢山よ!」

 

「ああそうだな!このままもっと沢山の子供を引き取って僕たちの駒にしよう!」

 

 

あまりにも、自身が親と呼んでいた大人が気持ち悪く見えた。顔が真っ黒に塗りつぶされて行く。醜く、悍ましい。

 

 

やがて、ボクと2号は休む間もなく壊人を殺す装置を作らされ続けた。

ボクが一日中考えて作った設計図をもとに、2号が鉄やゴム、釘を創造する。

それをまた組み立てて、はじめの作業に戻る。

 

眠る時間は取られていたが、ボクには意味がなかった。

 

ボクの代償は「体が弱体化する」ことと「思考を練った時間の倍眠ることができなくなる」ことだ。

一日中思考し続けているボクは2日寝ることが出来ない。その間にもボクは考え続けて時間が伸びる。

文字通り、死ぬほど眠いし寝たいのに眠ることが出来ない。

 

2号の方を見ると、皿を食べようとしたり自身の腕や足を血が出ても噛み続けたりしていた。

 

光が宿っていた目は初めてあった時よりも黒く染まっている。

 

嫌だと思っていてもボクの頭は答えを導き出した。これは予想だが2号の代償のうち一つは「物質を創造する代わりに、飢餓寸前の空腹状態になる」でほぼ間違いないだろう。

 

…きっと、不力の代償の所為で死ぬことはない。寝不足で過労死はしないし、飢餓死もしない。

 

だが、今までの事例を見るに自殺やショック死、空腹によって自身を傷つけて出血多量で死ぬのはあくまで自己責任なのだ。

 

2号もやがて限界が来る。2号が死んでしまったら、ボクはどうなるのだろうか。きっとあいつらはまたボクを殴るだろう。それか2号の代わりを連れてくるかもしれない。するとまた、機械の様に働き操り人形になるかな。

それとも、ボクの心は耐えきれずに自殺するかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

どのみちボクは1人で死ぬのだろう。1人は…嫌だなぁ(だれか、たすけて)

*1
遂にネルが自ら妹分だと認めたと思ったのに…by主人公

*2
※ただ眠くて瞼が閉じそうなだけです




ネルさんの一人がワタシからボクになったのは強く見えると思ったためです。何故オレではないのかというと、彼女の中の最も強い人が自身が親と呼んでいた2人であり、力が強く殴ってくると一番痛い父親の僕と言う一人称を真似たからです。

因みに何故主人公はありとあらゆる痛みを与えられてショック死等しないのかと言うと、英雄はそんな程度で死なない!と言う考えから来る気合いで耐えています。気合いで耐えています(真顔)。どんな化け物だよ…壊人よりもこっち討伐したほうがいいと思う…色々やらかしてるし…
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