転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
「ふむ」
並走する護衛艦からプラントに関する情報を得たトダカは、しばし考え込んでいた。
この情報を胸にしまっておくべきか、それとも共有すべきか。
そして――共有を選んだ。
「情報は少しでも多い方が良いだろう。それが彼らにとって新たな負担になるとしてもな」
――
「ラクスさんが殺害される可能性がある?」
「そうだ」
「相手は?」
「同じプラント評議員だ」
「? どういう事です?」
トダカはマリューたちに、自分が得た情報を公開した。
「まず、ラクス嬢は現プラント評議会議長シーゲル・クラインの娘だ。
彼自身は穏健派だという事だが、彼の命令によって“人類最大の大虐殺”が引き起こされた事は間違いない。
それを主導したのは同じ評議員のパトリック・ザラ。彼とシーゲルは親友だそうだ。
息子と娘を婚約させている事からも事実だろう」
「それが?」
「最近はシーゲルとパトリックの間で揉めているらしい。
シーゲルは“自分に大量虐殺を実行させた”事から。
パトリックは“ナチュラルに対する対応が甘い”と言ってな」
「一億数千万を殺しておいて甘いって……」
ムウはパトリックの考え方に絶句した。
「どうやら“バレンタインの悲劇”で奥方が亡くなったらしい。それ以来、急激にナチュラルへの報復を叫ぶようになったようだ」
「普通じゃない」
「狂ってますね」
ムウとナタルの意見には、大多数の人が同意するだろう。
どんなに大切な人だったとしても、その報復に“一億数千万の命”を奪うなど狂気の沙汰だ。
「おそらくパトリックの頭の中には“ナチュラルへの報復”しか存在しない。
そのためならプラント内の世論を強硬派で統一し、シーゲルのような穏健派の存在そのものを排除したいはずだ」
「それが?」
トダカは静かに告げた。
「“プラントを代表する歌姫が、野蛮なナチュラルに殺害される”
――プラント内の世論を強硬派に統一するには十分な理由になると思わないかね?」
「!!!」
三人は驚愕した。
「それは……」
「有り得ないとは言えないですね」
「しかし親友の娘で、息子の婚約者ですよ? そこまでやります?」
「実行者が彼である必要はない。
彼の周辺の者が同じような考えで行動に移す危険性がある事が問題なんだ。
少女一人の犠牲でプラント内を強硬派に統一できると考えれば、実行する者がいても不思議ではない」
「……」
「しかも彼らの目の前でラクス嬢が殺害されれば、どう見ても“我々が実行した”ようにしか見えない。
これも強硬派にとって利点だな。
ラクス嬢を乗せたポッドがMSで狙撃されれば、それで終わりだ。
何か対策を打つ必要がある。それをこうして話しているわけだ」
「そうは言っても、なあ?」
「でもやらない訳にもいかないでしょう?」
ナタルが口を開いた。
「……狙っているのはパトリックの強硬派なんですよね?」
「ああ、そのはずだ」
「なら、こういうのはどうでしょう?」
ナタルの提案は検討の末に受け入れられ、
その実行は――キラに託された。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
運営に怒られてしばらく非公開になっていました。
楽しみにしていた方には申し訳ありませんでした。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
次回お楽しみください。