転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
皆様お待ちかねの「彼」の登場です。
「彼」の登場がC.E.に何をもたらすのか?
お楽しみください。
ハルバートンは焦っていた。
NJでレーダーが使えない中、奪われたGシリーズと十数機のジンが突然強襲してきたのだ。
先手を取られ、混乱しているうちに迎撃に上げたMAは次々と撃墜されていく。
ついには艦艇まで撃沈され始め、混乱はさらに拡大していった。
だが、その混乱の中で――
ただ一角だけ秩序を保っている場所があった。
オーブの艦がいる一角である。
クルーゼから「足付き(アーク・エンジェル)とオーブの艦には近づくな」と命令されていたジンのパイロットたち。
しかし命令を無視した彼らは、アストレイによって早々に撃墜されていた。
――
アーク・エンジェルは4機のGシリーズに攻撃されていたが、アストレイが援護に動くことはなかった。
アストレイの任務は輸送艦に乗った軍関係者の護衛――当然の判断だ。
しかしそんな事情を知らないアスランたちは、
「アストレイが来る前に」
と、キラのストライクに激しい攻撃を加えていた。
キラとムウの戦術は単純だった。
• 片方が囮になり、片方が撃つ
• もしくはアーク・エンジェルの射線上に敵を誘導する
ムウのメビウス・ゼロがどれだけ高性能でも、Gシリーズには敵わない。
だが兵器とはスペックが全てではないことは、すでにオーブが証明していた。
敵を撃墜する必要はない。
フェイズダウンさせれば撤退せざるを得ない。
回避、迎撃、攻撃――すべてにエネルギーが必要だ。
エネルギーの尽きた敵など放置しても構わない。
二人はその戦術を徹底し、戦場を駆け回った。
――
「こいつ、ウロチョロと!」
頭に血が上ったイザークはストライクを追い回し、いつの間にかオーブ軍の傍まで来ていた。
「あ!」
キラは気付いた。
――この船は、あの女の子が乗っている船だ。
あの子がこの船に乗っている。
折り紙の花をくれた、あの子が。
「じゃまだ〜!」
「や、やめろー!!」
キラの叫びは届かなかった。
エンジンを直撃された輸送艦は、激しい炎を噴き上げた。
「あ、あ、あ、あ、あ、ああ~~~~~~~~~~~~~~~!」
不幸な偶然だった。
• キラとイザークがもつれ合うように戦場を駆け回ったため、アストレイの敵味方識別装置が働かず射撃不能
• 同時にアストレイは別方向からの攻撃にも対応しており、純粋に手数が足りなかった
• キラとイザークの進行方向は、アストレイのいる位置とは逆方向
それらの事情を、キラは知らない。
キラに分かるのは――
あの花をくれた少女の船が撃たれたという事実だけ。
キラは他の何も目に入らないかのように、イザークのデュエルへ狂乱するようにビームライフルを撃ち続けた。
――
第8艦隊は全滅の危機にあった。
アーク・エンジェルも必死にハルバートンを援護しようとしたが、突入角度がずれ、アラスカへの降下も不可能になった。
必死にハルバートンを援護しようとしていたマリューにオーブ艦から通信が入った。
「艦長!無理はするな!そのままの角度を維持しろ!」
「トダカ一尉!でも!」
「安心しろ!切り札がもうすぐ届く!」
「切り札?ですか?」
「そうだ。我々オーブの切り札がな!」
もはやこれまで――
ハルバートンが覚悟したその時。
「援軍です! オーブ軍の援軍です!」
通信士の声が響いた。
「援軍?」
「MSの小隊3機だそうです!」
「3機だと! 今さら3機程度のMSが来たところで何になるというのだ!」
ハルバートンの言葉は正しかった。
十数機のジンを相手に、たかが3機のMSが来たところで意味などない。
――普通であれば。
この日、オーブは期限までに納得のいく回答がなかったとして、正式にプラントへ宣戦布告していた。
そのため、
• アメノミハシラへ向かう軍関係者の保護
• 戦闘中の第8艦隊への援軍
として、MS小隊3機が派遣されていた。
その小隊のMSの肩には、青い縁取りのされた“流星”のエンブレム が刻まれていた。
第8艦隊に接近したオーブ艦は、MSの発艦準備を開始する。
「発進シークエンス終了、カタパルト設置OK!」
「こちらガンダム・アストレイ、メテオ小隊発進準備完了!」
アムロは大きく息を吸い込んだ。
そして――
「アムロ、行きまーす!!!」
この世界での、正式なオーブの、
“ガンダム”の初陣 だった。
この時、C.E.に――
新しい伝説が生まれた。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
皆様お待ちかねの「彼」の登場でした。
次回「彼」の活躍がC.E.の歴史を、時代そのものを根本から変えることになります。
次回お楽しみください。