転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
皆様お待ちかねの「彼」の活躍です。
「彼」の活躍によりC.E.の歴史が根本から変革される事になります。
お楽しみください。
それは、本当に――何の前触れもなかった。
男はやたら大きなこの戦艦のブリッジを撃ち抜いてやれば、
ナチュラル共はどんな悲鳴を上げるだろうと想像していた。
その瞬間を想像して、男は口元を歪めていた。
(所詮ナチュラル如きが、我々コーディネーターに逆らうなど――)
引き金に指をかけた、その刹那。
コクピットを貫く“光”が、世界を奪った。
宇宙の闇を切り裂く閃光。
次の瞬間、ジンのパイロットの視界は真紅に染まった。
衝撃も痛みもない。
ただ、理解が追いつく前に意識が焼き切れた。
男は、自分が死んだことすら知らないまま、光の中に消えた。
「ひとつ」
ハルバートン提督の乗るメネラオスのブリッジを狙っていたジンを狙撃し、アムロは静かに呟いた。
その声は驚くほど静かで、戦場の喧騒とは無縁のようだった。
メネラオスのブリッジを狙っていたジンが、煙を引きながら爆散する。
周囲に展開するジンを見渡し、振り向くのが遅れた一機を視線入力でロックオンして射撃。
「ふたつ」
データリンクでバーニーとクリスのアストレイの援護射撃で体勢を崩したジンを把握し、ビームライフルで撃ち抜く。
「みっつ」
こちらに向かってくるジンに、すれ違いざまの一撃。
「よっつ」
後方から迫るジンに振り向きざま、正面から一撃。
「いつつ」
上から振り下ろされる斬艦刀を一瞬で軌道を読んで躱し、すれ違いざまビームサーベルが閃き、ジンを縦に両断。
「むっつ」
遠距離のジンへ接近しながら敵が反応する前に、胸部へ一撃。
「ななつ」
構えた斬艦刀ごと突っ込んでくるジンを、ビームサーベルで斬艦刀ごと正面から両断。
爆散した破片が散り、火花が宇宙に舞う。
「やっつ」
怯えたように乱射してくるジンの銃撃を全てを紙一重で避け、至近距離でビームライフルの一撃。
「ここのつ」
バーニーとクリスも3機のジンを撃墜しており、
12機のジンが全滅するのに、3分もかからなかった。
音のない真空の宇宙で、それ以外の理由による静寂が戦場を支配していた。
――
ハルバートンは茫然としていた。
自分達は全滅寸前だったはずだ。
自分も死を覚悟した。
あれはなんだ?
どうやったら人間にあんなまねができる?
コーディネーターか?
いや、コーディネーターにもあんなことは不可能だ。
「照会結果出ました!」
「救援に来た部隊はオーブ軍メテオ小隊です!」
「メテオ小隊?」
「流星!“オーブの白い流星”だ!」
生き残った者達の歓喜が爆発した。
――
ヴェサリウスでは帰還出来た者達が顔面を蒼白に染めていた。
「な、何ですか、あ、あれは?」
震えるニコルの問いに言葉を返すものはいない。
Gシリーズはアスランとニコルのみが帰還、イザークとディアッカは地球に降下した。
15機のジンの内、残ったのは損傷の為戻った一機のみ。
それもオーブのMSが現れた途端、恐慌を起こしたかのように機体の修理を指示した。
機体の修理が終わるころには既に戦闘は終了していた。
男は格納庫の隅で膝を抱えてガタガタ震えながら「悪魔だ。悪魔が来る」と呟き続けた。
クルーゼでさえ冷汗を止められなかった。
(あれは違う!ナチュラルやコーディネーターというレベルではない!存在そのものが我々“人間”とは違う!)
クルーゼは無意識に自分を「普段あれほど憎悪している“人間”に分類している事」に気付かなかった。
――
こうして「低軌道会戦」は終了した。
そしてそこで後々まで語られる伝説が生まれた。
味方からは「白い流星」、敵からは「オーブの白い悪魔」と呼ばれる伝説が誕生した瞬間だった。
最初にこの戦果を聞いた者は、誰もが「単なる戦場の伝説」だと疑った。
しかも、それを成し遂げたのはコーディネーターではなく、
ただのナチュラルだというのだ。
だが、その戦果は誰の目にも明確に確認できる記録として残っていた。
――伝説が、現実になった日だった。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
アムロ無双の回でした。
「閑話6-2 熱狂」で「ニュータイプの存在が、すでに現実として証明されていた」事とは、
このアムロの活躍の事でした。
このアムロの戦果によってC.E.の歴史が大きく変わる事になります。
次回お楽しみください。