転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。

皆様お待ちかねの「彼」の活躍です。
「彼」の活躍によりC.E.の歴史が根本から変革される事になります。

お楽しみください。





第90話 伝説

 

 

それは、本当に――何の前触れもなかった。

男はやたら大きなこの戦艦のブリッジを撃ち抜いてやれば、

ナチュラル共はどんな悲鳴を上げるだろうと想像していた。

その瞬間を想像して、男は口元を歪めていた。

 

(所詮ナチュラル如きが、我々コーディネーターに逆らうなど――)

 

引き金に指をかけた、その刹那。

コクピットを貫く“光”が、世界を奪った。

宇宙の闇を切り裂く閃光。

次の瞬間、ジンのパイロットの視界は真紅に染まった。

衝撃も痛みもない。

ただ、理解が追いつく前に意識が焼き切れた。

男は、自分が死んだことすら知らないまま、光の中に消えた。

 

「ひとつ」

 

ハルバートン提督の乗るメネラオスのブリッジを狙っていたジンを狙撃し、アムロは静かに呟いた。

その声は驚くほど静かで、戦場の喧騒とは無縁のようだった。

メネラオスのブリッジを狙っていたジンが、煙を引きながら爆散する。

周囲に展開するジンを見渡し、振り向くのが遅れた一機を視線入力でロックオンして射撃。

 

「ふたつ」

 

データリンクでバーニーとクリスのアストレイの援護射撃で体勢を崩したジンを把握し、ビームライフルで撃ち抜く。

 

「みっつ」

 

こちらに向かってくるジンに、すれ違いざまの一撃。

 

「よっつ」

 

後方から迫るジンに振り向きざま、正面から一撃。

 

「いつつ」

 

上から振り下ろされる斬艦刀を一瞬で軌道を読んで躱し、すれ違いざまビームサーベルが閃き、ジンを縦に両断。

 

「むっつ」

 

遠距離のジンへ接近しながら敵が反応する前に、胸部へ一撃。

 

「ななつ」

 

構えた斬艦刀ごと突っ込んでくるジンを、ビームサーベルで斬艦刀ごと正面から両断。

爆散した破片が散り、火花が宇宙に舞う。

 

「やっつ」

 

怯えたように乱射してくるジンの銃撃を全てを紙一重で避け、至近距離でビームライフルの一撃。

 

「ここのつ」

 

バーニーとクリスも3機のジンを撃墜しており、

12機のジンが全滅するのに、3分もかからなかった。

 

音のない真空の宇宙で、それ以外の理由による静寂が戦場を支配していた。

 

――

 

ハルバートンは茫然としていた。

 

自分達は全滅寸前だったはずだ。

 

自分も死を覚悟した。

 

あれはなんだ?

 

どうやったら人間にあんなまねができる?

 

コーディネーターか?

 

いや、コーディネーターにもあんなことは不可能だ。

 

「照会結果出ました!」

 

「救援に来た部隊はオーブ軍メテオ小隊です!」

 

「メテオ小隊?」

 

「流星!“オーブの白い流星”だ!」

 

生き残った者達の歓喜が爆発した。

 

――

 

ヴェサリウスでは帰還出来た者達が顔面を蒼白に染めていた。

 

「な、何ですか、あ、あれは?」

 

震えるニコルの問いに言葉を返すものはいない。

 

Gシリーズはアスランとニコルのみが帰還、イザークとディアッカは地球に降下した。

 

15機のジンの内、残ったのは損傷の為戻った一機のみ。

 

それもオーブのMSが現れた途端、恐慌を起こしたかのように機体の修理を指示した。

 

機体の修理が終わるころには既に戦闘は終了していた。

 

男は格納庫の隅で膝を抱えてガタガタ震えながら「悪魔だ。悪魔が来る」と呟き続けた。

 

クルーゼでさえ冷汗を止められなかった。

 

(あれは違う!ナチュラルやコーディネーターというレベルではない!存在そのものが我々“人間”とは違う!)

 

クルーゼは無意識に自分を「普段あれほど憎悪している“人間”に分類している事」に気付かなかった。

 

――

 

こうして「低軌道会戦」は終了した。

 

そしてそこで後々まで語られる伝説が生まれた。

 

味方からは「白い流星」、敵からは「オーブの白い悪魔」と呼ばれる伝説が誕生した瞬間だった。

 

 

最初にこの戦果を聞いた者は、誰もが「単なる戦場の伝説」だと疑った。

しかも、それを成し遂げたのはコーディネーターではなく、

ただのナチュラルだというのだ。

だが、その戦果は誰の目にも明確に確認できる記録として残っていた。

――伝説が、現実になった日だった。

 

 

 






※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

アムロ無双の回でした。

「閑話6-2 熱狂」で「ニュータイプの存在が、すでに現実として証明されていた」事とは、
このアムロの活躍の事でした。

このアムロの戦果によってC.E.の歴史が大きく変わる事になります。

次回お楽しみください。

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