転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください
「一体どういう事だ?」
「なぜここでこの選択肢を選ぶ?」
「この場面でこうする必要はないはずだ?」
アムロの動きを検証していた者たちは、理解不能な状況に混乱していた。
「全体を通して見れば、アムロ二尉のとった行動は正しい。
伏兵がいるなら停止するのは当然だし、遠方の敵を射撃するのも当然だ。
しかし――この状況でそれを選択する必要はないはずだ」
「全体の状況を把握しているので、目の前の状況よりも“全体最適”を優先しているという事でしょうか?」
「そうとしか考えられん。だが目の前の敵を無視して別の敵への対処を優先するなど、普通は不可能だ」
「アムロ二尉が普通ではないだけでは? 何しろニュータイプなのですから」
「それで思考停止していては意味がない。戦訓として生かせるものは、どんなものでも生かさねばならん」
「……そうですね。申し訳ありません」
「いいさ。私もそう言いたくなる気持ちはわかるからな」
そうして詳細に検証されたアムロの動きは、彼らを絶句させるものだった。
「普通のパイロットであれば、目の前の敵の対処で精一杯だ。
それが終われば次の敵、それが終わればまた次……というようにな」
「まあ、普通はそうですよね」
「しかしアムロ二尉は違う。この動きからすると、アムロ二尉はその場で“全ての敵の脅威度”を判断している。
例えば遠くの敵は脅威度2、その傍の敵は脅威度1……というようにな。
そして交戦中の目の前の敵を含め、脅威度の高い順に攻撃している」
「たとえ目の前に敵がいても、脅威度が低ければ後回しにし、脅威度の高い方を優先する……という事ですか?」
「おそらくな。アムロ二尉の“認識範囲”に入った時点で敵は脅威度を判定され、
友軍を攻撃しようとして脅威度が上がった敵を、アムロ二尉が優先して撃破したのだろう」
「それって……アムロ二尉の認識範囲に入ったら、敵は逃げられないのでは?」
「そうなるな。アムロ二尉は“敵意”を持った相手を感知している。
戦場で相手に敵意を持たない兵士など存在しない。
アムロ二尉はその敵意の強さに応じて対応しているというわけだ」
「日常生活では単に“相手が何をして欲しいのかなんとなくわかる”という程度ですよね?」
「“目の前の相手を殴ってやりたい”という雰囲気を全身から出していれば察するのは、
ニュータイプでなくても簡単だ。
戦場ではそんなのは珍しくもないし、雰囲気の強さは比較にならん。
それを察知するのは、“多少勘がいい程度”でも十分だな」
「つまりアムロ二尉は“戦場全体を見渡して、全体の最善を選び続けている”という事ですか?」
「そういう事だ。そんなものはニュータイプでなくても獲得できるが、
アムロ二尉の能力と組み合わさった結果が、あの戦果という事だろう」
――
結局、アムロの戦果は
「戦場全体を見渡して“全体最善”を選び続けた結果」 に
「ニュータイプの能力が加わった結果」
であると判断された。
これにより、一旦は
• 「アムロの個人的才能の結果」
• 「アムロが天才だったから」
という安易な結論が導かれようとした。
――その時、それを根底から覆す事実が発覚した。
バーナード・ワイズマン三尉とクリスチーナ・マッケンジー三尉にも、ニュータイプの兆候が確認されたのである。
CEにおけるニュータイプの概念の拡大は、もはや誰にも止められなかった。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
アムロをきっかけにC.E.に「ニュータイプ」の概念が広がっていく事になります。
次回お楽しみください。