転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
お気軽に読んでいただければ幸いです。
キラは突然オーブ行政府に呼び出され、理由も告げられないまま連れてこられた。
案内された先は――タイガの執務室。
雲の上の存在を前に、キラは緊張で身体を固くしていた。
その時、部屋にカルアの声が響く。
「ヤマト夫妻がお見えです」
「!!!」
キラは勢いよく顔を上げた。
タイガが静かに告げる。
「こちらで準備は整えさせてもらった。家族でゆっくりとな」
困惑と感謝が同時に胸に込み上げた。
「キラ!」
「キラ!」
「父さん!母さん!」
キラは両親に抱きしめられた。
「本当に心配したのよ……無事でよかった」
「よく無事だったな。よくやった」
温かい言葉に胸が熱くなる。
だがタイガが声をかけた。
「ああ、感動の再会のところ悪いが、そろそろいいかな?」
「こ、これは大変お見苦しいところを……」
「失礼いたしました」
両親が慌てて頭を下げる。
落ち着いたところで、タイガが本題を切り出した。
「さて、こうして来てもらったのは、感動の再会のためだけではない」
ヤマト夫妻は姿勢を正す。
オーブの“王家”ともいえる存在が、一般家庭に首を突っ込むことなど本来ありえない。
だが――自分たちは“一般家庭ではない”。
「お二人には、キラ君に“真実”を話すべきだと思う。今日はその提案のために来てもらった」
その言葉は、夫妻にとって巨大な爆弾だった。
今まで築いてきた家庭が、平穏が、幸せが――
すべて壊れるかもしれない。
家族の幸せが全て無になる恐れがあった。
しかし続けられたタイガの言葉にその恐れさえも無意味なモノだと気付かされた。
「“メンデル”の事実をキラ君に伝えるべきだ。それはカガリとも無関係ではない。
つまりオーブにとっても大きな問題だ」
全てが知られていた。
カガリがアスハ家の養女である以上、当然だ。
国家レベルの問題であり、キラが無関係でいられるはずがない。
夫妻はキラを見る。
この子は、国や機密とは無縁の生活をしてきた。
今さら真実を告げて、拒絶されたら――。
恐怖が胸を締め付ける。
そんな夫妻に対してタイガが静かに言葉をかけた。
「心配することはない。君たちが築き上げてきた家族の絆は、そう簡単に壊れるものではない。
見ていれば分かる。お互いを信じろ。君たちは“家族”なのだろう?」
その言葉に、思い出が溢れた。
• 近所の子供と喧嘩して泣いたこと
• コーディネーターなのに熱を出して寝込んだこと
• 心配して夫婦でベッドの前をうろうろしたこと
• 誕生日に大声で笑っていたこと
その全てが、確かな絆だった。
夫妻は頷き合い、父が口を開いた。
「キラ。お前は私たちの実の息子ではない」
キラの世界が揺らいだ。
「え……父さん?そんな冗談は笑えないよ……?」
震える声。
父は淡々と語り始めた。
• キラはL4コロニー“メンデル”で生まれたこと
• 最高の調整を施された“スーパーコーディネーター”であること
• ブルーコスモスのテロを察知した実母が、妹である今の母に託したこと
• カガリが双子の姉弟であること
あまりにも突飛で、信じがたい。
だが――
「生まれが何であっても、お前は間違いなく私たちの息子だ」
「私たちはあなたを本当の息子だと思っています。あなたは違うのですか?」
その問いに、キラは反射的に叫んでいた。
「違う!僕の両親は父さんと母さんだけだ!」
三人は涙を流して抱き合った。
キラの胸に、家族の思い出が溢れた。
怒られたこともあった。
心配されて探し回られたこともあった。
旅行で笑い転げたこともあった。
その全てが――
本物の家族の記憶だった。
真実を知っても、その温かさは変わらなかった。
「さて、無粋だが改めていいかな?」
タイガが声をかける。
「こ、これは度々お見苦しいところを……」
「大変失礼いたしました」
「失礼いたしました」
ヤマト家が頭を下げる。
タイガは頷き、静かに告げた。
「将来的には、キラ君にはプラントに行って――
プラントを“支配”してもらいたい」
その日最大の爆弾だった。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
次回は視点を変えて「地球の未来」について語られます。
次回お楽しみください