転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
「ジェネシス、ねえ……」
アンドリュー・バルトフェルドは深いため息をついた。
オーブへのスカウトを受け入れたあの日。
タイガからいきなり渡されたのは、“特大の爆弾”だった。
しかもそれは比喩ではない。
地球を滅ぼしうる本物の“終末兵器” だった。
――
「これは恒星間探査計画の一環として建造された、外宇宙探索用の宇宙船加速装置(レーザー推進)を原型としたものだ」
タイガは淡々と説明する。
「これを兵器に転用した結果、最悪の場合――
地球上の生物の八割が死滅する」
バルトフェルドは思わず声を荒げた。
「こんなものを使うほど、コーディネーターは愚かとでも?」
タイガは鼻で笑った。
「賢い連中が、NJなんか散布すると思うか?」
その一言で、バルトフェルドは黙り込んだ。
「プラントが所有する設備の中で、兵器転用できそうなものを片っ端から調べた。
その結果、こいつに行きついた」
タイガは資料を指で叩く。
「しかも開戦前から、そして開戦後も――
MSや戦艦の建造より優先して、こいつに資金が投入されている」
「それは……」
「つまり連中は“使うつもり”だ。
脅しのためだろうと、持っていれば使いたくなるのが人間だ。
ましてナチュラル憎しに凝り固まった連中が握っているなら、結果は簡単に想像できる」
バルトフェルドは再び沈黙した。
「理想は完成前に破壊することだが……
ザフト内部でも機密扱いで、詳細が全く掴めん」
タイガはバルトフェルドを見据える。
「そこで、これの調査を頼みたい。
捕まったら意味がないから慎重にな?
もっとも、失敗したら地球が滅びるが」
「安全を優先しろと言っているのか、脅してるのかどっちです?」
バルトフェルドは苦笑した。
タイガは淡々と続ける。
「連中の目的は単純だ。地球を丸ごとジェネシスで焼く。
そのためには、ナチュラルを地球に閉じ込めておく必要がある」
「つまり……マスドライバーが狙われる?」
「そうだ」
タイガの声は冷たかった。
「連中にとって“味方”とは、自分に従う者だけだ。
地球全域を占領するにせよ、地球上の全てのマス・ドライバーを制圧するにせよ、
撤収するにせよ――
従わない者は“殿”として地球に残され、従う者だけがプラントに帰還する。
残りはまとめてジェネシスで焼き払う可能性が高い」
「我々は味方ですよ!」
「NJを落とされた地球のコーディネーターも、そう思っていたんだろうな」
バルトフェルドは言葉を失った。
「ジェネシスが使われれば地球は滅ぶ。
それは、プラントの将来的な滅亡を加速させる」
タイガは淡々と続ける。
「君たちがここで頑張っても、評議会のお気に入りを帰還させるための捨て駒にされ、
最後はジェネシスで焼かれて終わりだ。それに納得できるなら止めないぞ?」
「納得できるやつがいたら顔が見てみたいですね」
「プラント独立を信じ込んでいる連中なら喜んでやるだろう?
そんな顔なら、いくらでも見てきただろう?」
バルトフェルドは再び黙った。
「地球に残っていても意味がない。
ならば連中の愚挙を止める方法を考えるべきだ」
タイガは資料を閉じた。
「まずはジェネシスの“存在の確認”と“位置”だ」
「破壊は?」
「できればいいが、まずは存在確認だ。
情報を得たがダミーでした、試作機でした――では話にならん。
存在、位置、破壊の順だ」
バルトフェルドは頭を掻いた。
「やれやれ……えらいことになったなあ……」
「頑張ってくれ。地球の未来は君の手にかかっているぞ?」
「笑えないし、冗談にもなっていないんですがねえ……」
タイガの“激励とも脅迫ともつかない言葉”に、
再度バルトフェルドは苦笑するしかなかった。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
バルトフェルドに“地球の未来”が託された話でした。
本作は彼の働きによって原作と大きく乖離していく事になります。
次回お楽しみください。