転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
「盟主!いくらなんでもそれは!」
「それはいくらなんでも認められません!」
「気でも触れましたか!」
ブルーコスモス本部に怒号が響き渡った。
アズラエルは、そんな騒ぎを前にしても微動だにしない。
「落ち着きなさい。誰も“表立って”支援するなんて言ってませんよ?」
「どういうことです?」
「それを今から説明します」
支部長たちは、不承不承ながら頷いた。
「いいですか?
今、地球に残っている“宇宙人の仲間”は、プラント独立のために動いています。
NJを投下されても行動を変えない以上、何を言っても無駄です」
アズラエルの声は淡々としていた。
「そんな連中には、我々の近くにいてもらっては困ります。
独立を名目に何をしてくるかわかったものではありません」
支部長たちは頷いた。
(独立を妄信する狂信者どもは、決して諦めないだろう)
……もっとも、
“コーディネーター殲滅”を諦めないブルーコスモスも同類なのだが。
「ここで、我々ブルーコスモスが“プラント独立を支援する”と言ったら……
連中はどう動きますかねえ?」
支部長たちは沈黙した。
「いつまでも地球に残って活動を続けますか?
周囲はNJの被害者で溢れているのに?」
再び沈黙。
アズラエルは口角を上げた。
「そこで、当初の理念に立ち返った我々ブルーコスモスは――
迫害される哀れなコーディネーターのために、プラントへ送り届けてやることにしたんです!」
「!!!」
「独立を目指す連中は、地球に見切りをつけてプラントに行くでしょうね」
支部長たちは息を呑んだ。
「もちろん、表立ってそんなことは言いません。
公式には“プラント独立は認めない”という姿勢を貫きます」
アズラエルは笑った。
「しかし裏では、哀れなコーディネーターを“善意で”プラントに送ってやるんです。
――いずれ核の炎で焼かれるプラントにね!」
「!!!」
エイプリルフール・クライシスの時と同じだ。
一見無関係に見える行動が、
最終的に“殲滅の大義名分”へと繋がる。
しかも――
誰からも反対されることなく。
「連中が自分から「プラントに行きたい」と言うのであれば希望通りにしてやろうじゃないですか?
その結果がどうなろうとそれは連中の自業自得というものです」
アズラエルの言葉により、支部長達の目には「自分達から核の炎の中に飛び込んでいくコーディネーターの姿」が幻視されていた。
しかしそれも次にアズラエルが口に出した言葉に吹き飛んだ。
「今後も核が使用できないのであれば……
連中の独立を認めてやっても良いかもしれませんねえ?」
「盟主!」
「いくらなんでもそれは!」
アズラエルは続けた。
「ただしその場合、独立の条件として“食料の生産は絶対に認めません”。
どれだけ泣こうが喚こうが、食料はこちらで握ります。
それこそ餓死者が出て奴らが共食いすることになってもね」
「……盟主!」
さすがの支部長たちも、背筋が凍った。
「NJで同じ目にあったナチュラルが反対すると思いますか?」
「・・・」
支部長達は反論できなかった。
それはそうだ。
何より自分達はその地獄のような光景を目の当たりにしてきたのだ。
プラントのコーディネーターが自分達がやった事と同じ事をされて文句を言えるはずがない。
「輸送時にトラブルが起こるのは仕方がないですよねえ?
どれだけ重要な物資でも、運べないのは“不可抗力”ですから」
アズラエルは軽く笑った。
「むしろ、一思いに核の炎で焼くより良いかもしれませんね」
「!!!」
「最終的に核で焼くにしろ、その前に自分達のやった事を「その身で」実感してもらってからの方が、
被災者のナチュラルも納得するでしょうしね?」
その呟きに、支部長たちはアズラエルへの畏敬の念を新たにした。
(やはり盟主は恐ろしいお方だ……)
――
この日を境に、ブルーコスモスは大小様々なコーディネーターへの迫害を完全に、一切、やめた。
希望者は自由にプラントへ移送された。
公式には「独立は認めない」と声明を出し続けながら、移送を妨害することは一度もなかった。
地球の人々はこう思った。
「やはりブルーコスモスは慈愛の集団だ!」
その裏に潜む“真の意図”に気づく者は、誰一人としていなかった。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
次は舞台はオーブへと移ります。
次回お楽しみください。