転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
結局キラは、機会を見て両親とフレイを会わせることになった。
「どんなお嬢さんなのかしら〜。楽しみね〜」
「うむ、全くだ!」
大喜びする両親に、キラは何も言い返す気力もなく椅子に体を投げ出した。
タイガが咳払いをする。
「さて、続きをいいかな?」
「あ、はい、申し訳ありません」
「申し訳ありません」
「申し訳ありません」
ヤマト家の面々が揃って頭を下げると、タイガは本題に戻った。
「では後日、キラ君にはプラントに“評議長として潜入”してもらうということでいいかな?」
「はい。僕にできることなら……僕にしかできないことなら、やります!」
「うむ。礼を言う。最初は歓迎されるだろうが、そのうち批判され、拒否され、命を狙われる可能性もある。
こちらでも対処はするが、十分気をつけてくれ」
「はい!」
「潜入はプラント敗戦後、しばらく経ってからになる。
2〜3年、あるいはそれ以上かかる可能性もある。
それだけは理解しておいてくれ」
「はい!」
タイガは頷き、さらりと言った。
「では、後ほどキラ君には死んでもらおう」
「は?」
「え?」
「ど、どういうことです?息子に死ねとは!」
「ああ、言い方が悪かったな。偽装して、記録上“死んだ扱い”になるということだ」
「?どういうことでしょう?」
タイガはキラを見つめた。
「君は自分の立場をどう理解している?」
「どうって……アーク・エンジェルのMSパイロットです」
「正しくもあるが、全てではないな」
「?どういうことですか?」
「君は現在、“地球連合軍で唯一のMSパイロット”なのだよ」
「僕が?」
「そうだ。地球連合には、公式にはまだ君以外のMSパイロットが存在しない。
もちろん“非公式のMSパイロット”は存在するが、表沙汰に出来るようなものではない」
それは人道を無視して強制的に薬物投与された地球のコーディネーターや、違法な調整を施された強化人間たちだった。
「君は連合にとって“唯一の戦力”であると同時に――
“コーディネーターだから邪魔”という存在でもある」
キラは息を呑んだ。
「そしてオーブは、連合へのMS用OSの販売を決定した」
「それが……?」
「つまり、連合に“他のMSパイロット”が生まれれば、君の存在価値はなくなる。
“華々しい戦果を上げたコーディネーター”など、連合は不要だと判断するだろう。
そうなれば、適当な激戦区に放り込んで処理しようとするはずだ」
「そんな!」
「息子をそんな目に合わせるなんて認められません!」
母の叫びに、タイガは手を上げて制した。
「慌てるな。そこで君には“MIA”になってもらう。
“戦闘中に行方不明”という扱いだ」
「!」
「その時に秘密裏にオーブへ帰国してもらう。
そうなれば、君を拘束する手段として利用されていた学友たちも解放されるはずだ」
「トールたちが……解放される……」
今まで迷惑をかけ続けた友人たちを、ようやく救える。
その目途が立った瞬間、キラの目から涙がこぼれた。
「後は、機会が来るまでプラント潜入の訓練と待機だ」
「はいっ!」
「分かりました」
「承知いたしました」
こうして、敗戦後のプラントへの対処方法のひとつが正式に決定された。
後日、フレイを両親に紹介したキラは散々からかわれた。
しかし、母カリダとフレイはすぐに意気投合し、笑い合っていた。
(……まあ、フレイが笑えるようになったのなら、良いかな)
その様子を見ていたキラが微笑んでいた事は、後ろから家族を見守っていた父のハルマしか知らない事だった。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
次回、キラとアスランの激突です。
次回お楽しみください。