転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。





第108話 再会

 

 

 

「チィ……ビンゴだったとはな……」

 

暗い独房で、ディアッカが低く呟いた。

 

「離して! トールが、トールがいないのに!

なんで……こんな奴! なんでこんな奴がここにいるのよおおお!!」

 

ミリアリアの叫びが、耳の奥にこびりついて離れない。

自分はコーディネーター。

相手は劣等種のナチュラル。

ゲームみたいなものだ。

自分なら簡単に勝てる――ずっとそう思っていた。

だが現実は違った。

ドローン搭載のメビウスが迫ってきた。

フェイズダウンを恐れ、逃げ回るしかなかった。

オーブのアストレイの姿が脳裏に浮かぶ。

最新式のGシリーズを複数投入しても勝てなかった。

目を閉じても、涙を浮かべたミリアリアの姿が焼き付いて離れない。

 

「トールが、トールがいないのに!

なんで……こんな奴! なんでこんな奴がここにいるのよおおお!!」

 

耳を塞いでも、叫びは消えなかった。

現実は、ディアッカに逃げることを許さなかった。

 

アーク・エンジェルはアラスカに到着していた。

途中、捕虜となったザフト兵を引き渡そうとしたが、返ってきたのは

「そのまま待機せよ」という命令だけだった。

戦闘中のため無線封鎖したままアラスカへ到着したが、外部情報は一切許可されず、命令もなく放置された。

唯一届いたのは――

「ヘリオポリスで徴用した志願兵の除隊許可」だった。

これにより、キラの友人たちとフレイは除隊することになった。

 

「私もですか?」

 

フレイは驚いたが、ヤマト夫妻の働きかけがあったと聞き、さらに驚いた。

 

(キラもいない、誰もいないオーブに帰っても……

でもキラを亡くしたおばさまたちも心配だわ。様子を見てから他の国に行ってもいいわね)

 

心の中には、ぽっかりと穴が開いたような虚無感が残っていた。

この穴は何年経っても埋まらないだろう。

ザフトへの復讐心すら湧いてこなかった。

オーブで自分を見つめ直してから、先のことを考えよう。

そう思いながら、フレイは歩き出した。

 

サイたちは軍用機でオーブへ帰還した。

軍用機の乗り心地は旅客機とは比べ物にならない。

心身ともに疲れ切った状態で、ようやくオーブの地に降り立った。

 

「あ〜、やっと帰ってきたなあ〜!」

 

「ああ、そうだな」

 

「……そうね」

 

「……」

 

カズイがわざと明るく振る舞うが、サイの声には覇気がない。

ミリアリアとフレイは言うまでもなかった。

 

「……じゃあ、みんなまた!」

 

「ああ」

 

「ええ」

 

「……」

 

それぞれが家族のもとへ帰っていく。

しかし、フレイだけはその場に立ち尽くしていた。

気づいたサイが声をかける。

 

「家に寄っていくか?」

 

「行くところがあるの」

 

フレイはそう言って歩き出した。

サイはその背中を見つめていたが、やがて自分の家族のもとへ向かった。

 

フレイはキラの家へ向かっていた。

 

(おばさま、落ち込んでいるだろうな……

あんなに親子で仲が良かったんだもの。

一人息子が死んだら、立ち直れないかも)

 

そう思いながら家の前に立ち、深呼吸して呼び鈴を押した。

 

「ハ〜イ」

 

明るい声のカリダが出てきて、フレイは混乱した。

キラが死んだのだから、もっと沈んでいるはず――

そう思っていたのに。

 

「まあ、フレイちゃん! よく来てくれたわね! さあさあ、上がってちょうだい!」

 

「おお、よく来てくれたね。キラも喜ぶと思うよ」

 

(……二人はキラの死を知らない?)

 

胸が痛む。

フレイはキラの死を告げようと口を開きかけた。

 

「キラ〜! フレイちゃんが来てくれたわよ〜!」

 

カリダの声に、フレイの思考は止まった。

 

(キラ?彼が生きているはずがない……彼は死んだはずで……)

 

そして――部屋に入ってきた少年を見た瞬間、フレイの世界は停止した。

 

「やあ、フレイ! 久しぶり! 元気だった?」

 

「……キラ?……」

 

信じられず、近づいて縋りつく。

生きている。

キラが生きている。

この温もり。

この鼓動。

間違いなく――キラは生きている。

 

「フレイ?」

 

涙が溢れた。

止めようとしても止まらなかった。

 

「フレイ?」

 

キラの顔が目の前にある。

次の瞬間――

フレイはキラの頬を力いっぱい平手打ちしていた。

 

「バカ! 生きてるなら生きてるって言いなさいよ!どれだけ心配したと思っているのよ!」

 

そのままフレイはキラの胸に縋り付いた。

キラは頬を押さえながら苦笑し、泣き続けるフレイをそっと抱きしめた。

ハルマとカリダは、その二人を優しく見守っていた。

 

 

 






※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

次はジョシュアに到着後のアーク・エンジェルの話になります。

次回お楽しみください。


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