転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
キラがオーブにいる状況でアーク・エンジェルの命運は?
お楽しみください。





第110話 舞い降りる剣、舞い降りた虎

 

 

 

アーク・エンジェルは必死に防戦していた。

 

「ウォンバット、撃てぇ!」

 

「なおもディン接近! 数6!」

 

「くっそー! やられたもんだぜ司令部も!」

 

「主力部隊は全部パナマなんですか!?」

 

「ああ、そういうことだ!」

 

しかし状況は地球連合に不利だった。

――表向きは。

 

「司令部とのコンタクトは?」

 

「どのチャンネルもずっと同じ電文が返ってきます!

“各自防衛線を維持しつつ、臨機応変に応戦せよ”とのことです!」

 

「友軍機接近! 当艦に着艦しようとしている模様!」

 

「整備班! どこかのバカが一機突っ込んで来ようとしてるわ! 退避しなさい!」

 

「どいててくれよ! 皆さん! うおおお!」

 

「うおおお!!! あっぶねえ!!」

 

「フ、フラガ少佐!」

 

「少佐? あなた転属は?」

 

「そんな事はどうだっていい! 本部の地下にサイクロプスが仕掛けられている!

作動したら基地から半径10kmは溶鉱炉になるってサイズの代物が!」

 

「えっ!」

 

「エンデュミオンと同じだ!

守備軍は全滅! ゲートは突破されて、本部は施設の破棄を兼ねてサイクロプスを作動!

それでザフトの戦力の大半を奪う! これがこの作戦だ!俺達は捨て駒にされたんだ!」

 

マリューの中で「G兵器を民間人に扱わせた対応」「ザフトの捕虜の放置」「本部から繰り返される同じ命令」、それらがすべて一本の線でつながった。

 

「……ザフト軍を誘い込むのがこの作戦の目的だと言うのなら、本艦は既にその任を果たしたものと判断します!

これは、このアークエンジェル艦長、マリュー・ラミアスの独断です!」

 

「脱出もかなり厳しいが、諦めるな! 俺も出る!」

 

「少佐……」

 

「本艦は現戦闘海域を離脱します! 僚艦に打電! “我ニ続ケ”!機関全速、取り舵! 敵左翼を突破します!」

 

アーク・エンジェルは必死に離脱を図る。

しかし状況は厳しかった。

 

「10時の方向にモビルスーツ群!」

 

「もう駄目だ~~~!」

 

「馬鹿野郎! あきらめるな!」

 

数えきれないほどの砲弾が集中し、MSが群がり、アーク・エンジェルの命運は尽きたかに思われた。

その時――

アーク・エンジェルに迫っていたディンが爆散した。

 

「え?」

 

「なに?」

 

そこには、ストライクに似た見慣れないMS-フリーダム・ガンダムが浮かんでいた。

 

「あ~、あ~、アーク・エンジェルの諸君、聞こえるかね?

スポンサーの依頼により君たちの脱出を援護する。こちらが先導するからついてきたまえ」

 

見慣れないMSは通信で一方的に告げると、進行先のMSを次々と撃墜していく。

 

「これはいったい?」

 

「今は何でもいいわ! 早く前進を!」

 

「りょ、了解!」

 

アーク・エンジェルが戦場から離脱した直後、サイクロプスが起動した。

これによりザフトは「オペレーション・スピットブレイク」に動員した戦力の大半を喪失することになった。

 

――

 

そしてアーク・エンジェルはいったん安全と思われる場所で、正体不明のMS-フリーダムと合流した。

フリーダムから降りてきた人物を見て、マリューは驚愕した。

 

「あなたは……」

 

「自己紹介をした方がいいかな?

私はアンドリュー・バルトフェルド。君たちには“砂漠の虎”と言った方が分かりやすいかな?」

 

「砂漠の虎!」

 

「なんでそんな人が?」

 

「まあ、スポンサーの意向だ。君たちを連れてきてくれ、というな」

 

「私達を?」

 

「ちょ、ちょっと待てよ。あんた俺達と一緒にいるってことは、味方と戦う事になるんだぞ?

それでいいのかよ?」

 

「味方ね?」

 

アーク・エンジェルのクルーの言葉に、バルトフェルドは苦い顔を浮かべた。

 

「今の私はプラントからの脱走兵という扱いになっている。

追手が手加減してくれると思うのかね?」

 

そして静かに続けた。

 

「それに今の私には“やる事”、“やらなければならない事”がある。

その前に立ちふさがるのなら、誰であろうと撃ち払うだけだ」

 

ジェネシス。

その力の前では、地球上の全生命が等しく奪われる。

そんなものが地球に向けられているのに、敵だの味方だの区別している余裕はない。

 

「では、私達をどこに連れて行こうと?」

 

「オーブだ。もっとも、行ったところで“行かなきゃよかった”と後悔する事になるかもしれんがね?」

 

スポンサーの人の悪い笑顔を思い出しながら、バルトフェルドは苦笑した。

 

「……わかりました。ほかに行く当てもないわね。総員! 私達はオーブに向かいます!」

 

――

 

こうして大天使は再びオーブに戻ってきた。

それが世界にどんな影響を与えるのか知る者はいない。

しかし――

大天使を動かそうとしている男の頭の中では、既に“大天使を使った次の手”が組み上がっていた。

地球の混乱は、まだ終わらない。

 

 

 

 






※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

次はマリューたちが想像もしなかった情報がバルトフェルドから開示されます。

次回お楽しみください。




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