転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
どうぞお楽しみください。
「だいぶ派手にぶち上げましたねえ?」
「心外だな。何一つ嘘は言っていないぞ」
「それを相手が信じるかどうかですね」
「よっぽどやり返される心当たりがあるんだろうな。
身に覚えがなければ、どっしり構えていればいいんだ」
「核を突きつけられて、そんな真似のできるやつがいるとは思えませんがねえ?」
「何を言う?
核なんて何の役にも立たない飾りじゃないか。
そんなものを怖がる必要がどこにある?」
「“現在は”ですよね?」
「そうだ、“現在は”な。
将来的な不安に怯えていたって何の解決にもならないだろう?
もう少し前向きに考えないとな」
「相手にその“将来の選択肢”を握られている時点で意味がないのでは?」
「問題ない。俺に不安はないからな」
「そりゃあそうでしょうねえ。
しかしまさかNJCをブラフに使うとは思いませんでしたよ」
「嘘は言っていないぞ?
NJCの開発がオーブの国策なのは事実だ。
アメノミハシラとは無関係なのも事実だ。
投棄作業を行っているのがコーディネーターなのも事実だ」
「“現在は”ですよね?」
「“現在は”な。
その後のことを連中がどう想像しようが、それはこちらの関知するところではない。
精々、悪夢に怯えていてもらおうか」
「元・我が祖国が不憫に思えてきましたよ」
「頭に大砲を突きつけられているこちらの方が不憫だと思うがね?」
「まだ出来上がってないですし、誰も気づいていませんよ?」
「だから公になった時が怖い。
あんなもの、誰も気づかないうちにさっさと処分するに限る」
「うまくいきますかねえ?」
「うまくいかせるのさ。
核のおかげで連中はアメノミハシラを攻撃するにも防御するにも、一定の戦力を張り付けておく必要がある。
つまり本国の戦力が手薄になる。君の潜入も楽になるはずだぞ?」
「……」
「それにジェネシスに本腰を入れ始めたということは、いよいよプラントがやばくなってきたということだ。
通常戦力で持ちこたえられるならMSや戦艦を増産する。
それをしないということは、通常戦力より“一発逆転のギャンブル”に賭ける方向になったということだ。
MSのおかげで優位になっていたのだから、MSの優位がなくなれば負ける。
当たり前の話だな」
「だからプラントはジェネシスに賭けると?」
「実際、放っておけばジリ貧なんだから他の選択肢がない。
連中の選択肢が他にないのであれば、対応する方法はいくらでもある。
しかし問題は――制限時間付きというところだな」
「連中の自殺に巻き込まれるのは勘弁してもらいたいですなあ」
「まあ、一発逆転のギャンブルが成功することなんて滅多にない。
気楽にいこうか」
「掛かっているチップが“地球の未来”という名前でなければ気楽にいけるんですがねえ?」
「連中が賭けているのは“プラントの独立”という名前だ。
とても等価とは呼べないボロボロのシロモノだが、連中は等価になると信じ込んでいる。
精々、その価値がどの程度のものか叩き込んでやらないとな」
「未来を知っている立場とすれば、“将来暴落が確定している名前”に価値なんてないんですがねえ?」
「それでも今なら高く買うやつがいるさ。
精々、高値で売りつけてやるとしようか」
「そんな奇特なやつが見つかりますかねえ?」
「君が見つけてきた伝手があるだろう?そこから辿ってくれ。では頼むぞ」
「了解です」
――
そして5月25日。
ザフトはパナマを攻撃。
EMP兵器グングニールを使用し、マスドライバー施設「ボルタ・パナマ」は崩壊。
パナマは陥落した。
同日。
準備を終えたアーク・エンジェルは宇宙へ上がった。
――地球の運命を賭けた一手が、盤面に置かれようとしていた。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
次回お楽しみください。