転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。





第118話 衝撃

 

 

 

アスランはオーブの捕虜収容所にいた。

これはオーブからプラントにも正式に通達された。

仮にも評議会議長の息子である。

プラントは解放を求め、様々な好条件を提示したが――

タイガはすべて拒否した。

 

(どうせジェネシスで焼き払うつもりなのだから、どんな空手形でも切れるだろう。そんなもの信用できるか)

 

それに、アスランを解放できない“現実的な理由”もあった。

4月1日にプラント評議会議長にパトリック・ザラが就任していた。

バルトフェルドや潜入した諜報員からプラント内部の情報を得て、既に将来の政変を確信していたタイガはアスランを解放する意思はなかった。

 

(議長になった強硬派のパトリックにとって穏健派のシーゲルは邪魔ものだ。いずれ排除される。

そして、自分の息子が敵国にいる状況でジェネシスを撃てるか?

ためらわせる理由にはなる)

 

という理由からだった。

 

「私情に左右されず息子を犠牲にして勝利を掴んだ」

 

美談である。

ただし――

それが地球を滅ぼし、プラントをも滅ぼし、人類の未来を閉ざす愚行でなければ。

 

(少しでもパトリックの判断を鈍らせる材料になるなら、アスランにはここにいてもらう)

 

こうしてアスランは、プラント敗戦までオーブで過ごすことになる。

 

――

 

「よっ!」

 

「お前か?」

 

そんなアスランに面会者が来ていた。

オーブのお姫様――カガリだ。

とてもそうは思えず、銃を突きつけ、キラの死に、罵り合い、涙を流し、

そして逆に銃を突きつけられた相手。

複雑な思い出が胸をよぎる。

 

「お前に会いたいってやつを連れてきた。知り合いだろ? ゆっくり話せ」

 

(知り合い? オーブにそんな相手はいないはずだが……)

 

そう思ったアスランは、次の瞬間、言葉を失った。

 

「キ、キラ?」

 

「久しぶり。アスラン」

 

そこには“自分が殺した”と思っていた親友がフレイを連れて佇んでいた。

 

その時アスランの胸に湧き上がったのは――

怒りでも憎しみでもなかった。

安堵と、喜びだった。

 

「……よかった。

……お前が生きていてくれて。

……死んだと思っていた。

……お前を殺したと思っていた。

……お前を憎んでいた。

……恨んでいた。

……でも、

……お前が生きていてくれた事の方が、ずっとうれしい……」

 

アスランは面会室の壁越しに涙を流した。

 

落ち着いた後、キラは信じられない言葉を口にした。

 

「アスラン。君と一緒に保護した人に会いに行ってみる?」

 

――

 

そこはオーブの総合病院だった。

最新鋭の設備を備え、

エイプリルフール・クライシスの時でさえ非常電源を確保し、

市民の命を守り続けた“命の盾”。

そこに――ニコルはいた。

しかしそれは単に「死んでいない」というだけであった。

 

「ニコル・・・」

 

アスランはその変わり果てた姿に絶句する。

細胞培養液に満たされたシリンダーの中。

四肢はすべて切断され、腹部には赤黒い傷跡。

半身は焼けただれていた。

心電図の反応がなければ、生きているとは思えなかった。

 

「首に着けていたチョーカーかな?

緊急時に脳を冬眠状態にして酸素消費を抑える機能があったらしいよ。

その代わり手足には血が回らなくなって、切断するしかなかったそうだけど」

 

「……そうか……」

 

このニコルの惨状を思えばこれをもたらしたキラに文句のひとつも言いたくなるのは当然だろう。

しかし自分達は殺し合いをしていたのだ。

しかも戦闘が終わった後こうして治療までしてくれているのだ。

文句を言うどころか感謝すべきだろう。

そう思ったアスランは素直にキラに頭を下げた。

 

「ありがとう。ニコルを助けてくれて」

 

「いいよ。お互い様だし。

コーディネーターだから回復が早いって話だから、数ヶ月もすれば意識も戻るという事だよ」

 

――

 

「じゃあ、キラ。私はトールのところに行っているわね」

 

そう言ってフレイはキラの傍を離れた。

 

「ああ、ミリィによろしく」

 

「? ミリィとは?」

 

「君に撃墜されたパイロットの恋人だよ」

 

「!!!」

 

アスランは再び衝撃を受けた。

 

「そ、それは……」

 

「ああ、大丈夫。命は助かったから。

でも意識不明で、いつ目覚めるかは分からないけどね」

 

「……そうか……」

 

自分の行為の結果を突きつけられ、アスランは動揺した。

 

そんなアスランを気の毒そうに見つめながらキラは口を開いた。

 

「アスラン。“あるお方”が君に会いたいと言っている。会ってくれるかな?」

 

「あるお方? 誰だ?」

 

「“オーブの虎”と呼ばれているお方だよ」

 

この日――

オーブ王家(?)の弟と、プラント評議会議長の息子の

非公式会談が設定された。

 

それは記録に残らない。

しかし、歴史を動かす重要な会談だった。

アスランはこの後、自分の信じるものを根本から揺るがす“さらなる衝撃”を受けることになる。

 

 

 






※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

次回お楽しみください。


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