転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。





第123話 狂気

 

 

 

「状況は!」

 

オーブの情報管理室に飛び込んだタイガの第一声だった。

 

「不明です!死亡したというものから軽傷、重傷、無傷、即死……情報が錯綜していて確認できません!」

 

「早く確認しろ!」

 

滅多にないことに、タイガが怒鳴った。

 

「主、落ち着いてください!」

 

「ここで騒いでもアズラエル様の様子は分かりません。まずは――」

 

「黙れえ!!」

 

「主!」

 

縋りつく女たちを振り払おうとした瞬間、カルアの右ストレートがタイガの顔面に叩き込まれた。

 

床に昏倒したタイガを見下ろしながら「タイガ様は体調不良でお休みになられます。よろしいですね?」というアリサの声が静かに部屋に響き渡った。

 

タイガが部屋から運び出されていく間、声を発する者は誰もいなかった。

 

――

 

アズラエルは近くの病院に運ばれたが、治療ができず中央病院へ移送された。

胸部に銃弾を受けたため、意識が戻るまで一週間、会話ができるようになるまでさらに一週間。

とりあえず命の危機は去った――そう報告が入った。

ほっとしたのも束の間、今度は「大西洋連邦の艦隊がオーブに向かっている」という情報が入った。

タイガの反応はただ一言。

 

「なんでそうなる?」

 

――

 

アズラエルが銃撃された時、ジブリールはすぐそばにいた。

 

「盟主!」

 

振り返ると、手に持った資料を取り落とし、胸から血を流して倒れるアズラエル。

散らばった資料の中に「プラント独立」「オーブ」と書かれた書類があった。

ジブリールはそれを懐に入れ、アズラエルの救護に加わった。

 

アズラエルの命は助かった。

しかし指揮はできない。

1〜2週間は完全に不在となる。

つまり――

その間はジブリールのやりたい放題となる。

ジブリールは暗い笑みを浮かべ、書類を確認し始めた。

 

(プラントを独立させる?今の強硬姿勢はブラフ?そのまま放置だと?)

 

(許せん……!あの宇宙人どもは今すぐ核の炎で焼くべきなのだ!)

 

(核……?そうだ。オーブを確保すれば核が手に入る!

時間はかかるがいずれNJCも開発されるだろう。

核さえ確保しておけば後はどうにでもなる!

確保後、別の場所に移動させればよい。

所詮、中小国でしかないオーブなど盟主も気にすまい。

盟主が動けない今のうちに、オーブを確保し――宇宙人どもを焼く準備を整えねば!)

 

アズラエルとタイガの関係を知らないジブリールの喜劇である。

 

ジブリールは大西洋連邦上層部に主張した。

 

「プラント独立を指向するオーブの行為は利敵行為である。

詰問のために艦隊を派遣すべきだ!」

 

しかし却下された。

当然だった。

オーブはプラントと敵対している国だ。

わざわざ大西洋連邦が敵に回す理由などない。

 

「では我々ブルーコスモスによって行います!艦艇をお借りしますが、よろしいですね?」

 

只でさえ軍に強い影響力を持つジブリールに対し、大西洋連邦が人員不要・艦艇のみの貸与を断る事は出来なかった。

ましてアズラエルが意識不明な現状では、ジブリールの言葉がブルーコスモスの言葉と言っても良いのだ。

大西洋連邦上層部にジブリールの要求を拒否する術はなかった。

 

「しかし、君の行動は我々の感知するものではない。

公式には“ブルーコスモスを名乗る連中が艦艇を乗っ取って勝手に行動した”ということになる。理解してくれ」

 

「もちろんです」

 

ブルーコスモスの名を出されては拒否できない。

議員は議席を失い、大統領でさえ免職される。

断れるはずがなかった。

 

「待っていろよ、宇宙人ども。お前たちの喉元に――核の炎を届けてやる」

 

ジブリールの狂気が、オーブに迫ろうとしていた。

 

 

 






※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

次回お楽しみください。

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