転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。





第124話 海中の盾

 

 

ジブリールの戦略は単純だった。

武装した軍艦でオーブに迫り、アメノミハシラの引き渡しを要求する。

今やブルーコスモスは“世界の代弁者”と言ってもよい。

自分たちの言う事は全て肯定され、世界中の市民の絶対的支持を得ている。

所詮、中小国家でしかないオーブに抗う力はない――

ジブリールは本気でそう信じていた。

さらに、アメノミハシラ防衛のため宇宙軍は増強されているが、オーブ本国にMSが配備されているという情報はない。

オーブの海上戦力など恐るるに足らず。

本国さえ陥とせばアメノミハシラも簡単に手に入る。

ジブリールはそう考えていた。

 

しかし、彼が敵対した男は違った。

オーブを守るためなら世界を敵に回す覚悟と準備を整えていた男――タイガ・ウラ・アスハであった。

 

――――

 

ジブリールの集めた艦艇はすべてブルーコスモスの過激派で構成されていた。

コーディネーター殺害を厭わず、アズラエルに抑えつけられていた殺人衝動を解放できるとあって、彼らは興奮していた。

 

「いや〜、やっと宇宙人どもを思いっきり殺せるなあ?」

 

「全くだ! ジブリール殿には感謝しないとなあ!」

 

「ははは!」

 

彼らには“オーブにはナチュラルもいる”という認識はなかった。

コーディネーターと共にいる者は、すべて同じ“敵”なのだ。

いや、彼らにとってコーディネーターとその傍にいる者は“敵”ではなく、一方的に狩るだけの“獲物”でしかなかった。

彼らにとっては自分達の殺害衝動を満たす事が最優先であり、そこにはナチュラルとコーディネーターの区別などなかった。

単に“コーディネーターを殺す”と言えば、ジブリールが援助してくれるからブルーコスモスに所属しているだけの殺人者の集団であった。

 

しかし――

彼らがオーブの地を踏むことはなかった。

 

目を覚ましたタイガが大西洋連邦に問い合わせた結果、返ってきたのは「ブルーコスモスに乗っ取られた」という回答。

軍艦が5隻も6隻も乗っ取られるはずがない。

大西洋連邦の黙認であることは明らかだった。

乗員を確認すると、全員がジブリールに集められたブルーコスモスでも持て余された過激派。

それがオーブに迫りつつあった。

 

――――

 

タイガが目をつぶると前世の記憶が脳裏に浮かぶ。

 

焼かれた国土、倒れ伏す多くの民、崩壊するマスドライバー(カグヤ)

 

自分はそれを防ぐ為に今まで必死にあがいてきた。

オーブを立憲君主制の国に変え、第2プラントの建設を提案し、プラントの存在意義を無くし、中立国の立場を最大限利用し、誰からも非難されない正当な宣戦布告の理由を得た。

“ニュータイプ”の概念を世界に広め、“コーディネーター優生主義”を地球上から駆逐する環境を整えた。

しかもアズラエルによってエイプリルフール・クライシスの死者は遥かに少ないものになり、この世界はもう自分の知るC.E.とはまるで異なったものになっている。

 

それでも歴史の流れは変えられないのか?

 

オーブが焼かれる事は定められた“運命”なのか?

 

そんなはずはなかった。

 

エイプリルフール・クライシスは起こった。

しかし死者は遥かに少なくなった。

オーブはプラントと開戦した。

しかし正当性はオーブにある。

プラントは独立するだろう。

しかしその実態はもはや滅びを待つだけで、時間の問題でしかない。

 

世界の歴史の流れは止められないのかもしれない。

しかし、止められなくても“変える”事はできる。

 

それは今までの行動の結果が証明していた。

 

タイガは目を開くと即座に決断した。

 

「処分する」

 

――――

 

複数の護衛艦と強襲揚陸艦3隻で構成されるジブリール艦隊は、オーブ領海に近づいていた。

オーブへは「アメノミハシラをブルーコスモスに引き渡すように」との要求が伝えられた。

オーブの回答は拒否。

当然であった。

ブルーコスモスは大西洋連邦を始めとする多くの国家に強い影響力を持っている。

多くの中小国家にはその要求を拒む事などできないだろう。

しかし実態はともかく、建前上ブルーコスモスは「単なる大規模な民間団体」でしかなかった。

民間団体にアメノミハシラを、核を渡す事など独立国家に出来る筈もなかった。

しかもブルーコスモスの要求は盟主であるアズラエルの名前によるものでは無かった。

タイガはこの要求を即座に「ブルーコスモスを名乗るテロリストによるもの」と断定。

オーブ軍による迎撃、いや『殲滅』を命じた。

 

――――

 

オーブから要求を拒否する回答が伝えられるとジブリール艦隊は速度を上げオーブ領海に近づいていった。

しかし周辺はNJの影響でレーダーもソナーも近距離でしか機能しなかった。

その時――

海面が盛り上がり、巨大な影が強襲揚陸艦の甲板に飛び上がった。

オーブの水中用MSゴッグである。

ゴッグは巨大なアイアンネイルを振り上げ、艦橋に一撃を叩き込んだ。

艦橋は一撃で破壊され、指揮系統は崩壊。

対空砲が火を噴くが、重装甲+PS装甲のゴッグには通用しない。

さらにゴッグは腹部の大型フォノンメーザー砲を足元の強襲揚陸艦に発射。

PS装甲すら撃ち抜くフォノンメーザー砲を至近距離で受ければ、いくら強襲揚陸艦が厚い装甲に覆われていても意味はなかった。

甲板から艦底まで貫かれ、そのまま竜骨をへし折りながら爆沈した。

続いて次々と水中用MSが海面へ飛び出した。

水上をホバーで移動しながら、ゼロ距離から次々と護衛艦に腕部のフォノンメーザー砲を撃ち込むハイゴッグ。

艦底にビームを纏ったバイス・クローで穴を穿ち、そのままフォノンメーザー砲を斉射して内部から艦艇を撃沈するズゴックE。

PS装甲を纏ったオーブの水中用MS相手では、実弾兵器しか持たないジブリールの艦隊はなす術もなかった。

 

重装甲・拠点破壊タイプのゴッグが敵陣に突入。

高機動・迎撃タイプのハイゴッグが海面をホバーで高速移動し、敵を撹乱。

汎用・量産性重視タイプのズゴックEが敵を殲滅。

三種の水中MSが連携し、ジブリール艦隊を瞬く間に殲滅した。

 

防衛の基本は“国外での防衛”である。

タイガは将来の構想として空母保有と外洋防衛を目指していた。

海洋は「隠蔽と奇襲に優れた戦場」である。

少数精鋭のコーディネーターMSに対抗するには最適。

そのためオーブは水中用MSの開発を優先し、アストレイとの部品共通化で量産性を確保した。

結果として――

• ゴッグ(重装甲・拠点破壊)

• ハイゴッグ(高機動・迎撃)

• ズゴックE(汎用・量産性重視)

これらがオーブの海上防衛の中核となった。

海に隠されたオーブを守る海中の盾である。

 

ジブリールの敗因は、オーブにMSが配備されているという情報を得ていなかったこと。

いや――

「オーブに手を出す」という決断をした時点で、ジブリールの敗北は決定していたのである。

 

 

“大西洋連邦の艦隊によるオーブ襲撃”という“歴史”は変わらなかった。

しかし、その結果は大きく変わる事になった。

――そう思われた。

 

しかし同じ頃、世界はそれをあざ笑うかのように、オーブで“運命”が始まる事になる。

 

 

 







※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

オーブにおけるジオン水泳部の設定ですw

ゴッグ
重装甲・拠点破壊タイプ
胴体に大型で高出力のフォノンメーザー砲を搭載
アイアンネイルには高周波振動機構を採用

ハイゴッグ
高機動・迎撃タイプ
宇宙世紀と異なり海上移動用にホバー機構を搭載。
腕部にフォノンメーザー砲と、爪にビームを纏わせるビームクローを採用。
宇宙世紀と同じようにオプションでミサイルも装備可能。

ズゴックE
汎用・量産性重視タイプ
ハイゴッグと同様に腕部にフォノンメーザー砲と、爪にビームを纏わせるビームクローを採用。
これはディスティニーの掌部ビーム砲パルマフィオキーナと同じ発想。
例え相手がPS装甲であってもビームクローで破壊し、そのまま内部からフォノンメーザー砲を撃ち込むという戦法。

水中用装備と装甲を除けばアストレイと水中用MSの部品共有率は70%近い。
水中用MSは基本となる素体がアストレイと大半の部品が共有化されている上、機種ごとの装備と装甲を付ければ相互運用が可能。
これにより開発期間の大幅短縮、生産コストの低下を達成。

全機種PS装甲を採用。
これにより実体弾に対してはほぼ無敵。

その他様々な設定がありますが、また後日の出番の時に紹介させていただきます(笑)
劇場版でズゴックが出てきましたが、本作とは無関係と思ってください。
お願いします(汗)

え?なんでこの三機なのか?
作者の好みです!(ドヤア!)


次回お楽しみください。

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