転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。






第125話 雷神の槌~そして運命の始まり~

 

 

 

水中MS部隊は、当時まだ実戦証明すらされていなかった。

機体数は少なく、整備・運用要員も限られ、多方面への分散配備など不可能。

それは戦力というより“賭け”に近い存在だった。

選択肢は二つ。

• 各海域に薄くばら撒き、どこも守れない配置

• 主力が通過すると推定される一点に全戦力を集中させる奇襲

選ばれたのは後者だった。

判断は勘ではない。

• 監視衛星の航路分析

• 補給量と頻度

• 出航地点の地理条件

• 過去の行動パターン

これらを突き合わせ、「過激派主力が必ず通過する海域」が一つに絞られた。

水中MS部隊はそこに全機潜伏。

――結果、的中。

奇襲は成功し、主力艦隊は壊滅。

水中MSはここで初めて“戦力”として証明された。

この一点において、作戦は完璧だった。

だが、集中は分散を捨てる行為でもある。

主力が通らないと判断された別方面は、事実上の空白となった。

そこを突いたのが、別動隊だった。

 

――――

 

これに対抗したのは、オーブ本島とオノゴロ島に建設された巨大砲台――

雷神の槌(トール・ハンマー)》であった。

大口径・長射程。

対艦・対空を主目的とした抑止兵器。

それが表向きの姿だった。

だが、本当の姿は別にあった。

 

――――

 

タイガは防衛本部の指令所にいた。

画面には、強襲揚陸艦4隻を中核とする別動隊の接近が映っていた。

揚陸艦には、完成したばかりのMS――

ストライクダガー20機 が積まれている。

MSのないオーブなどすぐ制圧できる。

別動隊はそう考えていた。

 

揚陸艦はMSを発進させた後、MSの上陸支援のためにオーブ本島に接近した。

その艦影を、オーブ本島の《雷神の槌(トール・ハンマー)》が捉えた。

巨大砲塔から閃光が走り、揚陸艦の一隻が爆沈。

恐慌状態のまま、別働隊は砲塔へ反撃。

発進させたストライクダガーを呼び集め、《雷神の槌(トール・ハンマー)》へ攻撃を集中させた。

二隻目が撃沈されると同時に、ストライクダガーの攻撃で《雷神の槌(トール・ハンマー)》は崩れ落ちた。

 

「敵の切り札を潰した」

 

別動隊はそう確信した。

 

だが、司令部でただ一人、表情を変えない男がいた。

タイガ・ウラ・アスハである。

破壊報告を聞いたあと、タイガは短く命じた。

 

「《雷神の槌(トール・ハンマー)》発射!」

 

参謀が言葉を失う。

 

「砲塔は破壊されています!」

 

タイガは静かに答えた。

 

「構わん!」

 

次の瞬間――

発射された《雷神の槌(トール・ハンマー)》により、三隻目の揚陸艦が爆沈した。

 

雷神の槌(トール・ハンマー)》とは巨大砲台ではない。

同一目標に対する複数火器の完全同期射撃システム である。

• 地上

• 海上

• 沿岸

• 艦艇

弾速も射程も威力も異なるそれらすべての火器群を、ひとつの目標に対して“一発の雷撃”として収束させる射撃プログラム。

巨大砲塔はただの――

光る囮 だった。

そして砲塔を破壊できる位置こそ、《雷神の槌(トール・ハンマー)》の“完成座標”だった。

 

発射。

同時着弾。

逃げ場はない。

残存艦艇はすべて撃沈され、海域は完全制圧された。

 

そして囮の巨大砲台に群がったストライクダガーを撃破する為に、アストレイの部隊が出撃した。

その中には肩に青い縁取りのされた“流星”のエンブレム が刻まれた“ガンダム”の部隊も含まれていた。

 

「発進シークエンス終了、カタパルト設置OK!」

 

「こちらガンダム・アストレイ、メテオ小隊発進準備完了!」

 

アムロは大きく息を吸い込んだ。

そして――

「アムロ、行きまーす!!!」

 

オーブ本島に襲来したストライクダガーは、迎撃に出たアムロとアストレイ部隊によって悉く撃破された。

市街地に到達するどころか、周辺海域にすら近づけず、ほとんどがその場で撃破された。

かろうじて生き残ったMSも帰還すべき母艦を失っていた。

攻撃を続けてもエネルギーが尽きた時点で終わりだ。

逃げ回っても同じだ。

戦うか、死ぬか――

いや、投降という選択肢があった。

結果、残存の全機が投降した。

 

迎撃はほぼ完璧だった。

市街地への被害はほとんどなく、後年の戦史では“防衛成功の典型例”と記されるほどだった。

 

だが――

完璧な防衛にも、影は落ちる。

流れ弾が数発、郊外に着弾した。

避難所でもない。

市街地でもない。

しかし犠牲者は出た。

その中に――

シン・アスカの家族の名前があった。

 

“運命”の始まりだった。

 

 

 






※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

次回お楽しみください。


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