転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
「傭兵部隊ですか?」
タイガから自分たちの所属を聞かされたマリューは、思わず疑問符を浮かべた。
「ああ。君たちは大西洋連合の脱走兵だ。脱走兵をオーブがそのまま使うわけにはいかない。
だから“傭兵部隊を雇った”という形にする。
傭兵部隊が誰を雇おうと、こちらには関係ないからな」
「それはいいんですが……すぐに露見するのでは?」
「その心配はない。これが君たちの身分証だ」
渡された身分証を見て、マリューは目を瞬かせた。
氏名、年齢、階級──すべて地球軍時代と同じだった。
「??? これはいったい?」
「同姓同名の別人が“たまたま”傭兵部隊に所属していただけだ。
そして“偶然”以前護衛していた民間船に乗っていたそうだ。
“偶然”とは恐ろしいな」
「隠す気あります?」
バルトフェルドが冷静に突っ込む。
ちなみに彼の身分証もザフト時代と同じである。
「同姓同名の別人」という、あまりにも強引な身分偽装。
これは隠蔽が目的ではなく、詮索する相手に『これ以上の説明は無用だ』と突き放すための政治的ポーズであった。
実際、内容がどのような物であっても「オーブが公式に認めた身分証明」を否定する事は難しい。
それを否定するのであればそれは「オーブの主張を認めない」という事であり、それは「オーブに対する敵対行為」を明言するようなものだった。
「実際問題、オーブではMSを運用できる艦船がまだ十分ではない。今さら一から乗員を揃える余裕もない。
だから“傭兵部隊として雇用している”という形さえ整えておけば、いくらでも言い訳はできる。
使える人員を遊ばせておく余裕は、わが国にはないのだよ」
「普通、もう少し本音は隠すもんじゃないですか?」
ムウの突っ込みはもっともだった。
「生憎だが、そんな余裕はない」
その言葉に、三人は状況が本当に一刻を争うことを理解した。
「エターナルも同じように手続きは完了している。
暫定だが、アーク・エンジェルとエターナルで艦隊を編成する。
それに合わせて君たちにも一時的だがオーブ軍の階級が与えられる。
艦隊司令はバルトフェルド一佐、アーク・エンジェル艦長はラミアス三佐、エターナルはラクスで頼みたい」
「ちょっと待ってください! ラクスさんは未成年で民間人ですよ!」
「本人の希望だ。“プラントでは15で成人だ”と言い張られてな。
実際、エターナルをまとめられるのは彼女しかいない。
まあ、基本的には艦長席に座っていてもらうだけでいい。
実際には副官が全部やる」
(ダコスタも可哀そうに)
実質的な艦長をやらされる元副官に、バルトフェルドは同情した。
「そして君たちには、宇宙に我が国の“切り札”を届けてもらいたい」
「「「!!!」」」
その言葉の意味を、三人は即座に理解した。
「いいんですか? 本国の守りが薄くなりますよ?」
「切り札というのは、持っているだけでは意味がない。使う時に使わなければな」
“宇宙で止められなかったらオーブも終わりだ”
タイガの言葉に、三人は黙って頷いた。
「これが君たちの所属することになる傭兵部隊だ」
渡された書類を見て、マリューは絶句した。
『オーブ雇用傭兵部隊 大天使』
「やっぱり隠す気ないでしょう?」
バルトフェルドの突っ込みが、タイガの部屋に空しく響いた。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
次回お楽しみください。