転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。





第132話 大天使

 

 

 

「傭兵部隊ですか?」

 

タイガから自分たちの所属を聞かされたマリューは、思わず疑問符を浮かべた。

 

「ああ。君たちは大西洋連合の脱走兵だ。脱走兵をオーブがそのまま使うわけにはいかない。

だから“傭兵部隊を雇った”という形にする。

傭兵部隊が誰を雇おうと、こちらには関係ないからな」

 

「それはいいんですが……すぐに露見するのでは?」

 

「その心配はない。これが君たちの身分証だ」

 

渡された身分証を見て、マリューは目を瞬かせた。

氏名、年齢、階級──すべて地球軍時代と同じだった。

 

「??? これはいったい?」

 

「同姓同名の別人が“たまたま”傭兵部隊に所属していただけだ。

そして“偶然”以前護衛していた民間船に乗っていたそうだ。

“偶然”とは恐ろしいな」

 

「隠す気あります?」

 

バルトフェルドが冷静に突っ込む。

ちなみに彼の身分証もザフト時代と同じである。

「同姓同名の別人」という、あまりにも強引な身分偽装。

これは隠蔽が目的ではなく、詮索する相手に『これ以上の説明は無用だ』と突き放すための政治的ポーズであった。

実際、内容がどのような物であっても「オーブが公式に認めた身分証明」を否定する事は難しい。

それを否定するのであればそれは「オーブの主張を認めない」という事であり、それは「オーブに対する敵対行為」を明言するようなものだった。

 

「実際問題、オーブではMSを運用できる艦船がまだ十分ではない。今さら一から乗員を揃える余裕もない。

だから“傭兵部隊として雇用している”という形さえ整えておけば、いくらでも言い訳はできる。

使える人員を遊ばせておく余裕は、わが国にはないのだよ」

 

「普通、もう少し本音は隠すもんじゃないですか?」

 

ムウの突っ込みはもっともだった。

 

「生憎だが、そんな余裕はない」

 

その言葉に、三人は状況が本当に一刻を争うことを理解した。

 

「エターナルも同じように手続きは完了している。

暫定だが、アーク・エンジェルとエターナルで艦隊を編成する。

それに合わせて君たちにも一時的だがオーブ軍の階級が与えられる。

艦隊司令はバルトフェルド一佐、アーク・エンジェル艦長はラミアス三佐、エターナルはラクスで頼みたい」

 

「ちょっと待ってください! ラクスさんは未成年で民間人ですよ!」

 

「本人の希望だ。“プラントでは15で成人だ”と言い張られてな。

実際、エターナルをまとめられるのは彼女しかいない。

まあ、基本的には艦長席に座っていてもらうだけでいい。

実際には副官が全部やる」

 

(ダコスタも可哀そうに)

 

実質的な艦長をやらされる元副官に、バルトフェルドは同情した。

 

「そして君たちには、宇宙に我が国の“切り札”を届けてもらいたい」

 

「「「!!!」」」

 

その言葉の意味を、三人は即座に理解した。

 

「いいんですか? 本国の守りが薄くなりますよ?」

 

「切り札というのは、持っているだけでは意味がない。使う時に使わなければな」

 

“宇宙で止められなかったらオーブも終わりだ”

 

タイガの言葉に、三人は黙って頷いた。

 

「これが君たちの所属することになる傭兵部隊だ」

 

渡された書類を見て、マリューは絶句した。

 

『オーブ雇用傭兵部隊 大天使』

 

「やっぱり隠す気ないでしょう?」

 

バルトフェルドの突っ込みが、タイガの部屋に空しく響いた。

 

 

 







※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

次回お楽しみください。
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