転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。





第133話 砕ける戦意

 

 

 

地球連合軍はヤキン・ドゥーエを攻めあぐねていた。

戦闘そのものは順調だった。

開戦当初こそMS戦力で劣勢だったが、こちらもMSを揃えたことで状況は逆転した。

いくらザフトのMSが優れていようと、数の差を覆すことはできない──本来ならば。

しかし、たった一機のMSがその“あり得ないこと”を実行していた。

ラウ・ル・クルーゼの操る プロヴィデンスガンダム である。

核動力で、PS装甲の防御力は衰える事なく、合計11基の無線誘導式ビーム砲台を操り、全身に装備された砲門は43門。

ザフトの切り札の一つと言ってよい怪物だった。

これにより地球連合のストライクダガー部隊は壊滅し、前進を阻まれていた。

単機のMSに戦場が支配される異常な状況だった。

傭兵部隊・大天使が戦場に到着したのは、まさにその時だった。

 

――

 

「これは?」

 

「こいつはちっとばかし手強いな?」

 

「フム?」

 

バルトフェルドはプロヴィデンスのデータを確認する。

 

「フラガ三佐は出番があるかもしれないから、ブリッツで待機していてくれ。OSはナチュラル用に換装済みだから問題ないだろう?」

 

「MSでの実戦は初めてなんだがね?」

 

「今までと比べれば楽なんじゃないか?」

 

「全く否定できないね!」

 

軽口を叩きながらムウは格納庫へ降りていった。

 

「さて、データによるとあのMSは最終防衛用で核動力、PS装甲は無限使用可能。

11基の無線誘導式ビーム砲台と、全身に43門の砲門……正面から行ったら突破不可能だな」

 

「そんな!」

 

「しかし、物事には“やり方”というものがある」

 

バルトフェルドの笑みは、まさに“砂漠の虎”と呼ばれるにふさわしいものだった。

バルトフェルドは小型ドローン搭載の無人メビウスを10機発進させた。

 

――

 

「また無人機か? 無駄なことを」

 

クルーゼはせせら笑う。

確かに正面からでは無意味だっただろう。

だが、バルトフェルドは最初からプロヴィデンスと正面からやり合うつもりなどなかった。

無人メビウスから、胴体に2つ、左右に2つずつ──計6機の“親機”が射出される。

ひとつの親機には40の小型ドローンが収納されていた。

1機で240機、10機で 2400機 のドローンがプロヴィデンスに殺到した。

そしてバルトフェルドの狙いはプロヴィデンス本体ではない。

 

「無線誘導式ビーム砲台は11基。一基あたり200機以上のドローンが相手をする。

いくら何でも砲台までPS装甲ではあるまい?

200対1以上なら、小型ドローンをミサイル代わりに直撃させるのは容易だ。

数機も当たれば破壊できる。

そして定期的に本体に戻ってチャージしているということは、無線状態で撃てるビームは数発程度。

砲台が使えなければ、あれはただの“高火力MS”に過ぎん。やりようはいくらでもある」

 

ドローンはプロヴィデンスの無線誘導式ビーム砲台を次々と破壊していった。

 

「くうう、なめるなあ〜!」

 

それでもクルーゼは半数の砲台を失いながら、2400機のドローンをすべて撃墜してみせた。

 

「はあ、はあ、これで……」

 

「では、次と行こうか?」

 

クルーゼがドローンを撃ち尽くした瞬間、10機の無人メビウスが襲いかかった。

 

「くっ!」

 

「さて、次はどうするかね?」

 

バルトフェルドは思案する。

戦争はスポーツではない。

正面から正々堂々と戦うなど愚行だ。

相手に力を出させず、一方的に勝つ──それが指揮官に求められる。

あと10機の無人メビウスでプロヴィデンスは丸裸にできる。

最新最強のMSが、旧式のメビウスによって戦力のほとんどを失うのだ。

もはや“MSのスペック競争”は無意味だと、実戦が証明してしまった。

 

(プラントの戦意を砕くには、“自分たちでは勝てない”と思わせる必要がある。

“最新最強のMSでも敗れた”という事実が必要だ。そのためには──)

 

バルトフェルドは通信を開いた。

 

傭兵部隊“大天使”にはオーブ軍と行動を共にする為に一時的に階級が与えられていた。

しかし所詮は傭兵部隊なので、正規軍へは“命令”ではなく“依頼”する立場だった。

それを抜きにしても、バルトフェルドが“依頼”する人物は敬意を払うべき存在だった。

 

「アムロ二尉。行けますか?」

 

「ああ、もちろんだ!」

 

「正直、無人メビウスでも片はつきます。あなたに危険を冒してもらう必要はないのですが」

 

「でも、それが必要なんだろう? だったら任せてくれ!」

 

(……そうだな。彼なら心配はいらん。これでプラントの戦意を完全に砕ける)

 

「アムロ二尉、お願いします!」

 

「了解!」

 

ハンガーでは発進準備が整っていた。

白く塗装された ガンダム。

そして2機のアストレイ。

肩には青く縁取られた流星のエンブレム。

 

「発進シークエンス終了、カタパルト設置OK!」

 

「こちらガンダム・アストレイ、発進準備完了!」

 

アムロは大きく息を吸い込んだ。

 

そして──

「アムロ、行きまーす!!!」

 

大天使から白い流星が翔び立った。

 

プラントの終わりの始まりだった。

 

 

 







※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

次回お楽しみください。


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