転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。





第134話 粉砕

 

 

 

それは唐突だった。

意識が、世界が、認識が──

自分自身が大きく広がっていくのが分かった。

 

(これが……ニュータイプ、か)

 

クルーゼの意識は肉体から離れ、戦場全体を俯瞰し、

自分では見えないはずの場所までも鮮明に認識できていた。

 

(なるほどな。彼はこのような感覚で戦っていたのか。

我々が勝てないわけだ。

これが“人類の新たな可能性”……か。

人類など滅びるべきだとしか思っていなったが、

このような可能性が残っているのであれば、

人もまだ捨てたものではないのかもしれんな)

 

人の業を憎み、人の業によって生み出され、人類を滅ぼすために生きてきた男は、

その瞬間だけ“人という存在の希望”に触れた。

次の瞬間、クルーゼの肉体はガンダムのビームサーベルに貫かれ、蒸発した。

 

――――

 

それは悪夢だった。

いや──悪魔だった。

プロヴィデンスを護衛するザフトのMS部隊。

ゲイツ、シグー、ジン。

数機がかりでも全く相手にならない。

白い機体が視界に入った瞬間、一方的に撃破されていく。

プロヴィデンスのように多数の火器を持つわけでもない。

ジンハイマニューバのように機動性に特化しているわけでもない。

ゲイツのような特殊兵装があるわけでもない。

しかし──

“まるで攻撃が来る場所を知っているように”

“こちらの回避先を読んでいるように”

“どこに逃げても攻撃が当たり、自分の攻撃はかすりもしない”

プロヴィデンスの周囲のMSは、瞬く間に全滅した。

 

「……」

 

クルーゼは、自分が冷や汗を流していることに気付いた。

 

(大丈夫だ……このMSは核動力だ。PS装甲がフェイズダウンすることはない。

限界まで装甲にエネルギーを回せば、ビームライフルの一発や二発程度で撃破される事もない。

無線ビーム砲台も残っている。本体の火器も健在……負ける理由はない!)

 

そう言い聞かせても、目の前の“ガンダム”に勝つ未来は全く見えなかった。

 

(私は負けるわけにはいかない!この愚かな人類に鉄槌を下すまでは!)

 

クルーゼは残った無線ビーム砲台を全て繰り出した。

背後から狙う──躱された。

上から撃つ──撃ち落とされた。

左右から同時砲撃──反転されて破壊された。

真下から突進──真っ二つにされた。

火線に誘導──全て破壊された。

残るはプロヴィデンス本体のみ。

 

「ハァ……ハァ……」

 

(これがニュータイプ……?

新しい人類?

誰でもなれる可能性?

ふざけるな……!

そんなものが本当に存在するなら、私やレイのような存在は何のために生まれた!

我々の生命の意味はどこにある!)

 

クルーゼは全ての技術を尽くして攻撃を試みた。

しかしユーディキウム・ビームライフルは躱され、接近しても当たらず、

ビームサーベルの間合いにすら入れない。

しかしそれでもクルーゼは一方で冷静に勝因を手繰り寄せようとしていた。

 

(ジリ貧だ……こちらの攻撃は尽く躱され当たらない。

だが核動力の高PS装甲のおかげで相手の攻撃も通用しない。

限界までPS装甲にエネルギーをつぎ込んでいるので、ビームライフルでもそう簡単には致命傷にならない。

一瞬だけであればビームサーベルでも止める事は可能だろう。

ならば装甲を盾にして接近し、躱せない距離でビームサーベルを──)

 

その意図を読んだかのように、ガンダムも突進してきた。

ガンダムがビームライフルを構える。

 

(無駄なことを)

 

しかし至近距離で、ガンダムはプロヴィデンスの一点に集中して十数発のビームを叩き込んだ。

 

「なっ──!」

 

PS装甲は無限ではない。

“長期間維持できる”だけだ。

瞬間の許容量を超えれば、極小の時間だけであってもフェイズダウンを起こす。

もちろん核動力なのですぐに復旧する。

しかし一瞬にせよそれは戦闘中にはあまりにも大きな隙だった。

その隙を突き、ガンダムのビームサーベルがコクピットを貫こうとする。

だが一瞬早く核動力によってPS装甲が復旧する。

 

(よし、このまま動きを止めて・・・)

 

勝機を見出したクルーゼだったが、使用時間と引き換えに瞬間的に高出力化したビームサーベルが、

PS装甲を再び一瞬だけフェイズダウンさせた。

 

「何い!」

 

高出力化したビームサーベルはそのままプロヴィデンスのコクピットを貫いた。

 

クルーゼの意識は拡散し、ニュータイプの根幹に触れながら消えていった。

 

プロヴィデンス護衛隊、全滅。

プロヴィデンス、撃破。

成し遂げたのは──

オーブの白い流星。

最新最強のMSをもってしても、オーブのMSには勝てないことが証明された。

この瞬間、ザフトの交戦意思は粉砕された。

 

 

 

 






※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

次回お楽しみください。

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