転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
論戦終了後のデュランダル側の視点の話になります。
本話はAIで作成したものを参考に作成しました。
どうぞお楽しみください。





第149話 語る資格

 

 

 

プラントの管制室には音がなかった。

爆発もない。

歓声も、怒号もない。

ただ、戻っていく人々の映像が複数のモニターに映っている。

誰も命令していない。

誰も強制していない。

誰も管理していない。

それが、彼には理解できなかった。

デュランダルはゆっくりと椅子に背を預ける。

彼は、人類を信じていなかった。

だからこそ、計画を作った。

 

「選択は争いを生む」

 

「競争は戦争を呼ぶ」

 

「才能の不均衡は不幸を生む」

 

すべて、正しい前提だった。

だが――

一つだけ、計算に入れていないものがあった。

それは理性でも、恐怖でも、希望でもない。

 

 

日常だ。

 

 

モニターの中で、一人の男が子どもを抱き上げている。

別の画面では、誰かが電話をかけながら走っている。

 

「……」

 

デュランダルは言葉を探さない。

彼は常に、言葉で世界を動かしてきた。

糾弾し、暴き、語り、正義を与えてきた。

だが今――

言葉が不要な光景が広がっている。

彼の計画は、人類を「争わない存在」に作り替えるものだった。

だが、今起きていることは違う。

争える存在が、争わないことを自分で選んだ。

それは、管理ではない。

誘導でもない。

否定だ。

デュランダルはゆっくりと手を組む。

指先がわずかに震えている。

彼は敗北を認めない。

だが――勝利の言葉も浮かばない。

彼の理論は崩れていない。

そう思い込もうとした。

だが、必要ともされていない。

それも事実だった。

彼の理論は彼の周囲にいるような「限られた一部の者」にとっては理想だった。

だがそれ以外の者にとっては不要なものだった。

彼の不運は彼の周囲の者達は「自分の繁栄が「子々孫々に至るまでの奴隷制度の創設」の結果」と認識しても、

それを恥じる事無く誇る者達であった事だろう。

彼の周囲の者達にとって「劣ったナチュラルが奴隷として優れたコーディネーターに尽くす事」は当然の事でしかなかったのだから。

そんな彼の視点が周囲の者達に準じるものになる事は必然でしかなかったのだろう。

だが、そんな彼の視点が他の者達に受け入れられるはずもなかった。

プラントという閉ざされた場所しか知らない彼らには「自分達以外の者からどのような目で見られているか?」という視点が根本的に欠けていた。

 

「……人は」

 

声がかすれる。

 

「そこまで信頼に値する存在ではないと思っていたのだがな……」

 

返事はない。

それでも――

彼の世界は、一度、静かに終わった。

彼が沈黙したのは、負けたからではない。

語る意味が、消えたからだ。

負けるには語られなければならない。

しかし彼の世界は「語る事」そのものを否定された。

勝ち負け以前の問題だった。

 

(……否定できない)

 

彼は知っている。

タイガの呼びかけは、政治ではない。

思想でもない。

扇動ですらない。

人間として、あまりにも正しい。

「秩序」では反論できない。

「未来」でも覆せない。

「人類のため」という言葉をどれだけ積み上げても

――あの一言に勝てない。

 

「家に帰り、大切な人と過ごす。それ以上大事なことがありますか?」

 

その問いは、ディスティニープランの根幹を静かに切り裂いていた。

遺伝子。

適性。

割り当てられた役割。

それらはすべて、「帰る場所」があることを前提としている。

だが今、彼の前で起きている現象は――

役割を与えられなくても、人は自分で選ぶ。

 

プラントの管制室は沈黙に満ちていた。

スタッフの誰も声をかけない。

放送席にいる全員が理解していた。

今この瞬間、議長は「語る資格そのもの」を失ったのだ。

そしてデュランダルは、スクリーンから目を逸らさず、

ただ一言も発さぬまま――

放送終了のランプが灯るのを見つめ続けていた。

 

 

 







※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

デュランダルにも彼なりの論理があってディスティニープランを推進していたのだと思います。

しかし、それは“ 彼ら(コーディネーター)だけ”に都合の良い論理であって、『他者がそれを受け入れる理由は無い』という事を“ 彼ら(コーディネーター)”が理解していない事が根本的な問題ではないでしょうか。

“ニュータイプ”が世界に広がった結果、“コーディネーターは優れた存在である”という“コーディネーター優勢主義”は破綻しました。

つまり“ 彼ら(コーディネーター)”の『自分たちは優れた存在である』という自負は単なる自称でしかないという事を証明しています。

どれ程優秀な者であっても、現実を認められない者が衰退するのは当然の結果でしかありません。

本当に“優れた存在”であれば『時代に適応できず衰退する事』など有り得ないのですから。

次回、デュランダルの最後の足掻きがさらにC.E.に混乱をもたらします。

次回お楽しみください。


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