転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。





第150話 揺らぐ世界

 

 

 

地球上の混乱は、なおも続いていた。

西ユーラシアは灰燼に帰し、カーペンタリアではザフトと地球連合の対峙が続いている。

その中で、被害を受けた西ユーラシアに対しブルーコスモスが支援物資を届けた。

ユーラシア連邦上層部は、現地軍に攻撃を指示した。

だが――現地軍はこれを拒否した。

それどころか、ブルーコスモスに協力し始めた。

激怒した上層部は、現地軍司令官を召還し問い詰める。

司令官の答えは、あまりにも当然だった。

 

「兵士がブルーコスモスへの攻撃を拒否しています」

 

「命令すればいいだろう!」

 

上層部は怒鳴る。

司令官は淡々と返した。

 

「そうなりますと、ブルーコスモスに家族を助けられた兵士が

全て反乱を起こす事になりますが……それでよろしいのですか?」

 

上層部は絶句した。

NJ投下時、国も軍も民間人をほとんど救えなかった。

救ったのはブルーコスモスだけだった。

 

「いざという時に助けてくれなかった国が、助けてくれた恩人を攻撃しろと命令してくる」

 

兵士たちが従う理由は、どこにもなかった。

さらに、もしブルーコスモスを攻撃すれば世界中のブルーコスモスとその賛同者が敵に回る。

それは、ユーラシア連邦という国家そのものの消滅すらあり得る。

司令官の判断は、その場での最適解だった。

 

「ブルーコスモスがいる以上、下手に手を出す事は出来ません。

今は静観すべきでは?」

 

その進言に従い、ユーラシア連邦は渋々と西ユーラシアへの弾圧を中止した。

これが後にファウンデーション王国の独立――

“ファウンデーション・ショック”

の遠因となることを、まだ誰も知らなかった。

 

――――

 

「……地球連合財務省?」

 

評議会に、報告が届いた。

 

「ハッ!大戦前の不法な取引と、その、議長が行われた不法なロゴス市場取引について

追徴金を課すとのことです!」

 

「バカな!大戦前の行いはユニウス条約で清算済みだ!今さら反故にする気か!」

 

評議員の怒声が響く。

 

通常であればその通りである。

平和条約が締結されればそれで国家間の戦争は終了し、戦勝国も敗戦国も戦争時の行為の責任を問う事は出来なくなる。

例え戦勝国に戦火によって莫大な損害が発生していても、その保障は平和条約の締結時に含まれているのが普通である。

しかしプラントは理事国に対する賠償も補償も拒否してユニウス条約を締結した。

現実問題として一億数千万に対する補償など不可能なので地球連合も渋々同意したという経緯があった。

つまりプラントの主張は「補償も賠償もしていないが、ユニウス条約の締結で戦前の行為の責任は問えないだろう」という虫のいい、ただし条約上は否定できない正論だった。

 

だが報告官は首を振った。

 

「いえ、名目上“各証券会社とプラントは無関係”になっており、大戦とは関係なく、

“各証券会社が勝手に投資し、その利益をプラントに寄付した”

という扱いになっています。

つまり純粋な経済活動であり、ユニウス条約は適用されません」

 

「なんだと……!」

 

報告は続く。

 

「ロゴス市場取引についても同様で、地球連合は“悪質なインサイダー取引”と主張しています。

隠蔽が完璧だったため、プラント側も庇いきれません」

 

「……追徴金の額は?」

 

「それが……」

 

提示された金額は、プラントとデュランダルが得た利益の“倍以上”だった。

 

「な、なんだこの金額は!」

 

「不正取引に適用される正規の追徴金であれば、この程度になります」

 

「連中はこんなものが払えると思っているのか!」

 

「払えなければ“強制徴収”するとのことです」

 

「強制……?」

 

その言葉の意味を理解した瞬間、評議員たちは背筋を震わせた。

地球連合艦隊が、再びプラントに向かう光景が脳裏に浮かぶ。

 

「つまりこれは……追徴金徴収に名を借りた軍事行動ということですね」

 

議場に、デュランダルの静かな声が響いた。

 

「地球連合は、どうしても我々を滅ぼしたいようです。

それこそ、どんな理由を付けてでも」

 

「議長……」

 

「不本意ですが、仕方ありません。我々は滅ぼされるわけにはいきません」

 

デュランダルは立ち上がった。

 

「ザフトに戦時体制への移行を命じます。各員、準備しなさい」

 

「ハッ!」

 

こうして――

政治でもなく、軍事でもなく、“経済的理由”によって再び地球連合とプラントの戦端が開かれることになった。

 

C.E.の混乱は、まだ終わらない。

 

 

 

 

 







※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

感想欄での皆様の予想に戦々恐々している作者です(汗)

ですから、皆様は何故これから作者が書き込もうとしている内容を、これほど的確に言い当てる事が出来るのでしょうか?(涙)

(単なる作者の実力不足では?)

こうなったら既に最終話まで書き上がった内容を書き直すしか!

(途中で挫折して更新出来なくなるだけじゃないの?)

・・・え〜、もし皆様の予想した内容がそのまま作中に出てきても、「単なる作者の実力不足」と思って笑って読み飛ばしていただければ幸いです(涙)

次回、プラントとオーブの間で「一滴の血も流れないまま」戦端が開かれます。

次回お楽しみください。

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